第8話 もどっトモ失恋
「どああああああ!」
ドゴンっと勢いよく落ちるトモ
「いってえええ!」
大の字で倒れる彼が目に映った光景は
「……こいつはー天井か」
そして背中には柔らかい感触マットレスだね
にしても汚い部屋だね
「俺の部屋だ。ボケ」
そう無事自分の部屋に帰還したトモ
まさか異世界物でもう帰ってくるなんてね。
「時間は7時……随分長い事。違う世界いたんだな」
外は日がもう消えかけている。
「でも俺無事に帰ってきたんだな。明日は学校だし
このまま寝るとするかな」
はぁーと安心してそのまま目を閉じて一日を終わらそうとする
トモお疲れさまでしてた。
「トモかーいるんかー」
扉越しで聞こえるおじいさんの声
「やべえ。寝てる場合じゃねえ」
ぐぐぐっとベッドからズレおち立ち上がるトモ
痛む体に鞭うって一歩一歩歩いて行く。
「トモが帰ってきたんですかーおじいさん」
「おかしいのー確かに二階で物音が鳴ったんだがのー」
二人は顔を見合わせると
「あっかえってきてます」
トモは階段の壁越しで声を出す。
「ほーれ。やっぱりトモじゃ」
「あれまートモいつ帰ってきたんじゃ」
おじいさんとおばあさんはうんうんと首を振る。
「ついさっきです。アハハ荷物置いていたので」
そう答えながら必死にボロボロになった制服を脱ぎ
自分の私服に着替えるトモ
「はぁーそうか。勉強は大変じゃのー」
「そうじゃのーでももうすぐご飯にするから降りてきなさい」
そういうとおじいさん達は食事が並ぶ居間に移動していく。
「ふー何とかなったな。爺さんたちが二階まで来なくて助かったぜ」
ため息をつき着替え終わったトモは階段にもたれながら
降りおじいさん達がいる居間に移動する。ボロボロだね。
「おや。どうしたトモ顔がはれてるじゃないか」
「そうじゃな。泥まみれになっとるの」
「また。転んだんじゃなー」
「トモはおドジさんだからのー」
おじいさんとおばあさんは顔を見合わせ笑い合う。
「ったく俺の苦労も知らないで」
大丈夫みんなは君の苦労わかってるよ。
「ところでトモ、ちょっと前にとっても可愛いお客がきてたぞ」
「ああ。そうじゃったそうじゃった。わしの若い頃に
そっくりなべっぴんさんだったの」
おばあさんは頷いた。何十年も前の話だろうね年寄りあるある。
「ぼっぼくに用があってきたんですかその女性は」
トモは嬉しそうな顔をする。君も男だね。
「あーどうな話じゃったかのー」
「何かトモが誘拐されたとかいってたんじゃなかったか」
「そうじゃった。そうじゃった」
その言葉にトモは冷や汗をかいた。
まさかおじいさんとおばあさんに俺が大変なことに
巻き込まれたといったんじゃなかろうか。っと考えてるね
「でもトモはちゃんと家に帰ってきましたよってワシら言ったんじゃったな」
「トモはもう帰って塾に行きましたっと言ったら女の子ホッとしてたのー」
その言葉にトモもホッとした。
「どうやら爺さんと婆さん人の話理解しないで答えたんだな
ボケてて助かったぜ」
本当にそうだね。
「けどーなんか他に言っておったなーなんじゃったか」
「あー挨拶がどうとかいってたのー」
まだ何かあるのかおじいさん達は考える。
「挨拶ってどんな挨拶ですか?」
気になったトモが期待を込めておじいさんに問いかける
するとおじいさんが思い出したのかポンと手をたたいた。
「そうじゃったそうじゃった!引っ越しの挨拶じゃった」
「な!なんだってえええ!」
思わず叫んでしまったトモ。
が啞然とするおじいさん達を見て慌てて誤魔化す
「ゴホゴホ。すいませんちょっと風邪気味みたいで」
「あー今のは幻聴だったんじゃなー」
(あっぶねーなんとか誤魔化せた。俺が大人しいいい子を
つづけねーと爺さんたち腰を抜かしちますぜ)
いくら何でも鈍すぎるぞおじいさん達。
