第9話 世界は終焉へ向け、ゆっくりと綻び始める
逃げることも出来た、部下に押し付けることも出来た。
でも俺は不器用だ、そんなうまくは生きられない。でもそうやってここまで生きて来た。
俺は歌う、破滅の歌を。
もう里美ちゃんも限界だ、山田の顔も青白い。
さあ、今こそ滅びの歌を。
「……おっ、誰か歌を入れたな、阿久津君か?」
「はい」
画面に大きくタイトルが映し出された。
それを見て、里美ちゃん、山田が口を大きく開いた。
そして早乙女がうなだれる。
「それでは歌いまーす。金太の大冒険!」
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