第4話 スキルトモファイヤー

そして現在。これまでの説明で何故、この物語の主人公トモがぶちぎれ状態だったかわかっていただけただろう。


そんなことはつゆ知らずダウメはトモになれなれしく声をかける。


「フフフ。わたしは部下を使って異世界の人間をここにつれこんでいたのさ。そうわたしの広大な目的の…」




「むかつくことしてんじゃね」




『メキョ』という生々しい音!ダウメの顔面に容赦ないトモの一撃!




「オビョ!」




ダウメは激痛を感じたのか顔面を押さえのたうち回る。




「にゃひゅったね!おふぁじにもにゃぐられたことにゃいのに」




痛さに耐えながら無理に喋っているせいで何を言っているかわからないね!




「んで。異世界っていったな」


「しょーしょ!ここはお前のいたところとは似ているけど少し違う異世界だよん。どうだ嬉しいだろ。まぁわたしはお前らが言っている神じゃないけど…アッ髪のことじゃないぞ。そのうちこの世界を征服したら崇められるんだしいいよなぁ」


「うだうだ言ってねーで。さっさと俺を元の世界に戻せ」


「何!?戻りたいだと変わった奴だな。あっもしかして見た目の割にホームシックになっ……オビョ!」




埋めるくらいの勢いでトモは拳をダウメの顔面にめり込ませる。




「いいからさっさと俺を家に帰せ」


「ここじゃ無理。ここから少し北の街の神殿に行かないと」


「…なんだ俺はここからきたんじゃねーのか?」


「いやいや。能力増幅型棺桶に入ったお前をわたしたちがここまで連れてきたのだ。むろんお前ら限りなく近く遠い異世界人に力を与える為にな!」


「あっ?なんだ力を与えるって」


「これを見て↓」




----


名前: 勇崎 智治


レベル: 10


種族: 人間


属性: 炎


スキル: 炎が出せる


----


空中になにやらゲーム画面の用な文字がハッキリと表示される。不思議だね。




「なんだこりゃ」


「知っているぞーお前らの世界にある冒険とかするゲームにこんなのあるんだろ?知ってる知ってる」


「あんまりその辺興味ねーからわかんねーわとりあえず……俺を」


トモが声をかけるもダウメは浸っている。


「わたしはまず異世界人を呼び込んだら必ず力を与えているんだ

以外にも来た人間は喜んでなイキリながらわたしを崇拝に近い感じになってくれるんだ。まぁわたしの同志の力もあるが…」


「おい」


「いやいや。いいよ。礼には及ばんぞー」


「人の話をきけ!」




ダウメばきぃっと音と共にトモに殴られ謎の黒服達のところまで吹っ飛ばされた。


ずりずりと顔面を壁にこすりながら落ちていき仲間の所にたどり着くすごくいたそう




「だっ大丈夫ですか。ダウメ様!」


「お前たちなんで助けないの?」


「いやだってダウメ様が手をだすなっとおっしゃったので。なぁ」




他のゆとり黒マントもうんうんと頷いた。仲いいね君達




「にしても。おまえ何故あんな人間を痛めつけることを何とも思わない凶暴な奴を連れてきた。もっとコンプレックスもってそうなヒョロい奴にしろって言っただろ」


「いやー男ばっかりだったもんだから女性が欲しいとおもいましてそしたらあいつに邪魔されまして」


「ばかもん! だからってあんな一級殺人鬼みたいな目をした奴を連れてきてどうするんだ!仲間に引き込むことを考慮せんか!たく!本当は自主的に仲間にする予定だったがしょうがあるまい!」




そう言うとダウメは懐に手を入れた。何やら対策を思いついたのか




「おい。トモピョン」


「次それを行ったらうざい顎がぶっ壊れるまで殴り続けるからな!」


「くくく。そう粋がってられるのも今の内だー。こんなこともあろうか異世界人を操れる秘密道具があるんだ。そうそれは異世界人に力を与えると同時に忍ばせた精神と体を操る人形を……ってあれ」




