第十章 レッドウィングの気難しい店主

  第十章 レッドウィングの気難しい店主

    セルリア歴5333年蟹の月一目


 僕がフィジマールでラーメンを食べている最中でも、ニコラ2号において自動テストは粛々と実行されていた。お腹がパンパンで歩くのもやっとという体調を押して急ぎ足でニコラ2に戻ってくると、とっくに完了していても良いはずのテストは、未だ七割程度しか完了していなかった。通常は一時間程度で終わるテストにもかかわらず、ゆうに二時間近くも時間を費やしていたのだ。しかも、その状況は芳しく無かった。ある程度予想はしていたことなのだが、想定以上に酷い有様だったのだ。ログをチェックすると、大量にエラーを吐き出していた。エラー内容についてざっと見たところ手が施しようも無いほどの重大な物が多数見つかった。正直、これは相当、深刻な状況で、高確率で故障を示唆しているものだった。

 前にも述べたが、このテストは一度の実行で、ニコラ2号にあらゆる部分に異常が無いかスキャンする。ポイントごとに一度でもパスすれば、そこのポイントは問題無いと判断して、二回目はテストしない。だが、一度でもフェイルすると本当にフェイルかどうかを確認するため何度も繰り返しテストを実行する。そのパス・フェイルの頻度によりさらに、条件を変えて同じテストを繰り返す。そのことによってチェックの信頼性を上げる仕組みになっている。

 数パーセントのフェイルであればテスト上の問題の可能性もあるが、さらに比率が上がり二桁台になると、もう無視できるレベルでは無く、潜在的に何らかの問題を抱えていて、走行途中で支障をきたす確率が上がる。そこでフェイルポイントに関してさらに詳細なテストを実行し、故障箇所と原因を特定する。特定ができればそこの部分に対し修繕をするだけだ。

 だが実際はそんなに単純では無い。たとえばフェイル百%になった場合、故障部分はそこのブロックなのは間違いないが、こういう場合は大抵、他のブロックが故障の引き金になっている。だから、この故障ブロック以外に、そこに影響を及ぼすブロックの異常もスクリーニングしなければ、原因を突き止められず問題を根本的に解決するには至らない。

 例えばコンピュータユニットが百%フェイルとなった場合、単純に考えれば、ここを交換すれば問題解決と判断してしまうが、それは間違いで、他の理由、例えば別なユニットのリーク電流が原因でチップに過電流が流れて故障になる可能性があるのだ。そうすると、何度コンピュータを交換してもまた故障するわけだから無駄となる。

 だから、百%フェイルで故障ブロックが判ったとしても、本質的な問題は別の部分という可能性も検討すべきであり、そこに影響を与える他のポイントでのフェイルが例え数パーセントでも見逃すべきでは無いのだ。

 だが、今回の場合は異常部分があまりにも多すぎて、とてもここでスクリーニングなんてやってられない。それをするにはラボのガレージで専用のマシンでテストするべきなのだ。しかし今の状況において、そんなことは不可能である。僕は限られた計測機器とコンピュータで原因特定をせざるを得なかった。

 手始めに僕はログを自分のノートPCにコピーして手製の解析プログラムに読み込ませた。こうすることで解析プログラムでログ中のデータ、測定値を拾ってヒストグラム、つまり正規分布図にする事で問題が可視化できる。限られたデータでの解析ではこれが限界となる。こうして解析した結果、問題となる部分は大きく分けて二つに絞り込まれた。

 一つは部分はDCUと呼ばれるコンピュータでニコラの運転機能を担っている部分で、一部のファンクションは機能するがセンサーからの入力に問題があった。おそらくアナログ入力端子か、ADコンバーターに問題がある。センサー入力が正常で無い場合は自動運転機能はほぼ壊滅だ。たぶん出かけに発覚したイメージセンサーの異常に関連があるのかもしれない。幸いにもDCUはスペアがある。交換で済むならボンネットを開けて交換するだけだからさほど深刻ではないが、先程述べたとおりに他のパーツに問題あって故障が再発する懸念がある。DCUはスペアが一台のみ。劣化するスピードが同じだとしても王都にたどり着けない。

