「究極の組み合わせ」論①
ミーちゃん「さてさて、夜もふけて参りました。皆さんこんばんは。今晩も始まりました『では、日本人はこれからどう人生設計を立てていけば良いのか?』。アシスタントのミーちゃんです☆よろしくお願いします。そして、パーソナリティのネコトクさんです」
ネコトク「……ミーちゃん今日はやけに落ち着いているね、アダルティだね。パ、パーソナリティのネコトクです。よろしくお願いします」
ミーちゃん「前回でミーちゃん壁を一枚越えましたからね。大人の階段をまた一歩上りました。……今回は、『商品開発論』でよろしいんですか?」
ネコトク「そうですねえ。まず、その前に、ゲストを紹介します」
ミーちゃん「ゲ、ゲスト?ゲストがいらっしゃるんですか?ま、まあ文字の上でのことですしね。……分かりました。ご紹介をお願いします」
ネコトク「では、どうぞ。霊話おじさんです」
霊話おじさん「こんばんは。マイケル・ジャクソンです」
ミーちゃん「……すみません。ちょっと時間を下さい」
ネコトク「分かりました」
ミーちゃん「……えーと。『霊話おじさんがマイケル・ジャクソンと自己紹介する』。少し混乱してしまいましたが、これは……いや、この時点でアウト!」
ネコトク「いや、軽いジョークですよ。ジャブですよジャブ。打つべし!打つべし!まあ、霊話おじさんでは無く、高田純次さんなら許された発言だったかも知れませんね。結局、表現の自由の尺度って『シャレになるかどうか』なのかも知れません。芸術家はそのギリギリのラインを攻めるわけです。ミーちゃんの基準では、今回はアウトであり、芸術家としての私は今回は敗北した訳ですが。では、予告通り、『第二の切り札』を使って行きましょうか」
ミーちゃん「神様がどうの、とか言いだしたので、大丈夫かな、と思った時もあったのですが。ネコトクさんもたまに振り切れますよね」
ネコトク「今回はミーちゃんが落ち着いてしまったので、変な義務感が出た部分もあるかもね。ただ、神様の話は神様の話としてありますよ。一応真面目な話として。まあ、今回は第二の切り札で行きましょう。とは言え、『第二の切り札』自体は古典的でありきたりな話だと思います。ただ、その凄さをキチンと理解している人がどれくらいるか?と言ったら、やや疑問があるという感じ、という話なのですが」
ミーちゃん「理解が難しい概念なんですか?」
ネコトク「難しくないですよ。ただ、私もそうだったのですが、だからこそ逆に『スルリと聞き流してしまう』感じなんでしょうね。安易に表面だけ理解して、分かったつもりになってしまう。私自身、何人かの説明は文章で読みましたし、ちゃんと原典たる本も読了しました。でも、『そりゃ、そういう方法論もあるよね』で終わっちゃっていた感じです」
ミーちゃん「……とすると、何か理解に至るキッカケがあったのですか?」
ネコトク「具体的には、斉藤一人さんの話で腑に落ちました。凄さが分かったというか。ですので、私の記憶を元に斉藤一人さんの説明から、語っていきたいと思います」
ミーちゃん「また斉藤一人さんですか」
ネコトク「別に私は斉藤一人さんの信者というわけでも無いのですが、妙に波長が合う部分もある感じです。もちろん、是々非々で、同意出来ない部分もありますし、理解出来ない部分もありますが。まあ、私のレベルが低くて理解に至っていない部分もあるでしょうし。ただ、良いところは取り入れたい感じです」
ミーちゃん「分かりました。ではお願いします」
ネコトク「えーとですね。まず、昔々、『夜鳴きそば』というのものがありました。夜な夜な屋台を引いて、茹でたてのそばを食べさせる商売ですね」
ミーちゃん「聞いたことはあります」
ネコトク「で、『じゃあ、そばの替わりにラーメンでやってみよう』と思って実行した人がいた。これが大ウケ。大・爆・発。チャルメラおじさんとか有名ですよね」
ミーちゃん「あー、即席麺のパッケージにもありますね」
ネコトク「そうそう。で、『ラーメンの味付けを醤油では無く味噌にしてみよう』と思って実行した人がいた。これも大ウケ。大・爆・発。味噌ラーメンの誕生です」
ミーちゃん「なるほど。味噌ラーメンですか。北海道でしたっけ」
