第6話 ピンチトモ逆襲
底が深い川にとめどなく攻撃をしていた
転生者達の動きが止まった。
安全を確認するとダウメは急いで崖の端から
川に落ちたトモの生死を確認する。
「おわ!ゴホッゴホッ。おい。やりすぎだ前がみえないじゃないか」
むせて涙目になりながら訴えるダウメ
川の水が蒸発し黙々と煙が立ち込めっているね
これじゃあ下が見えないわけだ。
「まぁいい!お前たちとどめを刺してこい!」
すると転移者達は顔を見合わせる。
「いや。そんなことしなくていいと思います」
「ここからおちただけならまだしもそのあと攻撃を何度もしてるし」
「そもそも水に入ると濡れるしな」
グチグチと文句を言う。それに対してダウメは
拳を握り怒る。
「ヴァッカモン!お前らわたしの言うことを聞かないと
神殿の神官に頼んでお前らを元の世界に戻して出入り禁止するぞ!」
ダウメの言葉に転移者達は一斉にため息をつく
「やれやれ」
そういうと崖を滑空し次々と深い川に入っていく
一方そのころトモは
「ブクブク」
水の奥へ落ちていく。泳げないの
「ボコボコボコ」
しゃべれないので思考を少し読んでみよう
(くそ!水のおかげでうまく変な光線は躱せたが…
かっ体が動かない。なんでだ泳ぎは得意なのに)
ピクピクっと体が思うように動かないね。
なんでだろ
「だーがっはっは!動けんだろ。お前の属性は火!
水が天敵に決まってる」
っということです。川に入った転移者達は一斉に
トモめがけて容赦なく攻撃を開始する。
(ぐあああ!あいつらマジ容赦ねー!)
あまりの激しさにまた土埃が上がり
視界が悪くなる
「やったか!」「ばか!それはフラグだって」
「そうそう僕たちは主人公なんだから」「早くヒロインタンに会いたいね」
「とりあえず探そう」
残念ながら君達は主人公じゃないぞ!
(くっそこんな手も足も出ないなんて)
肝心の主人公は川のそこで息だえそうになっている
彼の見上げ先には転移者達が探していた。
(あーくそこんな量産型のヒョロい男共に負けるなんて)
「みつけたよ。これでとどめだ!」
一人の転移者がトモに気づくとどこかから出したのか剣を
前に出して一気に降下する
(おれもついにここまでか。情けねえ。こんなこと
過去にも…過去…)
「覚悟!」
トモここまでか!っと思われたその時!
ガチン!っとトモのすぐ隣の岩に剣が刺さる!
あっとギリギリ体を背けかわしたねトモ。
何やら青筋立ててるみたいだけど
「ぼこぼ。俺の過去が!なんだってえええ!」
「ぎゃあああ。何も聞いてないよー!」
トモは転移者の首を掴みギリギリと振り回した。
どうやって喋ってるのか
「顔面ボコボコにされたくねーよな!ああ!」
「ひっ不良怖い!」
「ちょいと協力してもらおうかええ!」
トモの言葉にうんうんっと首を揺らす。
「決まりだな!じゃあ俺を浮上させな!」
「わっわかりました!」
転移者の首を腕で挟みながら一気に浮上するトモ
それに気づいた他の転移者が驚き仲間を盾にしてる
こともありその場で硬直する。
「うおららら!」
その隙をトモが見逃すはずもなくすかさず
水の中で火の玉を作ろうとするもすぐなくなる
「おい!おまえ!ついでになんとかしろ」
「きょ強化!」
「よしよしそれでいい」
「おかあさん。僕は今怖い不良に脅されたわけで…」
すると先ほど消えた火が水の中でも燃えたぎった。
「うおっしゃ!あああ!」
「やっやばい!げいげきしろ…ぐあああ!」
火の球が敵の転移者にあたっていく
ドゴンドゴンっと崖の下では地響きがこちらに
伝わるくらい激しい戦闘が
「おい!何やっとるんんだあいつら!あのバカもう
動けないはずだろう」
ダウメは崖を覗き込みながら文句をいう。
すると突然火の玉がすごい勢いでとんでくる
そしてダウメのすぐ下の岩にぶつかった。
「どあ!」
ダウメの体は吹っ飛び崖から少し離れた地面に倒れた。
「いててーなんだー。まったく禿げちゃうよ」
するとすぅっと誰か崖から上がってくる。
「おお!スマタロウ。どうだとどめを刺したかー」
「いえ。やられた仲間が流されたので助けに行ってきます
いやー強すぎるし怖すぎるし最悪の相手ですよ
とりあえずみんないきているっというわけで…」
そう言いながらスマタロウはダウメを振り向くことなく
歩いて行った。
「えっええ……いやな予感」
ダウメは崖からの音に気がつき恐る恐る目を向ける
「はぁはぁ……」
トモが息を乱しながら崖を登りきる
その顔は鬼のような顔人も容易く殺しそうな
怒りに満ちた顔
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!ごっごめんなさーい」
ダウメはその場で何回も土下座した。
「ごめんなさい。申し訳ない。許してください」
ひたすら頭をこすり謝るダウメ許すと思っているのか?
