第18話

「ん…んっ」


俺は見慣れた見慣れた天井で目を覚ますと、隣にはハル姉とミリアの姿があった。その姿に顔を赤らめようとした寸前、冷静にとあることに気がつく。


「まさか…」


がばっ!!と毛布をかきあげてパンツの確認。



アウトだった。


………

……


パンツとズボンを洗って洗濯機の中に放り込んで、ついでに洗濯も済ましておき、洗顔を行う。

夏休みだというのに、いつもの朝のルーティーンが完成してしまった俺はいつもみたいに朝飯を作ろうと、冷蔵庫の中を開けた。


「げっ」


卵があと少しで切れそうだったが、3つある。それを一気に冷蔵庫から取り出すと、ヒタリヒタリと床を踏む音が聞こえる。


「おはよう達海、よく眠れたか?っと、これはダメだな」


洗顔の際に見てみたが、目が赤く充血している。それを察したミリア。


「誰のせいでこうなったと思ってんだコラ」


「ん?昨日何かあったのか?」


「……」


?マークを作っているミリア。まさかの自覚なしと来て、もう呆れるしか無い。


「それより飯を作っているようだな。何を作っている?」


「スクランブルエッグと味噌汁。んで普通の白米だよ。お嬢様のお前の口に合うとは思わねぇけどな」


「…達海の料理ならどんな食材でもどんなに不味かろうと嬉しいさ」


その笑顔に思わずドキッ、としてしまうと、不意に声をかけられる。


「ん…おはようタツ〜」


目を閉じているか開いているか分からない状態でハル姉が起きる。


「おはようハル姉」


「ううっ…タツが起きたら裸エプロンしようと思ったのに…タツが起きてたら意味ないじゃない」


「これが通常運転だと思ってる俺が居るから逆にこえぇよ」


ハル姉ならマジでやりかねないと知っている俺だが、それで動揺しないのもかなりおかしい。どうやらこの悪魔にかなり毒されてきてるらしい。


「んんっ…おはよう…達海」


「……ボンバーマン?」


そして摩耶も起きてキッチンまで来る。その時目にしたのは、爆発した頭。その際にミリアがそう呟く。


「私、寝た時の気分によって寝癖が変わるから」


「なんだその漫画ミテェな設定。因みになんで爆発してんだ?」


「昨日達海の隣で寝れなかった苛立ちで…」


それで爆発したってか。随分と凄い能力で、それだけで金儲けができそうだ。


「んじゃ3人とも顔洗ってこいよ」


「「「はーい」」」


………

……


「寝起きで裸エプロンというのは、刺激が強すぎるから良いと思ったのよ。でも、ただ単純の裸エプロンでも刺激は強いはず!!」


「何バカな考えしてんだよバカ姉貴!!ちょっ!!こっちくんな!!」


ハル姉は裸エプロンを身につけて俺にジリジリと近寄ってくる。ソファを盾にしてなんとか耐えているが、それも時間の問題だ。


「美貌の魔女と呼ばれた私が裸エプロンを身につけて擦り寄るなんて、100万円払ってでもやりたいと思う人はいるわよ?でも達海はタダなんだから、遠慮せず受け取りなさい」


「断る!!」


とまぁ、ずっとこの感じなのだ。因みに摩耶とミリアはアイスを食べながらそれを観戦している。見てねぇで助けろや!!


「裸エプロンとやらは、そんなに良いのか?達海を誘惑するなら全裸の方が良いと思うが」


「分かってないわねミリア。布に隠された肉体があるからこそ輝くのよ」


「そう…なのか?」


「さぁ?私に聞かれてもよく分からないわ。兄の話を聞いただけだから」


「ふむ…そこら辺どうなのだ?達海」


「冷静に考えてねぇで助けろや!!ちょっ!!ああああああああ!!!」


ハル姉は俺をホールドした。




実際、凄い良い匂いがしたし、気持ちよかったです。


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