第1話 図書館調査1

 「秋葉千鶴殺人予告予知夢調査について。

・8月8日に秋葉千鶴が殺害されるという、予知夢が観察された。

・予見者は須崎亞希という、隣の女子高の生徒である。

・予見者は「嗤う地蔵」という噂の地蔵を目撃して予知夢を見ている。

と、まぁ、こんな感じなんだが、調査することになったから、オカ研の意見を聞きたい。」

 といった内容を神崎祐輔かんざきゆうすけという、勉強はできるが馬鹿な腐れ縁の眼鏡にLINEしたところ

 「お前、ついにオカルト研究会に入る気になったか。待っていたぜ。」

という、返事が来た。

僕「入らねーよ。

  で、この噂は知っているのか?」

神「どうやら、そのたぐいの噂は女子高ではかなり流行っているらしい。

  実際、死人が出ているから、あながち馬鹿にはできん。」

僕「まじかよ。オカ研すげー。暇なの?」

神「暇だよ。基本的にゲームしてる。」

僕「クソゴミな部活だな。まぁ、それはいい。情報があるというなら、明日、街の図  書館に来てくれないか。時間は午前10:00」

神「男と図書館デートする趣味はないんだ。そもそも、俺は忙しい。」

僕「秋葉さんと須崎さんという女子高の子も来るよ。」

神「行くー!」

僕「サンキュ!カス!」

神「ギャルゲ主人公なお前は死ね!」

とまぁ、話はまとまった。

 明日から夏休みだというのに、なんか、これでいいのだろうかと少しだけ考えたが、リア充だと気付けば、最高だな、という結論に至った。

 さて、あとは母親に金の無心をしなくてはならない。明日は、友人と図書館で勉強をするということになっている。なので、昼食代とかで、金が要ると言えば貰えるはずである。

 2階にある自室から1階のリビングに行くと、母親が夕食を作り始めていた。

「ちょっとお願いがあるんだけど。」

「お金はないよ。」

慈悲もない。予想外の展開。

「えー、しかしですね。」

「あんたのゲームソフトとかマンガとかを売ってきなさい。少しはお金になるでしょ。」

無慈悲。聞く耳持たず。いや、看破されていた。圧倒的正論の前に目の前が真っ暗になった。

 やっぱり、カーチャンには勝てないのか。父親に視線を送ると、あからさまにそっと目をそらされた。その哀愁漂う姿を見て、僕は父親には金の無心はできなかった。

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