第13話 黄泉がえり

「あれ? 阿久津さん、早いっすね」

「早いもなんも、もう10時だろ?」

「だって今日は午前休んで良いって、八神部長から言われたんじゃないんですか?」


 俺は頭をぽりぽり掻いた。


「んなこと言われたって、なんか気味が悪くて家でオチオチ休んでられねえよ。後で何て言われるか。ん? どうした、里美ちゃん?」


 里美ちゃんが俺のことをじっと見ていた。寝癖直したつもりだったんだけど、直ってなかったか?


「え? いえ、なんでも無いです。昨日の阿久津さん……カッコよかったです」

「……あぁ、あれな。ほんっとに何て言っていいか……」


 そう言いながら、あの時のことを振り返ってみた。

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