第2話 知能研究室
「さて、ではまずこの部屋からですね。
ミモザがノックをすると扉の向こうから返事が聞こえる。
おそるおそる扉を開けると....
パソコン、パソコン、パソコンと....脳の人体模型!!
「ここが知能研究室になります。
なるほど...人工知能と人間の脳についての研究をしている部門のようだ。
「やぁ。よく来たね。さっきも聞いただろうがここは知能研究室だ。数百年前に人類は感情を持ったアンドロイドを作った、というお話があったが実の所これはちょっと語弊があるんだ。わかるかな?
「うーん...みんな同じ感性の知能になったとか...?
「惜しい..けどだいたい正解!よく調べているようだね。正確には人間の基礎感情である喜・怒・哀・楽の4パターンしか感情がなかったんだ。だから当時のアンドロイドは何もない時はいつも笑っていたらしい。もちろん僕達ヒトはそんないつも笑ってるわけではないからね。かといって悲しんでるわけでもない、すなわちボーっとしている時の感情。何も考えていない無感情の状態。これがなかったんだ。ここでは数百年に渡って研究されてきたデータを元により本物の人間に近い感情を搭載する方法を研究しているというわけだ。ちなみにその案の一つが「人間と同じ脳の形をしたパーツにそれぞれ本物に近い機能を搭載する」だ。これが今の所もっとも人間に近いアンドロイドを作れるんじゃないかとみんなで話し合ったんだが...
「何か含みのある感じですね。
「まぁね。人間と同じ材質となるとなんというか...代謝機能とか、そういういらない機能も合わせて作らないといけないから大変なんだ。それで今は脳の形にアレンジを加えて知能を搭載した機械を作れないかという研究をしているんだ。
「なるほど....勉強になりました!
タメになる情報だ。しかしなんだろう、感性がみんな同じだったとはデータにあったけど....研究室で見た文献には喜怒哀楽しかなかったとは書いてなかったはずなのだが.......まぁ、当時はその四つの感情しかなくてもバッチリ感情のある機械だと認識されていたんだろうな!
それから数分データを特別に見せてもらった。
XX年 好意の感情を持たせることに成功
XX年 慈愛の感情を持たせることに成功
XX年 勿体無いという感情を持たせることに失敗...
XX年 恐怖の感情を持たせることに成功 しかし戦争用のアンドロイドには搭載せず
さて、次は隣の部屋か。楽しみだな!!
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