第10話

 ドアを開け中に入ると、そこにはシンデレラが居た。


『今宵もパーティーに参加していただきありがとうございます。ケイ様』


「ああ、こちらこそお招きいただきありがとうございます。…で、早速だが、お前は私と一緒に死んでもらうぞ」


「ねむちゃん、逃げるよ」


「えっ?あの、先輩は..」


 佑真とねむが保健室から出たと同時に爆発した。


 ◼◼◼

『まさか、こんな物が仕掛けられてるとは。ですが、こんな威力では私は殺せませんよ。


 爆発したのはシンデレラの方だけ。しかし、やつは生きている。


 シンデレラは少し焼けたベールと目の包帯を取り外した。


「っ....暁月、ねむ」


『ふふっ、その反応だと、最後まで私だと気がつかなかった様ですね』


「…そうか。私は最初から、君に踊らされていたのか」


『そうなりますね。だから先輩の推理は間違っています』


「..なら、教えてくれ。君の目的を」


『ふふ。いいですよ。私の目的は貴方を手に入れる事、そして、世界にこの技術を広める事です』


「私を手に入れる、だと」


『はい。なので、先輩。取引をしましょう。その手足を治す代わりに、私の駒になってください』


「断ったら?」

『その時はその時です』


「そうか。なら私は......」



 ◼◼◼

 目を覚ますと、そこは自室だった。


 いつも通り学校へ行く準備をしていると、何かを忘れているように感じる。

 何故だろうか。


 そんな晴れない気持ちを抱えながら、私は学校へ向かった。


「おはよう。佑真」

「おはよう。ケイ」


 いつもと変わらない日常。だけど、どこか大切だった事が思い出せないでいた。



 ────────────────────────────────────────

 二夜目完結しました。本当はこの章で終わるつもりだったのですが、続きます。次の舞台は世界です。お楽しみに!

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黒きシンデレラに誘われて 穂志上ケイ @hoshigamikei

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