過程と目的
俺が実験室に帰ると、その数分後に中嶋が結果をあらかた確認し終わったようで戻ってきた。
「今回の実験やばいな。本来は人間は自らの欲望のために自分たちと同じ人間をどれくらい殺害するかってのを調べるつもりだったのにな……」
「本当に驚きだ。緑のトーテムが余るなんてな」
「もうちょい前の時代に同じようなことやった時なんて自殺者なんて本当に考えなくていいぐらいの数だったのにな」
「全くだ」
人間の生活は、言うまでもないが年々豊かになり技術も急激に発達している。
それなのに自殺者の数は減るどころかむしろ増えているぐらいだ。
実際、幸福度は生活の豊かさに殆ど比例していない。人間たちの目的は「幸せになること」であって「楽をすること」ではないのではないだろうか。もちろん、物事を効率よくいかに簡単に片付けるかということは大切なことだ。しかし、それは幸せになるための“過程”であって“目的”ではないはずだ。
トーテムポールとナイチンゲール @student1
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