第4話

 突然倒れたねむだったが、体には異常は無かったらしい。安静にしていれば大丈夫だとの事だ。


「では失礼します」


 保健室から出るとみちるが不安そうな顔してこっちを見ていた。


 安静にしていれば大丈夫だそうだ


「...そっか。ありがとう。先輩〜」


 無理していつもの口調に直さなくてもいいのだがな。


「別に大した事はしてない。だが、今日は暁月ねむは...」


「うん。それでも〜私は手伝う」


「それは助かる。では、準備は我々がしておく。君は放課後、私の所へ来てくれ」


「了解~」




 ◼◼◼

「おー。ケイ。待ってたぜ」

「すまない。それで準備は順調か?」

「ああ。後は生徒がいない放課後に設置するだけだ」

「そうか」



「...なぁ、ケイ」

「なんだ?」

「死ぬなよ」

「ああ」


 私達は軽く拳をコツンと当てあった。



 ◼◼◼

 放課後


「二人とも、本当にありがとう。私の為に」

「なにらしくない事言ってんだよ、ケイ」

「そうですよ~。ねむねむの分まで頑張りましょ~」


 そう。この場に暁月ねむは居ない。今朝倒れたんだ。むしろこの場に居たら絶対に家に帰してる。


「さぁ、指定時間まで残り二2時間弱だ。始まる前にもう一度作戦の─『ま、待ってください!』─。」

 

 振り返るとそこにはねむが居た。見るからにフラフラしていて、立っているのがやっとの様子だ。


「お、おい、何故君がいる」

「何故って、約束したじゃないですか。もう一人の私が」



「それはそうだが、そんなフラフラで何が出来る」

「少なくとも先輩よりは、頭使えますよ。それに私にも届いたので。招待状」


 そう言ってねむはポケットから黒い招待状を取り出した。


「先程、ポケットを確認したら入ってました。だから私はここに居ても大丈夫ですよね」


 保健室の先生が入れたという訳ではなさそうだな。もし、犯人ならマヌケ過ぎる。なら招待状は黒きシンデレラ本人からのもの。


「それなら、問題ない。だが、もしまた倒れるような事があれば─『その時は先輩が助けてくださいね』─わ、分かった」


「そ、それじゃあ、改めて、作戦の確認だ。まず────」



「以上だ。質問はないか?

 よし。なら各自持ち場へ行こう」


 午後7時まで残り1時間41分

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