やってしまえトモ
「すいません。煽るのやめてまらえます」
あっすいません。しかしトモはいつまでも攻撃してくる気配がない
ダウメは土下座しながらチラリとトモを見ると
トモはその場で倒れていた。
「ひゃっほいい!くそ情けなく謝ってしまったわ!
そうか遂に体力がなくなったんだな!戦闘不能かー
どれどれチェックだチェック!あっと↓をどうぞ」
---
勇崎智治 体力0 戦闘不能
---
ご丁寧に表示される。
「だっハハハハハ。ざまぁ!ざまぁ!わたしに逆らうからだ
安心しろお前を操る魔法を使ってわたしの手ごまにしてやろう」
調子にのったダウメはトモに近づき踊る。
元気よく回転し腰に手を当て、腰を振る。
「ソーレ。コンコン」
「ぐぅぅぅ!」
「おっとどうしたどうした。最後に言いたいことあるかー」
「こんなクソゲーみたいなもん…」
グググっと本来動かない体に鞭を打つかのように
歯を食いしばり立ち上がって見せるトモ
ダウメは驚愕し震え上がる。
「俺の根性でなんとでもなるんじゃ!ぼけ!」
「ひいいいいいい!」
「くらええええええええええええ!」
トモの体は燃え上がり慌ててダウメは逃げようとするが
もう遅い攻撃範囲
----コンジョウ!-----
ズドンと爆炎が空を覆うほどの大爆発!
「うわああああああ!」
ダウメは崖の方に飛ばされ下へ落ちていく
「覚えてろよ!必ず復讐してやるからなー!ダウメ。崖に落ちると」
ダウメは崖に落ちていった。
「はぁはぁ」
トモは肩で息をしながらその場で倒れこんだ
大丈夫か
「流石にやべえぇ!体が言うこときかねえぇ」
それでも何とか這いつくばりながら神殿の方に向かうトモ
追っても払い後は神殿に向かうだけだぞ!頑張れ
「ああ。こんなことならもっと早く彼女に話しかける
べきだったぜ!くそー」
後悔しながら一歩一歩手を動かしていく
「ヒヒン」
突然馬の鳴き声と蹄で地面を蹴る音が聞こえる。
「なんだ追手がまだいたのか」
トモは砂のついた顔を上げ前へ向けると
目の前には馬が…
「どああああ!あぶねえ!」
咄嗟に体を回転させ何とか馬の蹄の犠牲にならずに済んだトモ
「あぶねえな!殺す気か」
寝そべりながら文句を言うトモ。
すると馬に乗っていた人物が降りてくる。
「あんた!よくそんなこといえるわね!この泥棒」
あらよく見るとさっきトモに荷車を盗まれた少女だ
少女はトモに近づき胸ぐらを掴む。
「早くわたしの荷車を返しなさいよ!」
ダランとしているトモを軽々と持ちあげ威圧する少女
「荷車ってあれのことか」
「あれ?」
トモは少し離れたところを指さした。
そこは先ほどの転移者による総攻撃で無残にバラになった
荷車の破片
「もしかしてあの影も形もない残骸の事…」
少女がワナワナと震え指さすとトモは首を縦に振り
頷いた。
「そうだぞ」
ニコリと笑顔のトモ
もちろん顔面をぶん殴られたの
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