 もう一つは、さらに深刻な箇所で、自動車のエンジンに当たるFCUだ。ニコラはこのFCUで燃料電池をコントロールして発電しているのだが、ここがやられると、発電が止まりバッテリーに蓄電された電力のみで動くしかない。このバッテリーはフル充電で百キロメートル程度は走行可能だ。もし此処に問題があったなら、出発してからここまでほぼバッテリのみで動いてたと言うことで辻褄が合う。普通ならFCUに異常がある場合は直ぐにモニターに異常を知らせる警告灯がつくはずだが…。ログを詳細に確認すると、不自然なところが見つかった。FCU周りの異常が全く出力されていないのだ。念のためFCUファームのバイナリを正規のものと比較して見ると、アドレスの一部で一致しない。FCUのファームウェアが書き換えられている! やられた! 誰かがログ出力あたりのコードを書き換えたのだ。犯人については予測はつく。篠田しかいない。彼奴は他のメンバーには無い権限とスキルがある。最悪なことにFCUに関しては替えのパーツは積んでいなかった。満充電のバッテリー走行距離は百キロ程度あるから、異常を発見(もちろんファームにバグや悪意のある小細工がされていない場合に限定されるが)して帰還するまでには充分だと言うことと、使用可能FCUの在庫が少ない為だ。今は燃料電池の性能アップに注力しているため、慢性的に実験用の在庫が不足している、テスト走行で予備機を持って行けるほど余裕がないのだ。

 すでに午前二時を回ろうといしているが、徹夜してもこの状況を打破することは無理だ。朝になったら秋津さんに連絡してみよう。良いアイデアがあるかもしれない。結局のところ、車が正常になることもなく僕は眠りにつくしか無かったのだ。

 

 翌朝、通りを走るホルセイのけたたましい鳴き声と足音で目が覚める。日はとうに昇ってじりじりと照りつける。初夏の日差しはまるで僕を鋭い険で刺している様だ。時間はすでに十時近く。

 秋津さんに連絡をすると、至急修理プランを準備するとのことだ。但し、最悪の場合は代替のFCUを届けてもらう事になるが、早足のホルセイをチャーターしたとしても、丸五時間は掛かってしまうと言うことが懸念材料である。さらに修理時間もプラスされるから、最短でも王都に戻れるのは翌日早朝、タイミングが悪ければ、さら時間がプラスされる。だから、そこまで時間を無駄に費やすわけには行かないから、自分でできる限りのことはしようと決めた。

 先ずはFCUの故障部分と原因の特定が必要だ。このことを秋津さんに話すと、新しいファームウェアと解析プログラムをアンシブルで送るので、それをロードして実行する様に、と指示を受けた。

 前にも話したけどアンシブルと言うのはトランシーバーのような通信機器なのだが、遙かに進化した物で、長距離通信だけでなく、無線LANの様にデータ通信も可能なものだ。これはガレス王立研究所きっての天才エンジニアであるドクタースポッツによって開発されたものだ。僕は未だ彼には会ったことが無いが、噂によると他の星から召喚された異星人らしい。白く長い髪と尖った耳を持っていて、レゴラ○とかミスター○ポックとかいくつかの別名で呼ばれている。勿論、エルフでもバルカン星人でも無い。さすがに元の世界の携帯電話網のように百GBPSと言うような高速通信は難しいが、一昔前の携帯電話やPHS程度のスピードでの通信は可能だ。PHSなんてせいぜい128kbps程度だから、二十一世紀の100Gbpsから比べると絶望的に遅いけど、何も4k動画を送るわけじゃ無いのだからこれで充分。それにプログラムサイズは数MB程度で其程大きいわけでも無いから、転送にもたいして時間が掛かるわけでは無い。だが、逆にデータを送るときはサイズが膨大になる可能性があるから余計なデータを送らない様にしないといけない。

 やがて、秋津さんからプログラムバイナリが貼付されたメッセージが届いた。プログラムサイズは意外に小さく、ダウンロードは直ぐ完了し、早速ファームをFCUにダウンロードしてして、同じくアンシブルでダウンロードした解析プログラムを実行する。意外なことにFCUは全くの正常だったが、問題の本質は別の所にあるようだ。

 其処の異常データがFCUに蓄積され、FCUのスタックメモリがオーバーフローしてしまい、セーフ機能が働き、ストップするようだが、このような事態を想定していなかったから、こういった疑似機能不全を起こしてしまう。言うなればバグなのだが、全く想定していないバグだったので、エラーとして認識されてしまったのだ。通常ならこういう場合は、ある程度スタックメモリが貯まったら、フラッシュしてしまうタスクが走るだが、そこが考慮されてなかった。だが、そもそも原因が無ければこのエラー発生しない。何処か異常があってメモリがオーバーフローするのだ。そしてこのエラー原因は単にソフト的に回避出来れば良いのだが、もっと重大な問題を引き起こす可能性もある。だから、この原因は突き止めておかないといけない。

 解析結果を詳細に調査していくうちにあることが判った。エラーはユニットの特定の場所で集中して起こっている。という事はこの部分に物理的に何かの障害が発生していることが示唆される。ここまできたらFCUを外すしか無い。マウント部分に何か異常があるか、あるいはパッキンが破れて水が浸入している可能性もある。

