第10話 花火大会1

 僕の部屋は川沿いの花火会場側にベランダのある2階の部屋であり、花火は直近で見れることから花火大会には行く必要がない。そんなことを、図書館調査の際に作られたグループLINE「秋葉@オカルト調査委員会」に書き込んだのは、図書館調査をした3日後のことである。実地調査は8月1日に決定したものの、どういった言い訳を親にするべきかを話し合っていた時に、なぜか花火大会についての話の流れになったのだ。

 花火大会は7月29日。天気予報を見る限り、実施は間違いないようだ。そして、当日。

「どうしてこうなった!」

 自分の部屋のベットで浴衣の秋葉と、ロリ巨乳こと須崎さんが乱れている。目の保養なのだが、ここに眼鏡がいないことが悔やまれて仕方ない。こういった事態になった場合の避雷針であるからだ。そして僕は彼女たちの座るベットの前に正座している。

「誰の許可を得て、この部屋に入ったのかしら?」

秋葉の座った目が僕を見る。足を組み替えながらなので目のやり場に困らないけど、困る。

「いや、この部屋は僕の部屋なんですが・・・」

「そんな言い訳は聞きたくありません。」

須崎さんは、胸元を正しながら、あたかも正論と言わんばかりに罵ってくる。Mに目覚めるかもしれない。

「僕は、ただ、普通に家に帰ってきただけなんですけど・・・」

「そもそも、これは何ですか?」

秋葉が見覚えのある肌色の多い箱を手に持っている。

「それは眼鏡が貸してくれたおすすめのPCゲームですね。」

「ところで、久遠さんは今おいくつですか?」

たたみかけるように、須崎さんが質問してくる。圧迫面接みたいだ。

「15ですけど。」

「このマークは18歳以上のマークですよね?」

なんなんだこれ。なんで、僕の部屋に二人がいるの?混乱する僕は、もう一度家に帰るところから思い返すことにした。

 家にいると勉強がはかどらないから、僕は近くの役場に併設された小さな図書室にて夏休みの宿題をし、キリがいいところで帰宅した。玄関にはみなれない履物があったが、妹のものだと思ったから気にしなかった。それで、自分の部屋の前に来ると聞き覚えのあるような女性の嬌声きょうせいみたいなのが聞こえてきた。

「このー、おっぱい星人め。どうしてこんなに大きいのよ。」

「嫌ぁー、揉まないでください!困ります!」

「なんということなの。生で触るとこれはこれで滑らかでいて、腹立たしい。」

「もう、だめです。こうなったらおかえしです!ほぅ、いいものお持ちですね。」

「ちょっと!そこはダメ!」

ここで、僕は開けるかどうか躊躇すべきだった。でも、ツッコミの血が騒いでしまったのだろう。

ガチャ。

ドアを開けると浴衣の美少女2人が僕のベットの上で乳繰り合っている。息も上がっていて煽情的でいて色っぽい。それに、誘ってもいないのにうちに来てそれでいてなんで浴衣なのか。そもそも、だれが部屋に入っていいと言ったのか。なぜ、僕が隠していた眼鏡のおすすめゲーム(18禁)がプレイされているのか。そう、この状態においての適切なツッコミは___。

以上回想終わり。  

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