第2話 図書館調査2

 指定された図書館は市内のほうにある、栄えた街中にある。まず、そこに行く手段だが、田舎は車社会である。電車なんてそんな文明的なものはない。では、何で行くかというとバスである。しかもバスの本数は限られている。午前8時のバスを逃すと次のバスが来るのは2時間後であり、市内まで1時間30分もかかる。完全に予定する時間には間に合わない。さらに、バス代がシャレにならない。片道1500円。ふざけてやがる。結局近くの古本屋兼ゲームショップに吟味に吟味を重ねて、マンガとゲームを換金したところ、8000円を入手することができた。

 そんなこんなで、図書館前のバス停に着いたのが9時30分を過ぎたころだった。冷房の効いたバスから降りると、灼熱のアスファルトと天界から降り注ぐ強烈な太陽光に汗が噴き出した。スマホを取り出し、秋葉にLINEする。

僕「図書館着いた。暑いから中に入ってる。」

秋「今、あなたの後ろにいる。」

驚愕な返信が来て、恐る恐る振り返ると、確かにいた。いつからいたのか全く分からない。

「何驚いてるの?同じバスで来てるのに気付かないなんて、バカなの?」

「え?そうなの?」

と、秋葉とやり取りをしていると、

「本当にバカだよな、同じバスで来てるのに。」

憎たらしい声が聞こえた。

「あ、眼鏡もいたのか。」

「誰が眼鏡じゃ!神崎祐輔っていう名前があるんだよ!てか、この露出の高い秋葉様の姿を見よ!眼福じゃー、ありがたやー。」

確かに短めのワンピースで足が、そして肩が出ている。いつもの制服姿と違って少しドキッとしたのは言わないでおこう。

「ひゃっ。」

秋葉は自分を抱くようにして、両手を合わせて拝む眼鏡から距離をとった。

「まぁ、そうなるよね。眼鏡はちょっと変態だから。」

「ちょっとどころではない。」

どや顔で眼鏡はそう言うと、変なポーズを決めた。言い表すなら、戦隊もので何かが爆発して戦隊全員が勢揃いしているときの、レッドの位置にいる感じのポーズである。

「自分で言うなよ。」

「久遠の眼鏡なら、仕方がないわね。」

どことなく納得したようにうなずく秋葉。それはどういう意味なんだろう。

「みなさん、お待たせしました!」

すると、駅の方から小走りで来る少女がいた。秋葉より短めの伸長と髪。そして一見小学生にしか見えない可愛らしい容姿にも関わらず、たわわに実った2つのものが揺れている。周囲の男性は釘付けであるのは言うまでもない。

「デカい。」

眼鏡が呟く。

「確かに。」

答えると同時に右腕に痛覚反応があった。秋葉に腕をつねられていた。

「え、なんで僕だけ・・・?」

その質問に答えは返ってこなかったものの痛みが増した。そして、予定する全員が図書館に集合したのであった。

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