 僕は工具入れを持って、さっそくニコラ2のボンネットを開けるために、偽装した馬の人形の中に入り込んだ。偽装する為とは言え、この馬の人形があるために、ボンネットを開けるだけでも一苦労だ。しかも最悪なことに、作業をするためのポジションも確保できない。おまけにボンネットは全開することも出来ず、中途半端に半開きにしか出来ない。おかげでFCUがマウントされている部分を探すにも記憶と勘を頼りに手探りで探すしか無かった。

 かれこれ三十分くらいだろうか、ボンネットの下をアクロバティックな体勢で探り続け、ようやくそのアルミダイカストで出来たユニットを探り当てることが出来た。しかし、困難はまだ続く。こいつを取り出すためにドライバーでネジを外し、さらにこれの巨大なCANハーネスコネクター(自動車で一般的に使われる電装用コネクタ)を外さなければならない。僕は一時間近く費やして、ようやくこいつのネジとハーネスコネクターを外した。手は真っ黒に汚れ、あちこち青あざや切り傷、引っかき傷が残っている。それだけ、これを外すだけに難儀していたのだ。

 見たところFCUの外観には問題はなさそうに見えた。だがコネクタの或部分が熱で溶けたかのようにゆがんでいる。これはショートか何かで大電流が流れていた痕跡だ。下手をすると内部回路にダメージがあるかもしれない。僕は取り出したユニットのネジを一つ一つはずしてユニットのケースを開いた。だが、意外なことに中の基板には全く影響は見当たらなかった。恐れていた最悪の事態に至らなかったので、すこしほっとはした。

 だがコネクターが溶けかかっていると言うことは、それだけ異常な電流で発熱していたと言うことになり、一歩間違えれば確実にダメージを与えていたのだ。歪んでたC—13あたりのコネクタ周りに異常があるか目視で確認してみるが、歪んでいる以外に特に目立った異常は無い。該当ピンが何の信号かFCUの仕様書で確認して判ったが、此処はNC《ノーコネクト》ピンだ。どこにも繋がっていない。何処にも繋がっていなければ基板にダメージを与えないし、ショートもしようが無いので、コネクタが歪んだ理由がわからない。

 仕様書をみると、隣のピンはが十四Vの電源ピンだ。自動車のバッテリーから来る。この電源ピンとこのNCピンがショートしてるのは確かだが浮いているピンと電源がショートしても何も起こらない筈なのだが。ただ、NCピンでもワイヤーハーネスの線は配線されていることがある。しかもノイズ対策で接地されていることも多々あるのだ。とすると電源と接地線がショートすることはあり得る。

 僕はテスターでハーネスコネクタのC—13とGND間をあたってみた。案の定ショートしているのだが、微妙に抵抗成分も持っているのだ。ワイヤーの被覆が剥がれてショートしているのかもしれない。だとするとかなり面倒だ。

 ワイヤーハーネスは自動車の神経節。それこそ車体全身に張り巡らされている。ハーネス間でショートしているとすると場合によっては特定することは難しいし、もし特定できたとしてもラボに持っていかない限り、交換もままならない。それにたまたまC—13でショートしていることを見つけたが他のピンでも似たようなことが起きているかもしれない。   

 僕は状況を秋津さんに説明しログを圧縮ファイル形式にして送った。だが、ファイル圧縮しても五十MBと受け取ったプログラムファイルのサイズの約十倍近くある。通信時間も同様に十倍とすると、およそ一時間は見た方が良い。さらに秋津さんがファイル解析する時間は少なく見積もっても約一時間で、合計二時間は手が空いてしまう。この時間が非常に勿体ない。ただ手をこまねいているわけにもいかないから、とりあえず使ってない例のC―13の配線をカットして確かめることにした。使ってないから問題ないはずだ。あそこで過電流が流れなければとりあえずFCUのエラー消える。

 僕は配線カットする為にニッパーを取り出そうと工具箱を開けたが、ニッパーだけ影も形も見当たらない。おかしい、さっき見かけたはずなんだが。工具箱をひっくりかえして再度探してみたが、やはり見つからない。一瞬、これだと思えるものがあったがそれはラジオペンチで、ニッパーではなかった。ニッパーが無いと配線をカットできない。ナイフでもカットできないことは無いが隣の配線も傷つけてしまう懸念もある。そうするとショートなど別の問題を誘発してしまうことになるから、あまりやりたくは無い。どうしたものかと考えあぐねていると、秋津さんから僕のアンシブル端末に着信があった。

「萩野くん、聞こえるか? ちょっと試してほしいことがあるんだが、今話大丈夫かい?」

「ええ、大丈夫です。でもログデータはまだ転送中ですよ」

「ああ、わかっているよ。ただログの転送完了前にちょっと時間勿体ないから、少し(データを)抜き出してみたんだけど、何となく(原因の)アタリがついたんだ」

「え? ほんとですか?」

「まだ、はっきりとはしないんだけど、FCUからセンサーにつながる部分のテストでちょっと特徴のあるエラーパターンがあるんだ。もしかしたら、センサーユニットに何らかの問題が発生していると思うんだ」

