Єat the lυnch with Daniel & Doctor
「やれやれ、また君なのか? もう会うことはないと思っていたのに、丸々一年空けてこうして再び君の顔を拝めるとは、身に余る光栄だよ。あるいは君の世界では一年なんて経ってなくて、ただ活字で次のページにこう書かれていただけなのかな、『それから1年後』と」
「まあまあ博士、いいじゃないですか。こちらに危害を加えるつもりはなさそうですし。それよりお昼にしましょう。一応お客さまのぶんも買ってきたんですよ」
「良くない。こいつの正体は何らかの監視システムで、我々の研究を盗もうとしている奴の仕業かもしれないだろう。そんな奴に食わせるサンドイッチなどない」
「はいはい、寝起きはいつも機嫌悪いんだから。あれでしょ、どうせ幽霊みたいなものでしょ? 気にすることありませんって。満足したら帰ってくれますよ、
「集団幻覚かもしれないだろ。それか、催眠だ。前は私だけがこいつを見ていたから、いくら妙なことを言われても、気にもせずにいられたんだ。それにダニエル、こいつは1年前にここに現れたとき、お前の名前を知っていたんだぞ。まさか、君たちはグルになって私をからかっているのか?」
「えぇ? 僕こんな人知りませんよ。この世界が短編小説とかいうのも、よくわかりませんし。でもたとえこの世が架空の世界なんだとしても、僕らには、べつにどうってことないじゃないですか。外部の人にとっては架空の世界でも、僕らにとってはここが現実世界なんだから」
「最近の子供はいつもそうだな。よくわかりませんと言って物事をぼやかす。悪い傾向だ」
「それがこの世の上手い渡り方ってやつですよ」
「暗に私が偏屈だって言いたいのか」
「そんなんじゃないですよ……すぐ人の言葉を悪く取るんだから。少しは大人らしく振る舞って、青少年の健全な育成に貢献したらどうです?」
「何が健全な育成だ。どんなに大人が気を遣ったって、子供は歪むときは歪む」
「お昼ごはん要らないんですね?」
「いや、要る」
「はい、どうぞ。全く口が減らないったらない」
「お前が言うな、お前が」
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