ーエクストギアー リョウジ・イトダ

正義を語るお前らの強い点は、常に悪党に勝ち続けられることだ。

そして弱い点は、勝ち続けるが故に、反骨心に欠けることだ。


考えたことがあるか?

ちくしょう、やられた、なぜ勝てない、なぜ俺が負ける、なぜ、なぜなぜなぜ?


その気持ちが俺を作った。

今のこの状況を作った。


お前は立派なヒーローだ。

この街の、市民の心の支えだ。


それをぶっ潰すことだけを考えて、俺は生きてきた。

今までの金や、手下や、縄張りや、そういった全てを捨ててきた。

終わるために生きてきた。

そうだ。俺には終わりがある。お前さえ潰すことができればそれでいい。

あらゆる全ての正義に勝つだとか、そんなものはいらない。

ただ、ただお前をぶっ潰すことだけ、それだけでいいんだ!

それが今叶うんだ!!

どうだ!この状況は!よく見ろ!

なあ!!

ああ〝!?

おい!お前!どうしたヒーロー!!

なんで地べたに這いつくばっているんだ!

ご立派なオモチャはどうした!!

エクストギアが粉々になりゃ、お前なんかちっぽけだよな!

散々!散々!俺をコケにしてきて!

その様がこれだ!

お前を潰すことだけ考え続けて生きてきた俺の!その努力がこれだ!

慢心を重ねて生きてきたお前の!その結果がこれだ!

実った!やったんだ!俺は!



さぁ!終わろうじゃないか!お前と!俺と!なぁ!

今までの全てに決着を付けて!

今までの全てをなくすために!


じゃあなヒーロー!

さよならだ!


死ねよ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る