「具体的にはどのあたりです?」

「まだピンポイントでそこが悪いとは言い切れないけど、試してみる価値はある。ちょっと面倒くさいんだけど、すべてのソケットからCAN(自動車の通信規格。信号線は差動方式でプラスとマイナス二つの線で一組となっている)信号ラインD—14、D—16のワイヤーをカットして、フローティング(どこにも繋がっていない状態)にして欲しい」秋津さんの話を聞いて正直びっくりした。

「しかし、判っているんですか? 其処をフローティングにしたら、車は動きませんよ」CAN信号をカットするなんて馬鹿げている。だってこれは重要な信号線だ。カットしたら必要な信号がやり取り出来なくなり車が動かなくなる。

「判っている。とりあえず問題の切り分けをしたいんだ。CAN信号線は直ぐ最結線できるように、切断したワイヤー両端にはギボシ(自動車の結線用コネクタ)をつけて直ぐ結線可能な様にしておいてほしい。ギボシのストックはあるよな?」

「大丈夫です。有ります。ただ二十セット程度ですが」

「それだけあれば十分だ。じゃ早速、取りかかって欲しい。俺はその間にCAN関連のテストをマスク(結果の合否に関わらず無視すること)したコードを書く」

「ちょっと、待って下さい。僕も隣の信号線C—13が怪しいって踏んでいて、配線をカットするつもりだったんですが、生憎ニッパーとか無くてどうしようかと思っていたんです」

「は? ニッパーが無い? なんで持って行かなかったんだよ!」

「すみません、前は車載工具箱にあったはずなんですが、誰かが出発の前に持ち出したらしくて」

「予備も無いの?」

「ええ、自分の手持ちも無くなっていて」

「ああ〜あ、なんてこった。ニッパーなんかで苦労するとはね。なんか代わりになるもんないの? ナイフかとハサミでも良いんだけど」

「すみません。ハサミは持ってきていませんでした。あと、ナイフは有るんですけど、配線カット時に他の線にダメージを与える可能性が有るんで、正直使いたくないんですけど」

「うーん、そうだな。ナイフはちょっと危険だよな。ニッパーが無ければナイフでも何でも使わざるを得ないだけど」

 ここで、秋津さんは暫く考え込むように黙り込んだ。だが数十秒と経たぬうちに、

「…、ああ、思い出した。レッドウィングの街に工具は売っている所がある。ニッパーは無いかもしれないけれど、ハサミ類は売っているはず。そこから歩いて十分か十五分くらいだ。地図データを送るからちょっとひとっ走りしてきてくれ」と話して、一方的にアンシブルの通話が切れデータモードに切り替わった。

 受け取ったデータは急いで書いたような殴り書きの絵。マウスかタブレットに殴り書きした雑な地図だ。きっと急いで書いたのだろう。店の場所はここから、南西に向かった場所だ。ランドマークにフィジマールがあったのに驚く。秋津さんも此処に来たことがあるんだろうか? 僕はその地図をズボンのポケットに忍ばせ、レッドウィングに向かってひた走った。


 レッドウィングの街に来たのは初めてだった。古くからケイブボウルへの玄関先で、そことの交易で栄えていたとの話どおりの古い街で、中央広場のいくつかの建物を除き、建物は築三十年以上経っている年季が入ったものが殆どだ。中には百年くらい経っている建物もあるように見受けられた。それに、ちょっと中央広場から外れただけで大小の飲食店やいかがわしい店も建ち並んでいて、ごろつきのような輩が昼間から客引きをしており、治安は良いとは言いがたかった。それでも北側のケイブボウルにより近い広場の西側は比較的、いかがわしい店は少なく、日用品や飲食店がならぶマーケットがあるのみで、さらにマーケットの北側はいわゆる日本の小学校に当たる王立学校もあり、比較的平素な住宅街だった。

 秋津さんに教えて貰った、工具屋はそのマーケットの端にあった。だが生憎、開店時間には少し未だで店の扉は閉じられたまま。時計を見ると、もう十時を回っている。来る途中にあった衣料品店や八百屋はもうとっくに営業していたのだが。生活必需品でもないから開店が遅いのか、はたまた本日休業なのか、最悪のケースは店自体が閉業しているかだ。そうなると少しやばい。とりあえず最悪のケースを避ける為に店が潰れてないことだけを確認しておかないといけない。辺りを見回してみたが、生憎子供くらいしかいない。子供に聞いてみても埒が明かない。店の営業を確認するためには大人、地元住民ではないと無理だ。適当な地元民らしき人間がいないかどうか、その店がある一角をぐるりと回ってみた。ほかにも店らしきものは有ったがどうもこちらはどれも休業状態だ。ただ、工具屋と異なり、一応は張り紙や売り物件などの張り紙などはしてあるから、まだわかりやすいが。

