第5話 管理室
「さて、ここが叡智管理局クロノスの中央管理室になります。
巨大な扉が開き、いよいよ管理室へと入る。
謎の管が大量に繋がれ、びっしりとケーブルが足元を伝っているその先に...
「クロノス」
と書かれたコフィン(棺)のようなモニュメントが置かれていた。
「これが....クロノス....?
「はい。こちらが数百年前に人類が製造した超演算処理のスーパーコンピューター「クロノス」です。この中には数多く、数え切れないほどの年月のデータが内臓されております。
「過去の産物について知りたいのであればこの部屋の隣にあるコネクトルームから直接クロノスへアクセスすれば調べることが可能です。
「ありがとう、後で見てみるよ。それにしてもすごい...もっとこう無骨なマシンが置かれているかと思っていたけど...なんというか人間の墓みたいな..不思議な構造物って感じですね。....そういえば、これ人工知能は搭載していないのかな?
ずっと気になっていた疑問である。スーパーコンピューターと言うからには処理能力はかなりの物なのだがそうすると果たして知能はいらないのではないか?という点である。ただ計算だけして必要なデータを閲覧する、これだけの機械にわざわざ感情や思考回路を取り付ける意味は無いのではないか。
「そうですね。これといって個人で考えて行動に移す、といった知能は兼ね備えておりません。なにせこの世界のデータがぎっしり詰まっていますから。
言われてみればそうだ。いわば図書館のようなシステムに知能は要らないな。
この本を借りたい!という時に本の意思でダメだなどと言われたらひとたまりもない。
ふと、横に目をやると隣に続く通路があった。しかもよく見るとどうやら謎の管のほとんどはこの部屋ではなくクロノスの後ろを通して隣の部屋に繋がっているようだ。
「あっちの部屋は?
気になったので隣の部屋を見て見る事にした。
「あっ、タイヨウ様、そちらの部屋は...!
制止するようにミモザがかけた言葉を物ともせず進んでいく。なんというか、不思議な感じがした。この部屋を見ておかないと後悔するみたいな、よくわからない感覚だ。
俺は、恐る恐る部屋へと入っていった...
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