「まさか。今日引っ越しだとはのー」
「お礼だとかいうて美味しそうなそばをもらってねー」
「トモと会えなくて残念そうじゃったぞ」
「んだな。行き違いってあるもんじゃ」
「そう言えばどこに行くと言ってたかの」
「はてー爺さんが聞いたんじゃないんですかー」
「そうじゃったかの。すまほっとかいう番号も覚えてないからの」
「あー爺さんおそばが伸びてしまいますよ」
「そうじゃった。そうじゃったはよ食べないとなー」
そう言うとテレビをつけてそばをすすり始める
おじいさん達……トモ君は
「ああああああ」
意気消沈って感じで落ち込みながらおじいさん達と
席に座りそばをすすった。ああ悲しいかな
彼女との思い出がそばになるなんて
そしてよる。窓に足を出して満月を見つめるトモ
「はぁー結局告白できなかった。まさか引っ越してしまうなんてな
夏休み全部使って探す旅に出たいが爺さんたちが心配だからな」
トモは深くため息をつくと再び月に目を向けた。
「あばよ。しずか」
今日この日。大変な目にあったでだろうトモ
だが一番のダメージは女の子との突然の別れで告白できなかった
苦しみ。っというか名前しずかっていうんだね
まぁそんなことより頑張れ智治。明日が君を待っている。
一方そのころここから遠く近い異世界
ダウメ達は崩れた神殿で輪になって体操座りしていた。
にしても随分減ったね。
「はぁあれから何人か帰ってしまったな……アニメが始まるからって
まぁ多分本音は異世界でも甘くないって現実に気づいたんだろうな」
落ち込みながら土をいじくるダウメ。
「おまえ。誰押し」「ツンデレ」「ええな。それプラスツルペタなら尚可」
「でもエチエチの巨乳も捨てられないよな」
関係ない話題に話を膨らます転移者達
「おまえら少し真面目にやらんかー。変な女に荷車を作らされるしどうゆうことだ!」
「いやーなんでしょ。絡まれていたから助けたら気絶してしまってよく覚えてないんです僕」
「バッカモン!逆にやられただけだ!しかもトモも逃がしおって!」
涙目になりながらプンプンに怒るダウメ
「はぁーやはり名前が悪かったのかなスグホロビール王国だっけ?名は体を表すってよくいうもんだな。もっといい名前を考えるべきかなー」
「そういう問題かな。じゃあ何かいい名前考えます?」
「おお。いいな何かあるか」
転生者たちは顔を見合わせる。
「復活スグホロビール」「re スグホロビール」「スグホロビールのまた」「スグホロビールとともに」
「却下ーー!全部だめええ。ああもうどうすればいいんだ!」
ダウメはまた体育座り。もう諦めたら
「どうやら僕がいない間に大変なことがあったみたいだな」
すると突然どこにあったか崖の上から一人の男があらわれる
「おおっききみは!ってあんなところに崖なんてあったっけ」
「今作った」
「相変わらず仕事が早い!」
この用意周到の男。見た目的に金髪でブルーの瞳何故か日本語ペラペラ
「ロウドぉぉぉ」
ダウメは手を合わせ泣きついた。ロウドッと呼ばれた男は崖からとびおりる
「東の王国はやっぱり厳重過ぎてダメだったよ」
「いいんだ。いいんだ。君が戻ってきてくれれば」
「ふーん。それほど大変だったんだな」
「そうなんだ。トモとか呼ばれる変な奴にこうばーっとぎゃーとふーっとやられたんだ。わかる?」
「全く日本語でお願い」
がくっとダウメは倒れる。
「そう言えば他の奴らは」
「色々トラブって後で来るよ。それよりもこんなことしたトモとかいう奴許せないな」
そう言うと腰に巻いてある剣を出した。
カッコいい!
「ダウメ様の敵は僕が倒す!」
正義感あふれるこのロウドと呼ばれる男
トモと会うことができるのか
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