ネコトク「そう。サッポロ一番。味噌ラーメン。では、『味噌ラーメンにバターを入れてみよう』と思って実行した人がいた。これも大ウケ。大・爆・発。味噌バターラーメンの誕生です」
ミーちゃん「……割と最近の話っぽい感じになってきましたね」
ネコトク「斉藤一人さん曰く、『俺はそういう組み合わせを探しているんだ』ということでした。その本の中では『ポアンカレの法則』と紹介されていましたが。異なったものの組み合わせで化学反応が起きるわけです」
ミーちゃん「化学反応という言葉は、結構、最近のエンタメなんかでも使われる用語ですね。『座組』みたいな話が言われていたこともありましたが」
ネコトク「そうですね。ただ、分かっている人がやらないと『焼きそば+育毛剤』のような奇をてらった商品になってしまうのだと思いますよ。そんな商品は長続きしない訳です。ただ、『これなら、自分がそれなりに精通しているジャンルならば、ひとつやふたつくらいそういう組み合わせが思いつかないか?』みたいな勇気が出てこないか、と思ったわけです、個人的には。つまりはあとは実行するだけ」
ミーちゃん「なるほど。ミーちゃん秘伝のレシピもありますしね」
ネコトク「それはそれは。今度ご賞味させて頂きたいですね。もう一つ。『日本一高い場所に立つにはどうしたらいいか?』という話があります」
ミーちゃん「日本一高い場所ですか?富士山ですかね」
ネコトク「……ミーちゃん、割と素直だね。スッとそういう答えが出てくるから。私は、最初、『飛行機や宇宙船の上かな?』と思ったんですけどね。でも、それではやはりダメなんですよ。『地に足が付いていない』から。私もやはり、フワフワしたところがあるんでしょうね。改めて自覚しましたが。で、話を元に戻すと、確かに、日本で一番高い場所は富士山の頂上ですが、その上に椅子を持っていって立てば、富士山より高く立てるわけですよ」
ミーちゃん「それはそうですが、それがどうかしたんですか?」
ネコトク「要するに、『最先端を完璧にコピーして、何かひとつマッチするアレンジを加えれば、あなたが世界の頂点になる』という話ですよ。まあ、先ほどのいくつかの例にも当て嵌まる話かも知れませんが」
ミーちゃん「……なるほど。それが今回の『商品開発論』という訳ですか?」
ネコトク「ザッツライトですね。ちなみに、今の日本企業の問題のひとつは、技術力が落ちたこともあって、『最先端を完璧にコピーするということが難しくなっている』現実があるそうです。確かに、素人目から見ても、特にITなどは差が付きすぎて追いつけないだろうということは分かると思いますが」
ミーちゃん「一番大きいのはGAFAの問題ですか?」
ネコトク「……まあ、GAFAネタと言うか、問題はそこでは無いな、という部分もあって……いや、これも話すとまた長くなるので、今回は省略します。今回の要点は、『化学反応の起こる組み合わせ』という点にあります。まあ、竹熊健太郎さんや岡田斗司夫さん、あるいはその元ネタ本である『アイデアのつくり方』でも、同じようなことを言っていたと記憶していますが、なんだか読み流してしまった、という感じです。おそらく、斉藤一人さんの説明は、料理を持ち出されたので、組み合わせのマッチ感とか化学反応感が想像しやすかったのだと思います、私個人の話としては。結局、『美味しい料理』にしても、『面白さ』にしても、組み合わせの妙やバランス、というか、調和(ハーモニー)の問題のような気もするし。某OSの話はともかくとして。だからこそ、『和』を重視する日本人としての優位性があると思うんですけどね」
ミーちゃん「……んー。『新しさ』というのは『面白さ』ではないですか?」
