坂出の少女 17

「こんにちは。どんな具合?」


「ありがとう。大分良くなったわ」


彼女の左耳には大きなガーゼが当ててあった。


「耳の病気だって?」


「ええ。中耳炎なの。でも、手術したからもう大丈夫よ」


「痛かっただろう?」


「ええ。痛くて泣いちゃった。そこの椅子に座るといいわ」


「うん」


僕は椅子を彼女の枕元に持って来た。


「これ、千羽鶴なんだ。一生懸命折ったんだ。僕が君にして上げられる事と言ったら、外にないから……」


「ありがとう」

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