 一軒だけ飲食店だが開いている店があった。シイナ料理店の店だ。店前で開店準備をしているようで、中年の女性が椅子やテーブルを出したり、掃除用にバケツに水を汲んでる。

「すみません、ちょっと聞きたいことあるのですが?」僕が彼女に話しかけると、何か犯罪者を見るような目つきで僕を睨んでこう言った。

「何? 今忙しいアルよ。お客じゃ無いななら、後にするアル」ちょっと怖そうな感じだ。こんな店員がいる店では食事したくないなあ、と思ったが、今は食事しに来たわけでは無いし、単に工具店について確認したいだけだ。

「あ、すみません。実はお手間は取らせません、実は此処の裏にある、工具店に用があるんですけど、そもそも潰れたりしてないですよね?」と尋ねたが、僕がお客じゃ無いと知ると、つっけんどんにこう言い返してきた。

「ハア? そんな事聞かれても知らないアルよ! お客じゃ無いならとっとと帰るアル!」

 はぁ、聞く相手を間違えた。それにしてもこんな言い方されるとへこむ。僕は追い返されるように店から去り、もう少しまともそうな人を探した。シイナ料理店のある角を右に曲がった路地に入ると、ますます、人気がなさそうな路地に出た。人気どころか店もなにもなさそうな裏通りだ。左手に馬車かなにかの修理工場がある。ひょっとしたら此処で何か工具を貸してもらえないだろうか? 僕はそんな淡い期待も持ちながら其処に近づいたが、どうも此処も営業してないらしい。店にある工具や馬具が埃まみれだ。こちらは相当前から営業してないようだ。

 僕は諦めて引き返そうとしたときに、その修理工場の向かい側に白い暖簾が掛かっている店があるのを見つけた。なんの店だろう? ラーメン店のようだが、店前まで行くと驚いたことに柱の陰にずらっと数人の行列ができていた。いまさっきまで全く気が付かなかった。ひょっとしたらこの中に工具やの事を知っている人が居るかもしれない。僕は些末な期待を抱いて行列に並び最後尾の人に尋ねた。

「すみません、ここの裏に有る工具店に用事が有るんですが、営業しているの見たことありますか?」

 尋ねられた最後尾の客は一瞬何のことか判らなかったようだが、

「いやあ、私は此処の土地のものではないので、すみません(わかりません)」と期待を打ち砕く答えを返した。期待はしてなかったが、想定通りの答えで少しがっかりした。だが、

「俺は見たことあるよ」と二人前にいた客が答えた。しかし、次に返ってきた言葉は、

「一年以上前だけどね」と、さらにがっかりする回答だった。そして、その客は話を続けた。

「最近は違うけど、以前は其処の前を通って帰ってたんだ。帰りにカントーニの店で一杯引っかけてから帰ってたからね。だけど医者に飲むなって言われた一年前から、そっち周りで帰ったことは無いから、今は知らない。もともと此処で昼食べ終わった時間くらいに扉が半開きにする位だから、そもそも店始める時間も遅いんさ」客の男はでっぷりと太った腹を揺らしながら言った。

 なるほど、開店時間も遅いのか。だが、そうだとすると開店時間まで暇を持て余してしまう。待っている時間が惜しいと感じた僕は少し早いが何処かでブランチでもとっておこうと決めた。そう言えばこの店は何の店だろうか? ラーメン屋さんに見えるが。

「ここは何のお店なんですか?」太った男に尋ねた。

「兄ちゃん、そんな事も知らないで並んでいたんか? ここはラーン屋だよ」男は呆れた風に答えた。

「ラーン屋って?」思わず僕は聞き返してしまった。

「お前、ラーンも知らんのか?」見るからによそ者に見える僕に男は目を見開いて答えた。

「ラーンは知ってますけど、レッドウィングにもあるなんて知りませんでした」ラーメン屋さんはブクログでよく調べているが此処の店はノーマークだった。僕の知る限りこの周辺にあるラーメン屋さんはフィジマールくらいだったからだ。

「レッドウィングを馬鹿にしとるな?」地元住民なのだろうか? 彼は少し怒っていた。

「いえ、そんなわけでは」見た目はそれほど怖そうな人では無かったが、念のため怒りを買わないように努めて冷静に対応した。

「まあ、いい。この店はそんじょそこらのラーン店とは違って、とても美味い麺を食わせてくれるんだ。お前、フィジマールって知っているか?」少し機嫌を治してくれたようで、すこし落ち着いた調子で話してきた。

「知ってます。実は昨晩食べました」

「知っているなら話が早い。最近は若いやつの間でブックログやインストグラン映えするとかで、あのチョンモランマーとかいうのが流行っているけど、おれから言わせれば、あんなのラーンじゃ無ぇ。あんなのワブのエサだ」この人も相当なラーメン好きみたいだだなあ。僕みたいな見知らぬ人間に語り初めて来た。

