エピソード補足

注釈編

黒い血のクロエ

女冒険家のクロエが、かつての功績から呼ばれるようになった二つ名。

彼女は、かつてある村を守るために数十匹もの魔物に取り囲まれて、三日三晩戦い続けて魔物の群れをせん滅した。

魔物の返り血を浴び続けた彼女は、戦いが終わった時に赤い血が乾いて赤黒く変色し、全身真っ黒な姿になっていたと言う。



賭博場

ウエストガルムなど、副都の繁華街に点在する小規模の裏カジノ。

ルーレット、ポーカー、ブラックジャックといったゲームがプレイできる。

劇中に登場した女性ディーラーは、ルーレットの球を意図した番号に落とせるほどの高い技量の持ち主である。



マーダー・ユニオン

冒険家が属するユニオンがあるのなら、殺し屋が集うユニオンもあるはずだ、という冗談から生まれた言葉。

殺したいほど憎い相手を非難する時、「マーダー・ユニオンに依頼することも辞さない」といった具合に使われる。しかし、本当に殺し屋のユニオンは存在するのでは……という都市伝説も巷には流れている。



娼館「白面金毛女楽」

ウエストガルム屈指の娼館で、娼婦は皆、白い顔に化粧し、金色の派手な着物で着飾る。これらの様式は、東の島国の遊郭文化を取り入れたものとされる。

娼婦と共に入る湯浴みのサービスが、富裕層を中心に盛況である。

また、天井裏には娼婦の身を守る監視者が息を潜めており、客が粗相を働こうものなら、力ずくでそれを制圧する。その隠形術は、殺し屋さながらのハイレベルなもの。



斃天党(へいてんとう)

殺しの玄人が集う闇の集団。

高額の報酬で、標的の暗殺依頼の他、身辺警護の役回りも請け負う。

特権階級の人間を含めて一握りの者にしかその存在は知られておらず、棟梁や組織体系は不明。

東の島国をルーツとし、メンバーには殺しの素質がある者を奴隷として買い取って育成している。見切りをつけられた者は殺されるか、暗黒街へ身売りされる。



憲兵

帝国の副都ウエストガルムの治安を統括する憲兵省の兵士。

正当な戦闘訓練を受けており、並みの冒険家よりも戦闘力は高く、扱える武器も万能である。

警察的な役割を持ち、都の秩序の安定に努める。

しかし腐敗もしており、賄賂を受け取って貴族の蛮行に目をつむることも多い。

本部は帝都にあるが、副都の各所に支部となる憲兵練館が点在し、そこに憲兵達が駐在している。



レンジャー

元は森林警備が生業だったが、志を共にする仲間が増えるうちに動植物を保護する慈善活動が始まり、ユニオンが結成される頃には生態系の管理・維持という役割を持つに至った。

役割上、帝国直下の「特査院(生態系特別捜査院)」との繋がりが深く、帝国からの支援金も受けている。

レンジャーは主に弓と短剣を武器とし、特に弓は必須の技術とされる。



特級弓士

帝国が定める最高峰の技術資格のひとつ。

弓技に関して、特別な成績と実績を収めた者だけが受けられる帝国主催の試験があり、それに合格することで授与される。

帝国の試験を受ける前提として、準特級弓士の資格が必要となり、これの取得もまた困難である。



ツーハンデッドソード

両手持ちの大剣。

戦争で重宝され、槍襖を破る脅威として兵士達には恐れられた。

バスタの得物。専用の鞘に納め、どこにいる時も肌身離さず背負っている。



ハルバード

戦斧と槍の両方の性質を持つ大型の武器。

斬る、突く、払うの三拍子揃った優れものだが、扱いが非常に難しいとされる。

クロエの得物。有事以外は、刀身に布を巻いている。



斬馬刀

対騎兵に用いられる大剣。

超重量で、騎兵を一撃で切り伏せることからこの名で呼ばれる。

劇中に登場するのは、異大陸の武将が使っていたとされる骨董品で、本来のものよりも切れ味が数段落ちている。



毒物

筋肉を麻痺させる薬、意識を混濁させる薬、致死性の高い薬など、様々な種類が存在する。

これら毒物は元をたどれば医療関係の薬品であり、医術の進んだ国から横流しされたものが闇市で売買されている。

知識がない者には扱いが困難で、少量でも値が張る。

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