二夜目
第8話
昨日は確か、シンデレラに招待されて、最後にシンデレラが...
ダメだ。これ以上思い出せない。
そうだ。電話を。
『この電話番号は現在使われておりません』
くそっ
とにかく学校へ行こう。
身支度をすませ家を出た。駅にはいつも通り御社生が集まっていた。
その中には...
「佑真!」
「ん?あんた...誰?」
「なっ、わ、私だ!穂志上ケイだ!忘れたのか?」
「ごめん。わかんねーわ」
そう言って佑真はどこかへ行ってしまった。
どうなっているんだ?佑真が記憶喪失。私だけの事を忘れている?
考えていると、今度はみちるを見つけた。
暁月ねむとは一緒ではないのか?
「みちる!」
「...貴方は~誰ですか~?」
「私は穂志上ケイだ」
「そうですか~。それで私に何か用ですか~?」
「ああ。つかぬこと聞くが、君に暁月ねむと言う友人はいるか?」
「うーん。居ませんね~」」
「そうか。突然すまなかった。それじゃあ、私は失礼する」
どうやら今のこの世界では私と暁月ねむが忘れられているようだ。
これもシンデレラ所為なのか。
まぁ、どうだっていい。今は準備を優先だ。
◼◼◼
午後7時。校内にはちらほら生徒が残っている。
この学校の制服だからあまり目立たないが、今日1日授業を受けないと言うのはなんだか罪悪感でいっぱいだった。
だが、教室に入ろうと私の席はない。大人しく準備をするに限る。
間も無くして校舎の明かりが消え、生徒達はいなくなった。一人を覗いて。
目の前には昨夜殺されたもう一人のシンデレラがいた。姿は制服だが、何故ここい。
「ねぇ、貴方も人生をやり直しにきたの?」
どこか暗い口調で彼女は尋ねてきた。
「どういう事だ?」
「なんだ。知らないできたの?...じゃあ、ついてきて」
彼女のあとを追い、連れてこられた場所は保健室だった。
中に入ると数人の男女がいた。
「ここで自分の遺伝子を取り、クローンを作るの。そして、殺して、私達は新しく生まれ変わるの!」
「そんな事をして一体何になるんだ!」
「何になるっておかしな事言うのね皆今の人生に疲れたから新しい人生を歩もうとしている。だからここにいる。貴方だって今の人生に疲れてるでしょ?」
「そんな事はない!」
「本当に?やりたくもない事ばかりやらされたり、急な理不尽がやってきたりなんて事、貴方にもあるでしょ」
「私は......」
「まぁ、答えを聞くのは私じゃなくてあの方だし。それじゃあ、あっちの世界で待ってるわ」
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