「一部ではそんな意見もありますね」たしかにあの見てくれは家畜のエサのようだが。

「だろ? あの汚い盛り付け見ただけで食欲なくすわ。おれも一度食いに行ったことあるけど、脂っこいし胸焼けするし、それにあの生煮えの麺。食えたもんじゃねえ。あまりにも口に合わんから残したら、今度は食える量だけ頼めって怒られたわ」それってアンタこそがインスト映えするからってあり得ない量頼んだからでは? と突っ込みたくなった。

「だから、あの店は二度と行かない。それに比べこの店は仕事は丁寧だし、味も美味い。何より麺があそこみたいな生煮えとは訳が違う。つるつるもちもちで美味いんよ」彼が話し終えた直後、前客ぞろぞろと出て行き、行列は一気に進み、僕が最前列になった。何がお勧めか全く判らなかったから、もう少し話を聞きたかった。でも、ずいぶんな褒め方だったな。それなら期待させて貰うとするか。

 行列の先頭になってから気が付いたのだが、入り口の扉に何やらいろいろ書いた紙が貼ってある。

 一つはメニュー。


【ツケ】

ツケ

ソイツケ

半肉入りツケ

肉入りツケ

ソイだれ

大盛

メーンダブル


【ラーン】

ラーン

チャシューメーン

バラ肉メーン

ミックス肉メーン

乱切りチャシューメーン

乱切りチャシューメーン・肉小

半チャシューメーン

半バラ肉メーン

半ミックス肉メーン

スープメーン

大盛

メーンダブル


 そして、メニュー意外にもいろいろ張り紙がしてあって、金貨での支払いはご遠慮下さい、おしゃべり禁止など。

 これまで行ったことのあるラーン店と異なりメニューが多い。他の店はせいぜい醤油、味噌とあって、後は量とトッピングの有無くらい。それにつけ麺とかまぜそばとかあるくらいだけど、ここは二十種類以上もある。特に肉に対するこだわりがあるのかチャーシューの種類も多い。

 バラ肉メーンはきっと名前のとおりだろう。一方、チャシュー麺はバラ肉とは異なる別の部位だと思われる。ロースだと良いけど、もも肉は固くて好きじゃ無いから勘弁して欲しい。ミックスというのも気になる。名前からして異なる部位の肉をミックスした物だと想像出来る。乱切りはチャーシュー肉をざくざくと乱切りした物か? 切り方によっては固い肉も歯ごたえがあって美味しく思えるかもしれない。

 さてどれにしようか? チャーシューが好きだからチャシューメーンにしようか? 待てよ、他にもバラ肉メーンもあるしなあ。それに乱切りも超気になる。だけど、此処はミックスにしておこう。これならどっちのお肉も味わえるし、失敗したなんて事にもなるまい。両方の肉が好みでは無いということも無いだろうからリスク回避にもなる。あとはオーソドックスにラーンにするかツケにするか。でも、答えは直ぐ決まった。いつもは初めて行く店ではオーソドックスにラーンにするのだが、今日は凄く暑い日だし、なにより昨晩ラーメンを食べたばかりだから、気分的にさっぱりとツケにしたかったからだ。暑い中を汗だくで熱いラーンという気分にはなれない。それにベンティーナで食べたつけ麺がずっと忘れられなかったこともある。でも、ふと嫌な記憶も頭をよぎった。ラゲートのラーンの神様の店でのように、熱い麺が出てきたらどうしよう? あの時は訳がわからず頼んでしまった所為で失敗したが、勘違いして頼んで失敗したくない。それに、ここのつけ麺がベンティーナと同じく冷たい麺だとは限らない。ひょっとしたら、釜揚げうどんの様に熱い麺なのかもしれないし。しかし、そんな事は注文の時に店主に聞けば良いこと。此処で悩む必要は無い。

 そんな下らない事を悩んでいると、いきなり引き戸がガラッと開き、百キロ越えの巨漢がぬうっと店から出てきた。そして店内に向かって振り返り、あれやこれや度必死に何かを弁明し始めた。よくよく聞けば、今日は身体の具合が悪くて残してしまった、今度来る時は万全の体制でくるから、怒らないで欲しい云々。あれほどの巨漢が残すなんてどんなチャレンジメニューなんだろうか? そもそもこの店ってそういう大盛りチャレンジ店なのだろうか? 僕は少しびびりながら、大男と入れ替わるように店に入った。

 店の中は六畳一間くらいの広さに厨房とカウンター席を詰め込んだようなとても狭い店だった。カウンターは十席もなく、狭い厨房は店主一人でいっぱいになるほどで(当然助手などいないが)他の誰も入る隙間も無い。店主は見た感じはまだ二、三十代くらいの男性で、特に偏屈そうな雰囲気でも、強面でもなく至ってごく普通の青年に見える。

