第14話・お泊まり会パート2

「どうどうタツ。これなんて可愛いと思うんだけど?」


水着売り場でハル姉が見せたのは真っ黒なビキニ。正直似合ってると思うが、彼氏でも無い俺に相談するのはどうかと思うぞ。いや、多分好きだから相談してんだろうけど。


「似合ってる…と思う」


男の立入禁止区域に連れ出したこの3人には後で罰を与えて良いだろう。


「ふーん…達海はそんなえっちぃのが好きなんだ?」


「ちっげぇよ!!」


摩耶の言葉を思いっきり否定すると、今度はミリアがこっちに向かって駆け出した。


「達海!こ、これは…殿方が喜ぶと聞いたのだが…本当なのか!?」


「ぶふっ!」


ミリアが持ってきたのは黄色で統一されたマイクロビキニ。んなもん着せられる訳がねぇだろ!!


「あ、良いわねこれ。達海を落とすにはやっぱり正当な胸の暴力が1番だと思うの」


「何それ?胸が1番小さい私への当てつけ?」


摩耶はハル姉を睨んだ。その目はすっごく殺気が篭っていたが、全く動揺しなかった。


「あら、そう受け取ったの?ごめんなさいね。でも…それは被害妄想なんじゃない?あ、ブラも買っとこ〜、最近また大きくなったし」


「ふぐっ…」


トドメをぶっ刺し、摩耶は崩れ落ちる。その目には涙を浮かべて、完全敗北した様子が浮かんだ。流石にかわいそうなのでフォローをする。


「ま、摩耶…大丈夫だぞ?巨乳がいいってわけでもない。寧ろ平均的な大きさだからいいって言う男子も居るんだ。俺は摩耶の胸も良いと思うぞ?」


思い返せば完全なるセクハラ親父の発言だったのだが、その言葉で摩耶は子供のように無邪気な笑顔で抱きつき、俺の顔を胸に埋めさせた。


「うごっ!」


「そ、そんなこと言われても……嬉しくないわよ…!!えへへ…」


スッゴイ笑顔になっているので、全くもって説得力がなかった。


………

……


家に帰った俺と摩耶、ミリア、ハル姉だったが、時計の時刻は既に6時を超えている。しかも、最初3人がもってきたのは荷物はかなり大きかった。まさかとは思うが……。


「な、なぁ3人とも。まさか今日泊まるつもり……じゃねぇよな?」


『………』


3人は黙って目を逸らし、俺はハル姉に無言で問いただすと白状してくれた。


「しょ、しょうがないじゃない!!抜け駆けはダメってことで私だけが泊まるなんて出来なかったし!」


「つかダメだろうが。一人暮らしの男の部屋で1つ屋根の下で泊まるとか…もっと警戒心を持て」


「残念ながらこの3人共、達海になら襲われても良いと考えてるから無理ね」


こんな反論をされるとは思わなかった。しかもそれを言われた2人は動揺するそぶりすら無く、寧ろどこかそれを期待しているような表情が、俺の反論材料を無くす。


「ったく…一晩だけだからな」


「分かってるわよ。じゃあ早速だけど、お風呂にしましょっか」


もうそこで話が終わると、もう諦めもついてその会話に入る。


「そうだな。お前らから先に入るか?」


「いやいやぁ…達海が先に入るから意味があるんじゃない」


取り敢えずだが、湯船に浸かるのは辞めておこう。シャワーで済ませろと俺の本能が告げていた。

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