ダウメがうちポケットをまさぐるもお目当ての物がないみたいだ。




「人形ってこいつか」




トモは手に持っていたのっぺらぼうの木人形をぶらぶらと振り回した。


木人形の胴体には、【ダウメ様に忠誠を誓う】記されている。


「おまえ!いつの間に」


「さっきてめえを掴んだ時。変な物が見えたからスッといた」


「手癖悪いな!返さんかこれはお前を操る為。相当魔力を込めたんだぞ!同じ物を作るのは不可能なんだぞ!」


「あっそ。じゃあ返すわ」




トモは力を込めダウメの方へ放り投げる。

すると木人形から火が噴出しものすごい速度でダウメの腹部に当たりそのまま壁まで吹っ飛んだ。


「ぐえええ!」


ダウメと共に壁に当たると同時に木人形は完全な灰になり消えた。

トモはそれを見て驚きながら自分の手を見つめた。

少し力を意識して手をぐっと握ると都合よく火が漏れ出した。


「へー驚いたどうやら本当に力を与えられたみたいだな」


「おっお前たちあの野郎を!奴を倒せ」




ダウメが指示すると黒マントは了解しましたといい


マントを剥ぐとほぼ同じデザインの長いコートを着た同じ髪型をした


微妙な顔の男ども




「 おまえらなんで同じ格好してるんだ?しかもくそ暑いのに黒コートってどうなんだよ」


「 なにを!カッコいいだろ!異世界って行ったらこの格好なんだよ」




皆息を合わせて言う。




「 個性ねえ奴らだな 」


「 なっなんだと! そこらにいるヤンキーめ! 」




皆各々武器を取り出した。変な剣。変な魔法陣。変なスマホ。




「 おいおいいいのか? 喧嘩も知らないヒョロガリぼっちゃんがさらに強くなった俺に喧嘩を売って。今なら… 」


「 ヂョハハハハハ!どうだビビったかー!怖いかこいつらはお前と同じ異世界人!しかもわたしが力を与え弱かったから力も与えたんだぞ!おまけにレベルもお前より倍は違う!この世界で経験値を積んでいわゆるチート能力を得ているんだ…グボ!」


「うるせえんだよ。サッサと気絶しろ」




不用意に近づいたダウメはまたぶっ飛ばされる。懲りないね




「 よくもダウメ様を!」「許さないぞ!」「ヤンキーめボコボコにしてやる」


「そんな脅しでビビると思ってのか」「僕たちは君の動きは既に見切っている」




引く様子もない異世界転移でパワーアップした方々。


〇す気満々だね!




「おーお威勢がいいことで。そんなに俺と喧嘩したいみたいだな」


「 いけー!転移者ども!わたしに従わない者はこの世界にいらない!お前たちのチート能力で〇してしまえ」




放送禁止ですのでダウメの言葉を伏せさせてもらいました。


ダウメの掛け声と共に一斉にトモにとびかかる転移の方々




ドカバキドカバキっと激しい攻防!あちらこちらに


衝突があり部屋全体が煙たくなる!


大丈夫なのかトモ




「ヒャーハッハ。ここに来てまだレベルの低いおまえじゃあ


ひたすらゲーム感覚で鍛えたこいつらを倒すなんて…ってあれ 」




煙が晴れてダウメが目を丸くする。


気絶する転移者達の中たった一人たっていたのはトモ


多少かすり傷があるもののたいしたことないって


感じで立っていた。




「 わたしに従わない奴はなんだって 」




ひいいっとダウメも驚きの光景にビビッてうごけない。




「 ところでこれはなんだ 」




そう言うとトモの手には虹色の宝石がある。




「あっ馬鹿もんまたスッたのか! これは能力スキルを


一時上げる魔法道具なんだぞ! わたしはこれを使って


この世界の王国を乗っ取って王になるんだぞ!」


「何が王国をのっとるだ。馬鹿か」




そう言うとトモは宝玉を力強く握るとたちまち炎が上がる。


スキルにはエクスプロージョンと表示された。




「 なんだ。スキル? 」


「 やめろ。 強く意識するんじゃないぞ! 発動してしまう!」


「 わかった! あばよ! 」




---エクスプロージョン!---




ズドンっと近くの草木を揺らすほどの大爆発!


一気に神殿は粉々に崩壊した。

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