「ご注文どうしますか?」

 それほど丁寧でもないがラーメン店としてはごく普通の接客だ。

「え、えっと、ミックス肉ツケラーン《・・・・・・》で」僕は焦ってしまって、しどろもどろになってしまう。

「そういうのはやってません!」と、心なしか店主の語気は強め。いや、え? だってこのメニューに書いてあるけど? 僕は確かにメニューにミックス肉メーン《・・・・》と書いてあるのを確認して見た。何が間違っているんだろうか? たまたま今日は売り切れなのか? 僕は、仕方ないので普通のチャーシューツケでお願いした。

「肉ツケでいいですね?」とまたもや少し語気を荒げる。何で、そんなに機嫌悪くするのだろうか? 僕は少しイラッとくると同時に悲しくなった。なんかとんでもない店に来てしまったのだろうか? そういえば此処の麺って温かいのか冷たいのかも聞き忘れてしまった。厨房の店主は忙しそうにチャーシューを切ったり、どんぶりを用意したりしており、今更、聞く雰囲気でも無い。 

 仕方が無いので、そのまま出来上がりを待つことにして、店内を見回す。カウンターの上には様々な調味料や薬味が置いてある。醤油、ラーメン誰、塩、胡椒は言うに及ばず、酢、唐辛子がまるごと入った辛い酢、刻みタマネギ、魚粉、一味唐辛子、ラー油。中でも刻みタマネギは大きめの容器にたっぷりと入っており、何杯でもどうぞといった雰囲気だが、面白いことに側に張り紙がある。曰く、一〜三杯は無料、三〜五杯は二百ポスクレッド、五〜八杯は五百ポスクレッド、それ以上〜容器まるごとは一千ポスクレッドだ。ただの薬味を容器まるごと入れるなんて、そんな馬鹿がいるのかとも思ったが、バイキングで食べきれない量を運んで来て、盛大に残すという馬鹿な人間が少なからず居るって事はたまに見る。かくゆう自分もバイキングではついいっぱい盛り付けてしまう方だ。ただであれば、貰えるもんなら貰っとけみたいな心理だろう。恐らく、適量は一〜三杯で、その程度ならと好意で無料にしていたが、タダなら貰わなければ損だという民度が低い人間が過去にいたのだ。それで、苦肉の策でこのようなあり得ない料金をつけたのだろう。ぱっと見た感じなのだが、容器まるごとでタマネギ一個分。百円払ってそんな多量の薬味入れる人は先ず居ないし、もし居たとしても料金が百円程度なら、タマネギ一つ分より安いから、店としては材料費くらいは元が取れる。一見、妙な価格設定だと思ったけど、裏の意図がそうだとするとこれも納得はできなくは無い。

「メーンです」と店主は僕の目の前にどんとたっぷりの麺が入ったどんぶりを置く。うむ、大盛り頼んでも無いのに結構な量だ。これがダブルだと相当な量になるだろう。さっきの男性はきっとダブルを頼んで撃沈したのに違いない。まったく食べたことも無い店でチャレンジメニューじゃ無いんだから、そんなもん頼むなよと思うのだが、自分も似たような経験あるのだから余り言えた物では無い。

「スープです」と続けてつけ汁の入った小丼が置かれる。スープは意外と小ぶりなどんぶりで来た。薄茶色のスープはベンティーナともラゲートの店とも異なる外観だ。そしてその中にはこれでもかと言うくらいに短冊状チャーシューが乗っている。いや、乗っているというより突っ込んであるといった方が正しいかもしれない。

 先ずはレンゲでスープを掬って飲んでみる。豚、鶏で取ったと思われるこってりしたスープにしっかりした魚介の香りが漂う。ベンティーナとは異なるテイストだが、ベクトルは似ている。簡単にいうとこってりと美味しいスープだ。

 スープの次は麺を食べてみよう。麺はかなり太い。太さはガレスのハウス系と同じくらいだ。これは恐らく余所で作らせた物だろう。この厨房で麺なんて作るような場所は無い。どんぶりから一本だけ麺を摘まんでそのまま啜ってみる。つるつるとした食感だが、噛むとグニグニしていてベンティーナともラゲートの店とも異なるテイストだ。この麺をつけ汁にくぐらして啜ってみたが、先ほどのこってりスープの印象と事なり意外にあっさりに感じられる。スープだけ飲むとこってりして美味いのだが、この麺にあまりスープが絡んでなくて、つけ麺としてはあっさりしすぎなのだ。簡単に言ってしまえば、不味くは無いのだがパンチが弱い。このままだとなんかいまいち美味しくないな。どうしたもんか。そうだ、そういえば目の前に調味料があるでは無いか? おあつらえ向きに直ぐ目の前にはタレと書かれた茶色の液体の入ったボトルがある。これをスープに足して見ればイケルかも。そう考えた僕は、さっとタレのボトルを取り注ぎ口を下にして、中身のタレと思われる液体を、これでもかとタレを投入してみた。少し入れ過ぎかなと思ったが、元のスープの味はかなり薄めに感じたから、そんな事は無いはずだ。