ネコトク「『新しいことを理解するのが面白い』のであって、『新しい=面白い』では無いと思います。で、理解したいような興味のある事が無くなったら『飽きた』という訳です。新しくても、理解されないのであれば、『何言ってるんだお前は?』『訳の分からないことを言うな』という風に怒られると思います。若干、私の体験談も混じってますが。ただし、これは日本における話であって、例えば、アメリカでは『新しい体験(new experience:ニュー・エクスペリエンス)』は価値なんですよ。だから、ゲームで言うと、水口さんのRezシリーズはアメリカでは評価が高い。そして、肝心なのは、ゲーム業界では有名な話ですが、英語には『fun(楽しい)』『interesting(興味深い)』という言葉はありますが、『面白い』に直接イコールになる言葉って微妙に無いんですよ。だから、『言語によって感覚(価値観)が規定されている部分もある』と言わざるを得ない。ただし、『スーパーマリオの面白さというのは、アメリカ人にも通じる』訳です。アニメの面白さも万国共通で通じている部分もあれば通じない部分もある。だから、理解出来るものでないと面白くない訳ですね」
ミーちゃん「なるほど。ネコトクさんの説は分かりました。では結論も出たことで、今回はこれでお終いです?」
ネコトク「ところがどっこい。まだ続きますよ。ここからが長い。今回は少し本気を出します。では、結局、『究極の組み合わせとは何か?』という話になりませんか?ということなんですけどね」
ミーちゃん「お、出ました。『少し本気を出す』。なんかラスボスっぽいセリフですね。『究極の組み合わせ』というのは確かに気になりますね。『至高の組み合わせ』の方が敵方のセリフっぽくなったかも知れませんが」
ネコトク「まま、私がラスボス並みの実力があれば良かったんですけどねえ。所詮、精進の身でございますよ。精々、中ボスくらい張れるように少し気張ってみましょう。じゃあ、まずゲームの話から行きましょうか」
ミーちゃん「あー、やはり、ゲームの話になるわけですか」
ネコトク「そうなのです。やはりゲームの話になるのですよ。まず、『エスプレイド』の話から。シューターの方には有名なタイトルだったらしいのですが、少し前の話ですが、今度、エムツーがSwitchとPS4で発売する、ということでちょっとした話題になっていました。私個人としては、見逃していたタイトルなので、とりあえず、どんな塩梅のゲームなのかとYouTubeの動画で見てみたんですよ」
ミーちゃん「……ちょ、著作権的には大丈夫なんですか、今の話?」
ネコトク「大丈夫だと思いますよ。私が見たのは、レトロゲー専門のゲームセンターとして有名なミカドのプレイ動画です(『年末月曜シューティング配信「エスプレイド」(その1)https://www.youtube.com/watch?v=Kvih0AVIiXs』『年末月曜シューティング配信「エスプレイド」(その2)https://www.youtube.com/watch?v=qbOp4hkpuPY』)。ミカドの店長さんの解説が凄く分かり易くて面白かったです」
ミーちゃん「(プレイ動画視聴後)『馬鹿みたいな音を鳴らしながら走る戦車ボス』とかカッコ良いですね。BGMも凄い良かった。実況も手に汗握りました」
ネコトク「そうそう。まるで自分がゲームセンターのギャラリーの一人になった気分で凄い良かったです。で、ミカドの店長さんの話に戻すと、『このゲームの敵の弾にはアナログ感がある』みたいな指摘をされているんですよ」
ミーちゃん「あー、ハイハイ、確かに動画の中でそんな指摘をされてましたね」
ネコトク「で、その指摘で思い出したのが、某匿名掲示板にあったザナドゥの指摘です」
ミーちゃん「今度はザナドゥですか。確か、大昔のパソコンゲームですよね」
ネコトク「そう。8ビットパソコン凌明期に40万本以上売れたレジェンドですね。記憶で書きますが、『敵の硬さや宝箱の開けにくさなどのアナログ感がザナドゥがウケた理由であり、そこにプレイ感覚のリアリティがあったのではないか』という指摘ですね」
ミーちゃん「……ポイントは『アナログ感』ということですか?」
ネコトク「その通り。任天堂のロクヨンのエポックとしても、『3Dスティック』というのがありますね。……と言うかですよ、そもそも、という話になると、またスーパーマリオの話になってしまうんですよ」
ミーちゃん「つまり、スーパーマリオとアナログ感の関係ですか?」
ネコトク「そう。スーパーマリオのゲームジャンルとしては、『横スクロールアスレチックジャンプアクションゲーム』と呼べるのではないかと思いますが、結局、キモになるのは、『ジャンプ』ということだと思います」
