第2話

 翌日


 テレビをつけると更に二人の犠牲者が増えていた。


 私は机に置いてある携帯を取り、彼女に電話を掛けた。



『もしもし 私だ。ケイだ』




『誰ですか·····』




『誰ですかって私は、穂志上ケイだ 頭脳明晰な君と昨日電話番号を交換したじゃないか? 分からないのかい?』




『ちょっと、何言ってるか分からないです。では、切りますね』




『ちょっ···』


 一体どういう事だ?まるで昨日の事が無かったかのようだ。それに彼女の反応。何かおかしい。


 私はもう一度彼女に掛け直した。




『なんで、いきなり切るんだ』




『だって、知らない人だったら普通 切るじゃないですか』




『知らない人ってどう言う事だ! 君は、私を知っているはずだ』




『私は、知りません』


 本当にどうなっているんだ。昨日の事といい、私の事を覚えていないだとか、まるで彼女は記憶喪失みたいじゃないか。




『な、なぁ、今日の約束覚えているかい?』




『···まさか、勧誘の方ですか?お断りです』




『違う!昨日君が私と一緒に行くと言うから色々相談しようと』




『···学校の場所だけ教えてください』




『神社通りだ。そこで待ってる』





『......分かりました』




 ■■■

 それから私も神社通りへと向かった。

 着いてまもなくして彼女はやって来た。



「やぁ待っていたよ」



 彼女に声を掛けると、何も無かったかの用に私の横を過ぎ去っていった。



「ちょ、待ってくれ。今朝から様子がおかしいぞ君」



「おかしいも何も、私は貴方の事を知りません。それに今の私は普通です」




「そうか。なら、改めて私を知ってもらおう。穂志上 ケイ 御社学園三年生だ」


 いや、聞いてねーよ、みたいな顔するなよ。改めて自己紹介したのが恥ずかしくなるだろ。



 そして、私の隣に居るピンクの髪の彼女、彩城あやしろみちる。暁月ねむの友人のようだ。




 どうや暁月ねむは彼女の事すらも覚えていないらしい。


「それで、相談って何ですか?」


「......ま、まずは昨日の事から説明しよう」

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