第12話 参上トモロウド

突然トモ達の前に現れた謎の美少年ロウド!ダウメに慕われている彼の実力はいかに!


「おやおや。随分とダウメをいじめてくれたみたいじゃないか。部下までこんなひどい事をしてくれて」


青い瞳で周囲を見渡しながらトモを睨みつける。だがガンつけならトモも負けてはいない!


「んんだてめえいきなりしゃしゃり出てきて。お前も痛い目見ねえとわかんねえのか」


トモ君それ主人公のいうセリフじゃない!


「うるせえ。俺はこいつみてえにチャラついた奴は嫌いなんだよ。カラコンに金髪とか男のくせによー」


ジジイみたいな言い方やめて!トモに指摘されるとロウドは金髪をなびかせた。


「これは地毛だよ。僕はクォーターでね。両親は黒髪だけど母方の祖父の隔世遺伝のせいで金髪なんだよ」


そういうと不敵な笑みを浮かべる。


「君の方こそなんだいそのド下品な格好に態度。顔つき。おまけに短足かぁ救えない生まれが知れてるねー」


挑発するロウドにもちろんどでかい青筋を立てるトモ!


「おおう!喧嘩売ってるってことだよなぁ!その自称育ちがいい兄ちゃんよー。リクエスト通りにその上品な顔を便所にこびりついたクソが似合うほどボコボコにしてやるよ。畜生ワンコにさぞしょんべんをかけられるんだろうな」


牙をむき出しにしながらメラメラと怒りの炎とガチの炎をともしながら拳を強く握る!


「ふん。ダウメはどうしようもない奴に力を与えてしまったようだ。許せないな

おい。お前どうしてダウメに力をもらったのにそんな反抗的な態度をとる。

普通に生きていればそんな力を得ることなんてなかったんだぞ。むしろ感謝するべきだ」


ぎろりと冷酷な目で睨むロウド青い瞳は異質なのか少しトモ君も怯む。


「んなこと知るかよ。こちとら頼んでもいねえのに勝手にそうなったんだ。いい迷惑ってやつだよ」

「ほぉ。あくまでそう言いきるか。まぁお前みたいな先の事を考えず能天気に生きる社会のゴミはそうだろうけどな」


やれやれとロウドは肩をすくめた。


「いいぞ。軽く相手をしてやる……おい。その子に刃物をもう向けるなよ」


そう目を離したその隙をトモは見逃さなかった!


「よそ見知ってと懐ががら空きだぜ。てめえの挑発した短足の蹴りを喰らいやがれ!」


鋭いローキック!ずるい!しかしロウドはひらりと飛んでかわすとトモの視界から消えた!


「あ?奴めどこに行った。逃げたのか?」


辺りを見渡すトモしかし


「やれやれ。全く本当にゴミ野郎だな」


っと突然トモの背後に立ち襟を掴むと!グアッとロウドの背中を流れるようにトモの体が投げ飛ばされた!

一本背負い!


「どあ!」


ガシャンと音をたてながら金網フェンスに激突し地面に倒れた!


「あ!兄貴!」

「さっすがロウドぉ!」


カメとダウメは声を張り上げる!しかし大吾は特に気にしない。


「あいつやるな。トモを投げ飛ばすなんて」


逆に相手を褒めていた!トモは体を動かすもダメージが酷いのか中々体が起こせない。


「見たか!馬鹿トモ!これが我が最強の戦士ロウドの力だ!お前なんて雑魚中の雑魚だよぉ!」

「あんなのたいしたことがないやつだよダウメ。全く他の奴が不甲斐ない。この程度でやられるなんてね。それと…」


隙を突いて今度は大吾の腕を掴む!


「こいついつの間に」


すぐさま鎖を取り出すと大吾の腕を縛った!ガッツリ捕獲された!


「さっきお前のいった通りお前も人質にしてやるよ。大人しくついてくるんだな」

「へぇー口は禍の元だな」

「余裕ぶるなよ。これは喧嘩じゃないんだぜ。おまえらさっさと連れて行け」


大吾はため息をついた。ロウドが顎で他の量産型男とに指示すると素直に大吾の鎖を掴み次元の狭間に引っ張っていく


「あれロウドこいつを連れてどうずるんだ?ここでトモを倒すんじゃ?」


ダウメが訪ねるとロウドは首を横に振った。


「ここであいつを戦ったら騒ぎになる。決着は僕たちの世界でつけようよ」

「で、でもー。こいつそこの女の子を見捨てるくらいのやばんだよ?きっとその男も見捨てるんじゃ?」

「いや。こいつはきっとくるよ」


そう言うとトモに向かって口を開いた。


「おい。この次元は開けておく入ったら目の前にある塔に上がってこいよ。逃げても構わないぜ。ただし、お前の友人と女性がどうなるか……覚悟しておくんだな。まっ怖気づいてると思うけどね」

「んだとぉ」


ほくそ笑みながら踵をかえして次元の裂け目に入っていった。


「あれ?わしは置いてけぼり?まぁいいさっすがロウド!頼りになるワシのぶがびゃ!」


ダウメが煽ろうとするも間髪入れずに素早い裏拳が顔面を直撃した!


「い、いてえ!とんでもない残酷な痛みがワシの顔面をくだいて!」

「おら!じゃまじゃ!」


ドゴンとぶっ飛ばされて屋上の入り口ドアに叩きつけられた。トモは首をさすりながら不機嫌な顔をしている。


「くそーあのすかし野郎マジ許せねえな。俺様をコケにしやがって」


今までの喧嘩経験で初めての経験かい?カメは嬉しそうに駆け寄った。


「兄貴ー!大丈夫っすぶべ」

「じゃまじゃい!」


グイっと首根っこを掴まれダウメにとどめのカメ爆弾!


「「うぎゃぁぁ」」


二人分の断末魔!


「いいぜおもしれえ!その勝負かってやら!倍返しのボコボココースだ!」

「で、でも兄貴ぃ。大吾先輩やあのかわいらしい女の子が人質になってるんですよ。

ここは何か作戦を立てた方が」

「っち、ならこいつを人質にするか」


そう言うとダウメの近づき髪をむんずと掴んだ。そして引きずった!


「ぎゃぁぁあ!禿げる禿げる!」

「うるせえ。もともと頭皮は薄いんだからきにすんな」

「きさま!ワシの地味に気にしていることを!」


文句をいうダウメの声を無視してトモは引きずりながら裂け目の中を目指した。


「く、くそぉ!トモのやつぅ!許さん今に覚悟…」


するとカメがにこやかに笑いながらダウメにくっついた。


「おまえ。なにくっついてるんだ」

「いやー自分もついでに連れてってもらおうと思いましてずっと夢見てたんすよ異世界!」

「いきたいのか?」


ダウメはウーンと考えて


「じゃあいいぞついてきて。そのかわりこの髪の毛をなんとかしてくれないか」


ダウメは引きずられながらカメに頼みごとをした。

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