第30話 いくばく

 いくばくの時が流れたろう。

 過去は霞、未来は朦朧。

 いくばく。

 僕は何をしてきたのか。

 これから何をしようとするのか。

 いくばくの川。

 いくばくの山。

 いくばくの海。

 いくばくの空。

 そっと誰にも知らせず胸の中にしまっておきたいものはある。

 それを抱きしめて生きていこうか。

 いくばくの命を。

 

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