学園ラブコメに俺は翻弄されます

小森 秋水

一章

第1話

「今日から新学期だ、しっかりと勉強に励むように」

そう言い残すと担任の先生はすぐに教室を出て行ってしまった

「おーい仁、早く帰ろうぜ」

「ちょっと待ってくれ」

その声を聞き、俺は急いで支度をした。

俺、沢村仁はどこにでもいるような高校一年だ。

勉強も平均、スポーツもさほど上手いわけもなく趣味程度に野球をしていたくらいだ。

今は部活に入らずに毎日帰宅をしている。


そして今俺を呼んだのは友人の滝本壮介、

こいつも同じ帰宅部だが勉強では毎回学年10位内に入る秀才だ。

おまけに顔も整っているのでthe普通フェイスの俺とは違い、そこそこモテているらしい


「なぁ仁、帰りに本屋行こうぜ」

「また本屋かよ」

「いいじゃん、お前も楽しんでるし」

「まぁ別にいいけど」


今日もまた本屋に来てしまった、俺のサイフが底を尽きそうだ、なら買わなければいいじゃんと壮介が言うが誘惑に負けてしまうんだ、仕方ないだろ?

とかどうでもいいような話をしているうちに本屋についてしまったようだ


「じゃあ仁、俺は参考書見に行ってくるわ」

「オッケー、終わったらラノベコーナー来てな」

そう言い残すと俺はラノベコーナーに向かって行った

基本的に難しい本を読むと寝てしまうので俺はラノベコーナーにしか行かない


「あれ、沢村君だよね?」

不意に声をかけられて振り向くとそこには姫城さんがいた....ってなんで姫城さんがいるんだ!

姫城佳奈と言えば学年では知らない人はいないと言われているくらいの美少女で黒髪と整った顔立ちから大和撫子と言われている、また勉強もスポーツも全国レベルなので告白していく人達が後をたたないが今まで成功した人はいないらしく最近では告白の数が減ったらしい。

まぁ壮介調べなので詳しくは知らないが簡単に言えば完璧美少女ということだ。

てかなんで俺の名前知ってるんだ!嬉しすぎるだろっ!

てか、何か会話しなくちゃ.....

「姫城さんは本買いに来たの?」

「うん、ちょっと欲しい本を探してたら沢村

君をたまたま見かけたから声かけちゃった」

この奇跡を起こしてくれた神さまに感謝します!

そんなことを思いながら会話をしていると壮介から連絡が来てしまったようだ

「ごめん姫城さん、壮介が買い終わったようだから俺も行ってくるよ」

「いいよ〜、引き止めてごめんね〜」

そういうと姫城さんは本を探しに戻ってしまった

あ〜、もうちょっと話したかったなぁ、

もう話せる時はないだろうなぁとか思いつつも話せて良かったなぁみたいな感情に囚われていると

「仁、さてはお前いいことがあったな?」

さすが親友だな、そんなところまでわかるとは

「さっき姫城さんとあったんだよ、しかも名前も覚えてもらっててもう嬉しすぎて今なら飛べそうだよ」

「お前姫城さんと話したとか羨ましいなぁ、なんで俺を呼んでくれなかったんだよ」

「姫城さんとの会話に集中しすぎてお前のこと頭の片隅にもなかったわ」

コノヤロー、わりーわりーみたいな会話をしていると分かれ道についてしまったようだ

「じゃあ仁、俺こっちだから帰るな」

「オッケー、また明日な」

俺が住んでいるアパートは本屋から歩いて20分くらいと少し遠いため、壮介とは途中で別々に帰ることになるためここから後10分くらいは暇な時間が続いていくようになる

この一人の時間はやることがなくこの踏切を渡ればアパートに着くのでもうアパートは目の前だ

もうアパートが見えてきてそこには踏切と踏切の中に取り残された女の子が.....っておい!やばいじゃんか!

「おい!危ないぞ!早く出ろ!」

って何も反応しないじゃないか!よく見るとイヤホンしてるし!

電車の音が聞こえてくるが女の子は一向に気付く様子がない

このままじゃ轢かれてしまう!そう思った時には俺は必死に走っていた

くそっ、このままじゃ間に合わない!

電車はそこまで来ている

「届けっ!!」

俺は一か八かの思いで女の子を押していた


ふぅ、何とか間に合ったようだ

女の子はびっくりした様子で困惑していた.....って姫城さん!

イヤホンの女の子がまさかの姫城さんに俺は戸惑っていると状況を理解した姫城さんが潤んだ瞳でありがとうと言いそのままどこかに行ってしまった...

俺は急な出来事とありがとうという言葉をうけて戸惑うしかなかった

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