ミーちゃん「……ジャンプのアナログ感がスーパーマリオのキモであると」
ネコトク「そこまでは言いきるつもりは無いですが、キモの一つでしょうし、最大のキモでしょう。スーパーマリオのジャンプをプログラム的に真似するのが難しい、みたいな話をナムコの人がされていた、みたいな話をどこかで見た記憶もあります。多分、私の記憶違いでは無いと思いますが」
ミーちゃん「『スーパーマリオのジャンプは物理法則に反している』みたいなことを言っていた学者の方もいたような記憶があります」
ネコトク「その点においては、『ゲームにおいては、リアルではなく、リアリティが重要』という鈴木裕論になってしまうんですけどね。もちろん、『リッジレーサーに対するグランツーリスモ論』というのもありますし、この場合は、文字通り、『マリオカートの世界だから』で説明は付きますが。まあ、ともかく、『アナログ感』というのが一つのキーワードになるのでは無いか、と私は思ったわけです。スマブラに代表される桜井さんのゲームもその辺がキーワードの一つでしょうし」
ミーちゃん「とすると、『アナログ感』が『究極の組み合わせ』では重要であると?」
ネコトク「そこまでは短絡的な話では無くて、もうワンクッション置いて、『デジタルゲームにおいては、アナログ感が重要』という話になると思うんですよ。つまり、『究極の組み合わせ』においては、『相反する要素を調和させる(ハーモナイズさせる)』事が重要ではないか?ということですね。逆に、『アナログゲームでは、色々なファクターをどう記号化させるか?』が重要になってきませんか?という話になりますし。一時期、日本のアナログゲームが話題になったのも、日本人の『記号化の巧さ』が最大の要因ではないか?という考えも浮かんでくるわけです」
ミーちゃん「なるほど。芋づる式に色々謎が解けてきますね。この際、合っているかは脇に置くとしても」
ネコトク「しかも、それだけではない、と言うか、ニンテンドーSwitchにしても、未だに、『携帯機なのか?据置機なのか?』みたいな議論があるわけですよ。その回答としては、『携帯機と据置機をヘーゲルの弁証法的に止揚させたのが、ニンテンドーSwitchである』という回答もなり立つと思います。『なぜ前評判が散々だったニンテンドーSwitchがこれだけ受けたのか?』という理由もそこにあるでしょうし、『なぜ、WiiUが失敗したのか』という理由もそこにあるでしょう、という話になりますし。今度、簡易携帯版のニンテンドーSwitch Liteも出ますが、あれはあれで、携帯機の王道であり、逆に、『ニンテンドーSwitchのアンチテーゼ』みたいな話にもなってくると思うんですよね。個人的には、この商品展開の仕方もなかなか芸術的でよろしいのではないかと思います」
ミーちゃん「(なんかえらそう)……うーん。なんだか議論が、『当たり前のことに我々は気がつかなかったのだ』みたいな話になってますね」
ネコトク「まあ、『皮肉』という言葉の語源の『皮肉骨髄』を思い出しますね。興味のある方はググってみて下さい。物事というのは、『表面から理解する』べきですし、『いきなり本質を理解しようとする』からおかしな話にもなる。ただ、表面上で理解が止まっている場合が多いので、皮肉という言葉が残っているのでは無いでしょうか。そんなこんなで、ゲームの話はこれくらいです」
ミーちゃん「まだあるんですか?」
ネコトク「あります。霊話おじさんも前振りのつもりだったんですよ」
ミーちゃん「え?あれってまだ何かあったんですか?まだ何かの伏線仕込んでいたんですか?」
ネコトク「Yes!Yes!Yes!その前に、長い脱線もする予定でした。次回に持ち越しですね。無理するの止めました。今回は以前展開していた私の議論の追記、みたいな感じでしょうかね」
ミーちゃん「確かに、初めて読む人には非常にお得な回でしたね。では今回はこの辺で!次回もミーちゃんと地獄に付き合ってもらう!」
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