第8話 情報共有と考察4

 沈黙する面々だが、秋葉は被害者になるかもしれないというのに、他の3人とは違ったリアクションである。心底楽しそうである。僕はそんな彼女にイラついてきていた。

「はい!チョコとイチゴのパフェDXとティラミス2つお待ちー!あ、あと眼鏡君のモンブランね!」

妙な空気の中、愛さんの元気な声とともに砂糖の塊たちがやってきた。少し空気が和んだような気がしたが、僕は思っていることを口に出した。

「僕は、秋葉のことを思っていろいろ調べてる。秋葉はただ、楽しんでいるだけなのか?」

また、妙な空気が生まれた。

「え?久遠、怒ってる?なんで?」

秋葉はとぼけているのだろうか。そんなことを言い出す。

「だって、秋葉が消えるかもしれないっていうのに、本人がそんなに深刻に考えてないというか。それでいいのかなって思ってさ。」

僕がそう言うと、秋葉はイチゴパフェにスプーンを差し込むと、

「オカルトなんて信じない久遠が変なこと言うのね。」

と、生クリームを僕の方へ向けてきた。そして、

「私を心配してくれてるってことを評価して一口あげる。はい、あ~ん。」

「一口かよ。ケチだな。」

僕は、そういって、生クリームを口に入れた。イチゴソースの甘酸っぱいイチゴの香りが口の中に広がった。

「あ、あのー。お二人は付き合っているんですか?」

須崎さんが不思議なことを聞いてきた。

「愛さん。これはどこからどう見てもバカップルですよね!?」

眼鏡が愛さんに意見を求め

「最初からそうだと思ってたんだけど、違うの?」

と愛さんが秋葉に質問する。

「違いますよ。いたっていつも通りですよ!」

と、僕が否定すると、

「い・つ・も・ど・お・りだとー。うらやまけしからん。祝ってやる!」

眼鏡がモンブランを贈呈してきた。意味不明である。

「おい、呪いと祝いという漢字は似てるけども、その致命的なミスを発言でするやつ初めて見たぞ。」

冷静にツッコミの仕事をしていると、秋葉はちょっと不機嫌そうに愛さんに何かを言っている。そして、

「久遠って本当にバカなの?」

と言われた。

さらに

「バカなの?」

と、秋葉をまねした愛さんに言われた。

僕はただ、秋葉を心配しているだけだというのに、なぜこんなことを言われるのか理解できずに、もやもやしながら贈呈されたモンブランを食べるのであった。

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