スープに麺をくぐらして、さらにチュルチュルとすすって見る。ああ、さっきより断然良いぞ! チュルチュル、美味い美味い。スープと麺の絡みも丁度良くなって良い塩梅だ。だが、これだけだと少しつまらない。せっかくこれだけの調味料と薬味が用意してあるんだ、試さない手は無い。

 そういえば、タマネギのみじん切り(ポット一杯使うと一千ポスクレッド)、これも入れてみよう。僕はみじん切りポットの蓋を開けて、中に指してあるスプーンで無料の範囲、つまり三杯掬ってつけ汁の中に入れた。そして、麺をくぐらしてチュルチュルと啜ってみる。シャリシャリとした食感がくわわりなんとも言えない清涼感が口中を満たす。おお、なかなか良いでは無いか? これはなかなかアリだと思う。

 続いては魚粉だ。魚粉には特に一杯いくらとかの制限は無いが、限度を過ぎて入れたら味がおかしくなる。だから、先ずはスプーン一杯で試してみる。チュルチュル。うーむ。それほどインパクトは無い。逆に味がなんかしつこくなった気がする。

 では、今度は辛い酢ってのはどうだろう? 僕は辛い酢って書いてあるボトルをとってつけ汁にドバッとかけてみる。チュルチュル。おお、美味酸っぱい! そしてピリッと辛いのが良いアクセントになる。麺をさらに摘まんでくぐらし、チュルチュル。おお、いいね。魚粉でくどくなったスープがさっぱりするから、箸が進む。

 そして、短冊切りのチャーシューも一緒に麺と絡めて食べる。もぐもぐ。チャーシューはもも肉のようで固くてわりと歯ごたえがあったが、短冊切りにされているおかげで、むしろ弱点では無く良い方に作用していた。僕はこの辛い酢とチャーシューとの組み合わせが気に入って、あっという間に麺を平らげてしまった。

「スープどうぞ」と店主は小鉢にスープを入れて僕の前に置いた。どうやら割りスープのようだ。これをつけ汁に入れて〆ろと言うことらしい。僕は反射的に何も考えずにこの小鉢のスープをつけ汁に入れて、ごくごくと飲んだ。うん、なるほどこの小鉢のスープは貰って良かった。ちょっと薄いと思ってたつけ汁もさんざん、タレだの辛い酢だの入れていたから、きっとそのまま飲むことは難しかったはずだけど、このスープを入れることで丁度良い味になった。

 スープまで完飲すると、お腹はもうパンパンになってしまい、これ以上何も入らない。普通盛りですらこの量なのだから、ましてやダブルなんてとてつもなく凄まじい量だろう。さっきの大男が残してしまうのは納得いく。

 僕は偶然発見した名店に満足して会計を済ませようと、財布を出した。此処で重大な事に気が付く。店前の張り紙に金貨での支払いは禁止と書いてあったにもかかわらず、金貨しか持って無かったのだ。案の定、店主は、

「お客さん! 張り紙見てなかったの? まあいいです。今度からちゃんと銀貨用意しておいて下さい!」と少しキレ気味に言い放った。良い店だったけど、最後がこれでは少し後味が悪い思いをしてしまって、とても残念だった。まあ、ルールを守らなかった自分のいけないのだが。

 そして、残念な事がもう一つ、結局工具店はその後も開店する気配は無かった。他に店は無いかとレッドウィングの町中を歩き回ってもニッパーの類いは入手できず、僕のお腹を満足させる以外は徒労に終わってしまった。


 結局ナイフを使ってワイヤーを全てカットしたのだが、完了したのは、夕方にさしかかろうとしている時だった。秋津さんによる新しいファームとテストプログラムで問題を切り分けてみると、原因はやはり該当のCAN信号線に関係していた。おそらく配線の何処かでショートしているのが原因という結論に至った。そして、FCUはそのショートにより、該当するCAN信号端子がダメージを受けているのだろう。現在は一応機能はしているが、おそらく首の皮一枚で繋がっている状態だ。そのままにしておくことは出来ない。

 話し合った結果、ファームでいくつかの機能を制限し、別の端子で代用できるように、することで進める事に決まった。秋津さんがコード修正を引き受けてくれた。この修正範囲はDCU等の他のコンピュータにも及ぶため、ファーム書き換え作業が完了するのにさらに夜中まで掛かった。この対策でニコラ二号はなんとか応急処置が施せたが、結局、ゴッズバレイを離れる事が出来たのは翌日早朝のことだった。

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