第22話 真エピローグ
「……き……きよ」
白い霧が辺り一面を覆っている。
「……目覚めよ……者……きよ……」
微睡む意識の中に、老人の嗄れた声が響いてくる。
「目覚めるのだ……勇者峰樹よ」
この空間は……。
「やっぱり神様か。どうだ、世界の危機とやらは救ってやったぞ」
「さすが勇者じゃ、よくやってくれた。そして、その証はもう不要じゃな」
神様は満足そうに微笑むと、俺の右手に木製の杖を向けた。
お、おお! 手の甲に刻まれた紋章が消えていく……!?
「やった……! 本当に消えてくれた……!!」
これでもうあの恥ずかしい恰好をしなくていいんだな!? ああ、最高の気分だぁ!
「ふーむ、目覚めたりはしなかったか」
「おい、今なんつった?」
殺意の湧く発言を抜かさなかったか?
「まあいい。今の俺はとても気分がいい。なにせ、これでお役御免ってわけだからな」
「しかしそういうわけにもいかんのだ」
……何か、嫌な予感がするぞ。
「神の権力争いも面倒でな。今、炎壌軍勢の神々が反乱を起こし、紅蓮の神魔衣装――ブルマの亡霊がこの世界で復活しようとしておるのじゃ」
「マジかよ」
「おぬしに頼みたいことが」
「いやだ! 絶対にいやだ!」
「そうか、わしは嬉しいぞ! おぬしならそう言ってくれると思っていた!」
「またこの流れか! やだぞ!? ブルマ穿いた男とか変態だろ!」
「ほいさ」
「掌が熱い!? いやだああああああああああ!!!」
「その紋章は世界の危機を救うまで消えはしないだろう! 戦うのだ! 勇者峰樹よ!」
「うわああああああああ!!! 勘弁してくれええええええ!!!」
俺は絶望した。どうやら俺の試練はまだまだ続くようだ。
スクール水着で世界を救ってしまった件について 御茶ノ宮悠里 @OtyanoMiyaYuri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます