第6話

「壮介!どうだった?」

「まぁ、そうだな、頑張れよ仁」

どういう事だよ!?まさか、やっぱり姫城さんは俺のことが嫌いで、これから大変になるぞ、って意味とか?!

うわぁ〜、やっぱり姫城さん電車に気づいてたのか、それで勝手に押したからそれに怒っているってことか〜.....

この先地獄にしか見えないんだけど...


「沢村!何ウチの前で暗い顔してんだよ!もっと明るい顔で笑えって〜!」

「なんだよ、赤坂かよ」

「おい!なんだよってひどいじゃな〜、せっかく人が心配して声かけたのに〜」

「今俺は悩んでんだよ」



このうるさい奴は赤坂 光と言い高校に入ってから割と交流のある人の中の一人だ

性格は見ての通り明るい性格で、髪も茶色に染めているため見た目はギャルっぽいが、その見た目とは裏腹に誰にでもフレンドリーでいけない事はいけないとハッキリ言えるため、男女問わず人気のある人物である


「悩みってなになに?教えてみ?」

「なんでお前に教えなきゃいけないんだよ」

「隣の席でうじうじ悩まれると私が嫌なんだって」

そう赤坂は今回の席替えで俺の隣になったのだ

つまり窓側が姫城さん、その隣に俺が座り、俺の隣に赤坂が座っているのだ

「しょうがねーなぁ〜.......っていうことがあったんだよ」

「そんな事で悩んでるの?」

「そんな事って俺にとっては一大事だぞ!」

「でも、しっかりは話せてないってことでしょ?」

「それはそうだけど...」

「そういう時は遠慮とかせずに相手にストレートに聞くことが一番だよ、野球だってストレートが一番投げやすいでしょ、それと同じで誤魔化さずに聞いた方が相手も答えやすいんだよ」

「そう...だよな、わかった、そのまま聞いてみることにするよ、わりーな、相談乗ってもらって」

「いいってことよ、頑張ってな、沢村!」

「おう!」


このまま悩んでても仕方ないし出来ることをやってみるか!


「姫城さん!ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

「は、はい!な、何かな?」

「この前踏切で俺が思いっきり押してしまったから、怪我とか嫌な思いとかしてないかなって気になって」

「嫌な思いなんて全然してないよ!それに助けてもらったんだから、私の方からお礼しないといけないのに...」

「えっ、じゃあ怒ってないの?」

「全然だよ!それに怒る理由なんてないし」

良かったぁぁぁぁぁ〜〜〜〜

俺の気のせいだったてことか〜〜

マジで赤坂のおかげだなぁ

後でお礼言っとかないとな


「そ、それでね!今度お礼したいけど、連絡先がないから、こ、交換してほしいなぁ〜なんて思ったりしてるんだけど」

「じゃあ交換しよ!」

よっしゃ〜!これであの姫城さんの連絡先を手に入れたぞ!

「じゃあ、今度予定が決まったら連絡するね!」

「うん!姫城さんありがとう!」


今の俺は悩んでいるものや姫城さんの連絡先を手に入れてこれ以上にないほど幸せだ〜!

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