第17話

突如ハル姉に用意してもらった布団。それをリビングで広げて4人が寝れるようにしたが、3人がバチバチと火花を散らしている。


「私が達海の隣だ。王様は私だぞ?」


とミリアが告げる。あの地獄の王様ゲームでは、確かにミリアがそうだった。


「範囲は指定してないんだから誰が隣でも別に良いでしょ?でも私は達海のお姉さんだから、ストッパー役として隣で寝るの」


「最近ずっと達海に発情してきてヤバイとか相談してきた人がストッパーなんて笑わせるわね」


「嘘だろ…ハル姉そんなこと…」


流石に引いた。うん、引いた。

ハル姉から少し遠ざかると、必死に否定する…かと思ったら開き直りやがった。


「えぇそうよ!!好きな人に発情して何が悪いのよ!!タツだって私に欲情したことが無いとは言い切れないでしょ!?」


「うぐっ…」


確かにそうだ。姉という認識が強いハル姉だが、さっきの風呂突撃だったり、以前のキスだったり、男として欲情しない方がおかしい。


「まぁそれでもハルカほど万年発情期ってわけでもないと思うが」


ミリアからのありがたいフォローに「そうだそうだ!」と援護する。やばい、俺も深夜テンションで頭がおかしくなってきた。

そして最終的に3人は公平にジャンケンを行った。


「大・勝・利!!」


「ふっ、当然だな」


勝者は1番危ねぇハル姉と、俺に襲いかかった過去があるミリアだった。摩耶はまるで、この世の終わりのような顔をして居る。

流石にかわいそうなので声をかける。


「ま、摩耶?その…」


声をかけたは良いものの、どう慰めたら良いのか分からず言葉に詰まる。


「ふっ…ふふっ…慰めなんて要らないわよ。敗者は大人しくしておくのが1番だものね。だけど…」


「うおっ!?」


布団に強引に押し倒され、俺の左腕に摩耶の胸が押し付けられながら抱きつかれる。


「おい…!」


「寝る前なら好きにして良いわよね?」


「はぁ…好きにしろ…」


もう良いや。と全てを手放してしまう。だってなんやかんやこいつらに逆らえる気もしないし、抵抗するのを諦める。


「ふふっ…達海…」


そう言ってより一層抱きしめる力を強くする。


「ぶぅっ…」


「むっ…」


ミリアとハル姉が同時にジト目を向けて、摩耶が俺に抱きつく。その時間は1時間にも及び、軈て消灯時間となるのだった。


〜〜〜


「はぁ…」


漸く落ち着いて寝れると思い、目を閉じる。すると、ハル姉の方がガサガサと音を立て、「あ…」と声を出し始めた。まぁ特に気にせずにしていたのだが、10分後にはとんでもないことになっていた。


「あ…タツ…いや…ご主人様…私にその太いおち」


「なんつう夢見てんだコラァ!!」


それ以上はゼッテェ言わせない!!ハル姉に枕をぶん投げてそれを阻止する。


「あんっ…これはこれで…いいわね…」


ハル姉が普通にやばい夢を見ていそうな気がするが、もう無視して寝てしまおうと再び毛布を被ると、ツンツンと背中をつつかれる。


「ん?ミリアか。なんかあったのか?」


ミリアの方を振り向くと、小さく目を開いたお姫様のようなミリアがあった。


「んんっ…達海…」


「はぁ!?」


子供のように俺に抱きついて、俺胸にミリアの巨大な2つのたわわが当たる。


「ちょ…あ…ミリア…」


「えへへぇ…達海体あったか〜い」


(誰だよこいつ!!)


いつもの女騎士みたいな口調のミリアの姿は何処へやら。しかも、俺の息子はずっと耐え続けたこともあり、今はそろそろ限界が近い。


(静まれええええええええええ!!我が息子おおおおおおおおおおおおっ!!)


そんな時間が3時間程続き、俺が漸く寝たのは深夜だった。

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