第2話

踏切の出来事があった後、俺は戸惑いながらも自分の家へと帰っていった


このアパートには俺と妹の二人で住んでいる、というのも親が海外出張とかではなく、妹がスポーツでスカウトされてさすがに一人は心配だということで俺の高校入学と共に引っ越しをした。

もちろん妹は元々の中学校を転校してこの私立海東学園に転入してきた

私立海東学園は中高一貫校なのでもちろん生徒も多く中には妹のようにスポーツ推薦で呼ばれる生徒も少なくないとか...



「お兄ちゃ〜ん、お帰り〜」

「ただいま〜、恵梨、ご飯出来てる?」

「出来てるよ〜、今から食べる準備するね」


今、ご飯を準備してくれているのは妹の沢村恵梨で、スポーツは推薦を受ける程上手いが勉強の方は少し頼りない

しかし、黒髪のポニーテールと幼くも整った顔に少しアホというキャラクターもあり、結構モテているというのを壮介から聞いたのだ。

妹がモテていることは素直に嬉しいが変な男に引っかからないかというのが兄として最近の心配事でもある


「お兄ちゃん、早く食べないの?」

「もう少しでいくからちょっと待ってくれないか?」

「いいよ〜!」


「「いただきます!」」


恵梨はスポーツだけでなく料理もできるのでいつも弁当も作ってもらったりしているが恵梨に負担をかけたくないので最近は自分でも作れるようにと練習している

まぁ全然上手くは作れないが...


「お兄ちゃん、学校どうだった?久しぶりにみんなと会えて嬉しかったみたいな話ある?」

「学校ではなかったけど、壮介と本屋行った時に姫城さんと会ったぞ!」

「えっそうなの!あ〜でも会っただけで結局お兄ちゃんがチキって話しかけずにおしまいって話ね」

「それが違うんだなぁ〜、何と姫城さんから声をかけてくれたんだ」

「それって奇跡じゃん!」

「その発言は失礼だが特別に許してあげよう、なんせ今の俺は気分がいいからなっ!」

「なんか負けた感じするのが悔しい〜」


こういった会話は結構していて自分でも思うが思春期の兄妹では珍しく仲が良いと感じている

しかし、恵梨がブラコンとかではなくどっちかっていうと俺がシスコン気味だというのが仲がいい要因だと思っている


「じゃあ恵梨、先に風呂入っていいぞ〜」

「お兄ちゃん、私やることがあるから先に入ってきて〜」

「オッケー、じゃあ一番風呂もらいます!」





私こと、沢村恵梨は自他共に認めるくらいの美少女である

スポーツも家事もできるので女子力も高いと思うし、男子達にもモテている方だと思っている

しかし転校してきてそうではないことを知った

私以上に完璧な人間、姫城佳奈によって

そしてその姫城佳奈がお兄ちゃんに接触してきた

そして姫城佳奈からお兄ちゃんに声をかけてきた.....許さない!

お兄ちゃんを狙う女は絶対許さない!

お兄ちゃんは特に突出したものはないけど、私想いで優しくて、でもいざとなったら助けてくれるもうとってもカッコいい...とにかく言葉で言い表せられないくらい大好き、それこそ一人の男として好きなんだ

とにかく姫城佳奈にはお兄ちゃんは渡さないっていうか誰にも渡さない!

私の大切な大切なお兄ちゃん...




とりあえず仕掛けておいた隠しカメラをチェックして後はお兄ちゃんのお風呂の残り湯をじっくり楽しもうかなぁ〜




「恵梨〜、あがったよ〜」

「はーい、今からいく〜」



今から私の天国へ行ってまいります!

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