『ぎょうざさんをやいてみた』

やましん(テンパー)

『ぎょうざさんをやいてみた』

* 以下はすべて、フィクションです。言葉遣いも、主に、やましんの主観による創作であり、学問的実際的根拠はありません。(あちこち放浪した記憶が参考にはなっていますが。)悪意はいっさいございません。ご理解お願いいたします。




 奥様が手料理を作ってくださる可能性は、ほぼ限りなく、深くゼロなので、先日、10年近く前に、亡き母の為に買ったIHを使って(ガスコンロは、しゅっちゅう黒こげにしだしたものですから・・・)、はじめて『焼きそば』というものを焼いてみました。(同時に買ってたフライパンを、おそらく初めて使ってみた!)


 まあ、始めて焼いたインスタント焼きそばであり、それにしては、まずまずのできでありました。(誰にでもできる!)


 ただ、少し、水分が多すぎたという感じはありましたが。


 ちなみに、同じメーカーさんの同じ銘柄のカップ焼きそばと比べると、なんと、またく同じ味がするのです。


 粉末ソースがだいたい同じもので、麺も結局、同じ感じになるのであります。


 これは、カップ焼きそばがすごいのか?


 やましんの、焼き方が下手くそなのか?


 まあ、おおかた、自分では上手くいったので、次は、ぎょうざさんを焼いてみることにいたしました。


 昔は、ぎょうざの皮を買ってきて、母が中身を作り、やましんが、指をお茶碗に入れたお水で濡らしながら、ぴちゃぴちゃ、と封をしまして、良く、くっつく、薄いフライパンで、『ぎゃちゃぎゃちゃ』言わせながら、焼いたものです。


 まあ、さすがにそこまでする元気はないので、原型は出来上がっているぎょうざさんをスーパーさんで買い、あったまったフライパンに、ちょっと油を敷き、で、ぎょうざさん10個を放り込みました。


 それから、蓋をして、約3分。


 電気加減が、よくわからない。


 まあ、中火相当くらいで、いいかなあ?


 昔と違って、小さな音で『ぱちゃぱちゃ』言うだけ。


 3分たて、見てみたのですが、あまり焼けてない。


 あと1分追加します。


「まあまあかなあ。もうちょっと、おこげが入ってもいいけど、やきすぎはき危険だから、まあこのへんで・・・」


 でも、なんとなあく、生焼けな気がしたので、電子レンジで、追加チン!


「よしよし、と・・・・・ちょと、つまみ食いっ、と・・・」



 すると、例によって、ぎょうざさんたちが話しかけてきたのです。


『やましんさん、やましんさん、油が少し多すぎたよ。たぶん、ちょとヌルヌルするよ。』


『うんだうんだ。油入れるとときに、スプーンで、図ったりしないで、直に入れたっぺ。それがよくなかったんだべ。』


「だって、目分量で、テレビなんかでもやってるしい。」


『それはさあ、経験を積んだベテランだから出来るのよお。やましんさんじゃ、むりだわさ。おまけに、やましんさんは、『うつ』で、おしっこもらして、ばっかでさあ・・・・。・・・・信頼性というものが、まったくさあ、なくなってるのよお。元同僚の間で、どう言われてるか、知ってますう?』


「む。人の、身体的弱みを、ちゃかしちゃだめですよ! それは、いじめだよ。やっとこ、生きてるんだから。まあ、何と言われても、しかたがないしなあ。」


『いいや、事実は、事実やで。まず、そこを、受け入れなあかん。あんたはんは、調理は、ど・しろとでっせ。おまけに、筋金入りの、どじやさかい。基礎から、きちんと、やらな、あかんのや。きちんとやれば、きと、明日も開ける、ちゅうもんですやろ。世の中、逆手にとらなあかん。地獄も、見方、やり方に寄ったら天国になるんやで。あかるく、楽しく生きな、損でっせ、楽しく生きまひょ!』


『いやいやあ、まあ、まあ、みな、そうきついこと、いわんと。なにごとも、経験やけん。せわないせわない。なーんも、問題ないけん。』


『おう、そうじゃ。わしがついとるけに、心配なか。わしら、かいもの行くにも、一升瓶持参じゃ。どがやわ~~~~っと、行かんといかんぜよ。世界がまっちょるぜよ。』


『そ。はよ、このタレ掛けて、くうてみんちゃい! はいはい。』


『そうで、ごわす。』


『は~~~い。メルシ・ぼク~~! イッタダキま~~~スね!』


「はあ、~~~~、あなたがた、どこから来たの?」


『世界中ですね~~~~! いまや、世界は皆、一心同体ですねぇ。北極と南極溶けたら、みな仲良く水没ですねぇ。懇切丁寧迅速愛をこめて、みんな仲良く、しかとしあわないで、お付き合いしなけちゃ・・・しなけちゃ・・・あら、ちがたですかあ~~? ね。』


「はあ。なりほどう。ぎょうざさんも、国際化してますかあ? じゃあ、これで、と・・・・」


 やましんは、ラップを長めに、ずばっと、切りました。


『まったまった。あらら、食べないの?』


「うん。君たちは、晩御飯用だから。」


 もう、文句言われないように、ぎっちり、ラップ閉めして、あまり冷えない壊れかけの冷蔵庫に放り込みました。


 やれやれ、やっぱ、できあいを買ってきて、そのままいただくのが、最も楽ちんで、気が楽だなあ。


 何か作るたびに、国際情勢までアドヴァイスされるのも、疲れるよ。



 


  ************ 🥟 🥟 🥟  ************







 





















 











 

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『ぎょうざさんをやいてみた』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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