(参加作品その1)黒い猫(れん様)

   

黒い猫



 みのりはこの春に就職したばかり。同時に始めた一人暮らしに寂しさを感じ始めていた。そんな夜、みのりの部屋に黒猫が突然現れる。

 驚くみのりに、黒猫は「自分は人間だ」と言った。彼の有名な歴史上の人物の名を挙げる猫に面食らうみのりだが、ある時みのりはその人物の在りし日を垣間見ることになる。生きる力と意味を失った彼を見て愕然とするみのりと、試練を突き付けられた男の物語の行く末は如何に。《全14話》



最終話URL

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881421835/episodes/1177354054881875548



企画参加時点での最終話PV:114



(私からの一言)

 犯人? 悪役? それっぽい記述があるけれど、さらっと一段落だけなので「どういう経緯でそこに至るのか」という興味は掻き立てられます。この状態で第一話から読んだら、ちょっと倒叙ものミステリを読む気分になれそうです。それにハッピーエンドも確定しているので、ある意味、安心して読めるわけです。

 早速、第一話を読んでみると……。なるほど、これは、この企画に相応しい作品だと感じました。それだけでは愛猫家のための現代ドラマにも思える第一話が、最終話を読んだ後だと、ちゃんとファンタジーになっている!

 例えば『壁に掛かったタペストリー』は何気ない記述ですが、知った上で読めば意味深(一種の伏線)ですし、お風呂の話も、単なる猫の入浴ではなくなるので、ニヤニヤしてしまいました。

   

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