第15話 ダウメ塔トモ挑戦
水浸しになった服を絞り自前の炎で服を乾かした後…って随分余裕だね!
「濡れた服のままで行ったら気持ちワリイじゃねえか」
上着を羽織ると再びトモは二階に上がった。
「早速上がったが…めんどくせえからこのまま3階に上がるか。律儀にルールを守る必要ねえ」
そのまま3階に上がろうとトモは階段に足をかけようとするもガツンっと何か見えない壁に遮られた。
「あん?なんだこの壁」
叩いてもビクともしない。透明な壁。これはあれだね。ここの敵を倒さないと先に進めない仕様だね!
「どうやらこの二階の奴をボコボコにしないといけないのか」
そう言いながらトモは二階のフロアーの方に歩いていく。本棚がいくつもあり中には本がぎっしり詰まっている。トモは辺りを見回しながらこの階にいるといわれる四天王の1人を探し始めた。
「さて俺の敵はどこにいんだ?隠れてねえで出てこい」
敵地だというのに堂々としている…余裕だね!と言ってる間に突如トモの背中めがけて無数の何かが飛んできた。
「あん?」
咄嗟に振り向き何かを掴む。
「いってぇ。こいつはロープか?どっから飛んできたんだ?」
再び真横からロープが飛んでくる!
「あらよっと」
トモは、ガシッと再び空いた手でロープを掴む
「なんだいったい」
「なかなかやるじゃん」
すると突然先ほどフードを被った四天王の1人がトモの前に現れた。
「てめえらいきなり数人で襲いかかるなんて卑怯なことしてくれんじゃねえか」
「卑怯?一体なんのことだい。ここにいるのは俺とおまえだけだっての」
「なーに!」
やっちまったな!するとフードの人物がフードを脱いだ!相変わらず前髪が長い平均的な顔!ヒョロガリ!
「はっはは。驚いたかこのロープは僕の魔法で蛇のように君に襲い掛かる。そう技名『ロープを蛇のように操れるだけの底辺魔法だという扱いを受け迫害されたが実は汎用性が高いレア魔法で…』」
「なげぇよタコ!ロープだけにな」
技名をロクに聞かず(まぁ聞いてても疲れるだけだが)トモはすぐさまロープから手を放し身を翻してロープを避け逃げる。
「はっ逃げても無駄だね!僕のロープはこのフロアー各所に設置してある。クモの巣のようにすでにお前を捕えている。逃げても無駄だね!喰らえ!」
トモに向かってまるで生き物のように襲い掛かるロープ。
「へっ!こんな!よっほっもん!」
ギリギリのところで器用にかわしていく!流石運動神経だけはあるね!ロープ使いは苛立ちをながら次から次へとロープを生成していく。すげえどっから出てくるんだそのロープ!魔法だからで済まされるのか!?
「ちょろちょろと逃げやがって!ええい再び喰らえ!インフェルニティバンド!」
ゾワッと気持ち悪いくらいロープが出てきた!一斉にロープはトモを襲う!
「あらヨット、ほい、ほい」
しかしかわす!そして再び出てくる!するとロープはドンドン長くなっていく!
果たして勝つのはどちらか!
数分後…
「おっと…」
トモは動かしていた足を止めた。いつの間にかロープが襲ってこなくなっていた。
「ったく俺の対戦相手はどこだぁ?」
っとキョロキョロと敵を探し始めた。するとロープの束から声が
「あのーすいません。助けてください。ほんと調子こいてすいません。そのあと無視して構いませんから」
あっけなくロープ使いは自分のロープに絡まり身動き取れなくなっていた。まっ定番だね!。
「しゃあねえ先にいくか」
特に気にせずトモは無視して先に行こうとする。
『がしゃん!』
すると突如フロアーの入り口付近から物音がなる。
「あん?なんだ一体」
トモは本棚の陰に隠れた。
「やろうさては、もう倒したことがわかって俺が疲労している隙を突こうって魂胆か」
そっと本棚の隙間から物音がした入り口に目をやる。すると
「なっ!なんだありゃ」
トモは驚いた顔を浮かべた。一体何を見たのか…
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
「あーくそあいつ!滅茶苦茶きつく結びやがって!結んだ紐が固すぎる。くそ手加減なさすぎだろ…」
先ほどトモにやられたロープ使いが必死にロープを解いている。うーん確かにこれじゃあ解くのに時間がかかるね。
「おっやっと一つ解けた後は…」
「はいご苦労さん」
しかしその解いた結び目を再び縛られた!
「あっ!おいなにをするんだよ」
もちろんロープ使いは文句を言うとそこには、トモの姿が!
「よぉ」
「げぇ…トモ。一体何の用だよ。こっちはお前のせいで…」
トモは黙ったままロープ使いの首根っこを掴むと本棚の隙間に押さえつけた。
「ひぃ、やめろをよもう決着ついただろ。俺はもうおまえに敵意はないからさぁ」
「騒ぐなお前はあれが何なのか教えればいいんだよ」
「あれって…」
トモはロープ使いを本棚の角に持っていき先ほど現れた謎の影を見せた。
「あっ、あれは!」
ロープ使いは何かに気が付いたような声を漏らす。もちろんトモはその隙は見逃さないトモイヤーは地獄耳だね!
すかさず本棚の陰に連れて行き胸ぐらを掴んだ。
「やっぱりてめえらの仲間の差し金だな。答えなあのけったいな奴はなんだ」
トモが訪ねるとロープ使いは首を横に振った。
「いくら何でもそれは言えない。ルール違反だし、何しろそんなことは主人公っぽくはない。俺は実は最強で斜にかまえないといけないんだ」
なるほど男のプライドってやつだね。さてどうするトモ君口は簡単に割りそうにないよ。
「ああ。そうかい。んじゃそうだなお前のいう主人公ってのは前歯がない間抜けな顔をしてんだな。いいぜ」
トモはグッと拳を固めロープ使いの顔面に押し当てた。
「お前が喋るまでこの拳は止まらないだろうな。気を付けた方がいいな以前の俺より多分容赦ねえぞ」
「ちょっとまって。ほらー俺達異世界に来て体が強化されたじゃないですかー」
「だから?」
「だからってそのーある程度大丈夫というか数発程度なら普通は腫れると思うんですが多分無傷…」
「誰が数発っていったよ。んなもんお前が口を割るまで止まらねえよ」
「…あへ」
トモの目に嘘偽りのない。血に飢えた獣のような顔。トモ君主人公だよね?
ロープ男は冷や汗を流すと
「ああ。そう言えば思い出してきたぞー上の階の奴の能力ー」
やすやすと口を割った。痛いのはイヤだもんね。
トモはニヤリと笑った。
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