第10話 感想トモ説明

トモの発言にしばらく沈黙した。

風の流れる音が聞こえ上空にはカラスが鳴きながら校舎を横切っていく。

チュンチョンと校庭の数えるくらいしかない樹木の枝に止まる小鳥のさえずり。


「「えええええええええええええええええええええええ!」」


そしてその平和をぶち壊す大吾とカメの大声!

近くの大声に流石のトモも面食らい眉間に皺を寄せながら耳の穴に指を突っ込む


「うるせえな。どんだけ驚くんだよ」

「驚くに決まってんだろ!現実にそんなとこに行くなんてよ!」


大吾はトモに詰め寄った。


「そうっすよ!いくらそう言った異世界物が流行ってるからと言って

本当に行くことが出来るなんて誰も思ってないんすよ!」


パンイチになりながらカメも同じように詰め寄った。


「本当だろうな!ただ単にお前が超能力を身に着けたっておちじゃないだろうな!

いやそれもすげーんだけど」

「いったいどうやって異世界に行ったんすか!というかどうやって戻ってきたんすか」


あまりの二人のすごみにトモはたじろぎながら頬をかく。

すごい迫力だね。


「落ち着けよ。まぁ俺も初めて行った時は落ち着いてられなかったけどよ」


トモの言葉に我に返ったイケメン大吾はハッした顔をすると咳払いして冷静になる。


「わりいな。つい興奮しちまった」

「どうだったんすか!美少女はいたんすか!ケモ耳少女とかの奴隷とか!

それとも何かこちらの文化を教えてきたんすか!

そもそも転移した理由は?アホな王国の王が異世界人を使って何かしようとしたんすか

火が使えるということは神様にあったとか!ぐあああ!気になること多すぎる!」


カメは暴走気味になり遂にはトモに掴みかかっていた。

はい。皆さん普段狂暴なトモ君にこんなことをしたらどうなるかわかりますよね。

A.優しくボコボコにされました。


「喧嘩売ってんのかおのれ」

「いや……聞きたかっただけっす」


はれ上がった顔で言葉を返すカメ。痛そう


「大体よー俺が異世界に行ったつうてもたかだか数時間ぐらいしかいなかったし

ロクに見てねえよ」


行った瞬間殺されかけましたしね。


「そうなのか。まぁ女の子が夢見るメルヘンの世界なんてお前には似合わねえもんな」

「何言ってんすか。異世界はメルヘンとは違うんすよ!」


大吾は困惑した表情を浮かべる。


「お前が妄想する異世界の話は置いといてどうやってそんな所に行ったんだ?まさかお前の家に

ドラ〇もんでもきたのか」

「俺の未来よくねえのかよ」

「いいと思ってんのか。きっとおまえの嫁は極悪ヤンキーって感じだろ。いや、あっち系の…」

「うるせえ。そんなんあるわけねえだろ!変な子と思い出させるな!つうか狸型未来ロボじゃねえよ!昨日帰ったあと変な黒マントを付けた奴に絡まれて気が付いたら知らない所だったんだよ」


トモが言うとカメはすかさず反応した。


「それって昨日僕が言ってた。最近出没している誘拐犯の事っすか!」

「そうだ。噂をすればなんとやらッてやつだぜ」

「う、羨ましい。きっとその人は神の使い”いや美少女!それとも神!」

「いや、似たような髪型した無個性で気持ち悪い奴だった」


容赦ないトモの言葉がカメの夢を叩き壊した。


「どうしてそんなひどい言葉がはけるんですか!」


カメは涙目になりながら訴えるもトモは耳をほじくりながら


「だってマジで気持ち悪かった」と反省を見せることなく


「兄貴はわかってないんすよ!いいですか!異世界っていうのはロマンです!現実では味わえないスリル!」

「マッポに追われてみれば?繰り返してると流石に飽きるけどよ」


トモの適当に返し


「何が起こるかわくわく感!」

「新しい技術にはわくわくすんな」


大吾も適当に返し


「未知との体験!」

「海外つうのは未知だな!」

「ってなんで全部否定するんすか!あんた鬼っすか!」


二人の適当さに思わずカメは泣いた!


「にしても、お前がそんなのに誘拐されるなんて驚きだな。気持ち悪い不審者が近づいただけでもおまえならボコボコにできんだろ?」


大吾の言葉に言葉を詰まらせるトモ。まさか女の子を守るたm


「う!うるせえな。急な不意打ちがあったんだよ」

「不意打ち?まさか、おまえんとこの婆さんと爺さんか?確かにお二人はボケボケしてっけどよ」

「今朝も元気に旅行にいったぞ」

「元気だなー」


トモはため息をついた。


「爺さんと婆さんは関係ねえよ。気を抜いてた時の不意打ちのせいだ。おまけに俺にヘンテコな超能力まで加えやがって」


そういいながら再び手に火をためる。


「その超能力みたいなの火を出すだけじゃないのか?」

「あー。確か気合入れると大爆発みたいなの起こせんな。流石の俺も学校をぶっ飛ばすつうのは、行くと来ねえからしねえけど」


すると大吾はポンと何かを思いついたように手を叩いた。


「だったらよー。お前のその超能力をチョイと使ってさ今話題の投稿動画サイトにのせねえか?」

「ああ!いいすっね!うまくいけば人気になって広告収入が…」


と言いかけたところで大吾とカメはずんと沈んだ。


「ああん?どうした」


トモが問いかけると


「駄目だ。こいつのことだ。ネットなんかやったら益々喧嘩が増えるな」

「変なコメントや感想が付いたら間違いなくキレそうですもんね」


うんうんと大吾とカメは納得する。わたしもそう思う。


「やっかましい!てめえら燃やされてええのか!」


そういうところだよ。トモは拳をワナワナ震わせ怒った。


「わりいわりい。それでそのあとどうなったんだよ。詳しく説明してくれ」


大吾に諭されトモはっちと舌打ちするとへたくそながら全話の話をした。流石に告白に行ったとかいう情けない話は抜いたみたいだけど


「つうことで命かながらここまで戻ってきたんだよ」

「ほーん。流石のお前も超能力相手は苦戦するんだな」


力だけでは勝てないということでしょう。カメは依然羨ましそうな目をしていた。


「うう。羨ましい。このまま仲間になってれば色々能力をもらえたかもしれないのにハーレムだって猫耳奴隷だって」


トモと大吾は顔を合わせて


「「最低野郎だな」」と息を合わせて指さした。


「あんたら鬼っすね!ロマンがわかってないっすよ!モテない男の気持ちがわからないっすよ!」


カメは嘆くとトモと大吾は大笑いした。これもいつものことでしょう。


「それにしてもお前を利用した奴はそのあとどうなったんだ?」

「知らねえし知りたくもねえよ。あそこまでボコってやったしもう俺の前に出てくることはねーんじゃね」


そう言いながらカメの買ってきたオレンジジュースのペットボトルを口に入れた。


「ギャーハッハ噂で飛び出てジャジャジャジャーン!」


突如真上から聞き覚えのある笑い声!口に含んだ飲み物がトモの口から勢いよく噴き出した!


「がはっがは!器官に入ったーーー!がは」


苦しそうに胸を叩くトモ。一体なんだと見上げるとそこには非現実の光景!楕円形に次元が裂けていてそこから変なおっさん


「ダウメだ!」


ダウメが顔を出していた!突如現れたダウメその目的といったい!

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