第33話 おちる

 落ちる夢を見る。ふうっと身体が沈み込む。そしてすうっとすうっとどこまでも仰向けで落ちていく。

 空が見える。澄んだ青と白い雲の筋。

 僕は何をしてきたのだろう。

 何をしようというのだろう。

 なにかになりたかった気もする。なにになりたかったのだろう。

 僕は愛しただろうか。純粋に愛したことがあっただろうか。哀しみと幽かな痛み。

 僕は独り。

 ぽつねんと独り。

 懺悔しなければ。何を?誰に?

 どこまでも落ちていく。

 身体に力が入らない。ふわり。すうっと。

 落ちていく堕ちていく墜ちていく。

 

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