第4話 好きな人の表情 2

「うーん……とりあえず、女の敵として死んだら?」


 空き教室で沙空乃さくのの本性を目の当たりにした後。

 文芸部の部室にて。

 長テーブルを挟んで向かい側に座る一年生の女子……より正確には、一つ下の妹である伊賀崎いがさきいろりから、俺はそんな暴言を吐き捨てられた。


 昨日からの一連の出来事について相談してみたら、この返答である。

 沙空乃が実は重度のシスコンであることについては、別れ際に「くれぐれも、余計なことを他人に漏らしたりしないでくださいね?」と恐ろしく迫力のある笑みで釘を刺されたので、言わなかったけど。


「耳が痛い話だけど……一応、真面目な相談なんだ」

「……まあ、しょうがないから乗ってあげるけどさ。お兄ちゃんには、炉と公彦きみひこくんとの仲を取り持ってもらったし?……恋愛相談ならお互い様って感じ?」

「そうか……とりあえず、助かる」


 松葉まつば公彦きみひこは、俺のクラスメイトで、幼馴染の親友だ。炉とも昔から仲が良く、去年から二人は付き合っている。

 公彦は高校生ながら人気小説家として多忙な身なので、最近は一緒に遊ぶ機会が減っているらしいし、学校にもたまにしか来ないけど。


「で? 間違えて陽奈希ひなき先輩に告白して、そのまま付き合うことになっちゃって、しかも沙空乃先輩から釘を刺されて別れにくくなった、と……ぶっちゃけそのまま付き合うんじゃ駄目なの?」

「いやいや、お前は俺の話を聞いてなかったのか?」

「だって炉もお兄ちゃんは陽奈希先輩のことが好きだと思ってたし、現にいつも一緒にいたし」

「それはどちらかと言えば向こうから近寄ってきてたからで……」

「そもそも双子だから見た目的にはほとんど同じようなもんじゃん。なんか問題あんの?」 


 炉は平然と、とんでもないことを言ってくる。


「お前は自分の兄が、そんな雑で節操ない考えの奴でいいのか」

「や、既にだいぶクズじゃん?」


 きょとんとした顔で、炉は首を傾げた。

 黒のポニーテールが、頭の後ろで一緒に揺れ動く。


「大体、今の時期にわざわざ沙空乃先輩に告白するとかさ。どうせ文化祭前に彼女作って一緒に見て回りたい、せっかくだから校内のアイドルを……みたいなミーハーな理由でしょ?」

「……そんな理由じゃねえよ」

「沙空乃先輩とは、高校生活の中で『妹の彼氏』ってきっかけができるまで話す機会すらなかったんでしょ? ミーハー以外になんかある?」

「確かに関わる機会はなかったけどな……高校生活の中では」

「なにその……高校生活以外では機会があったみたいな言い方」

「実は……昔、小さい頃にな」

「え、なにそれ初耳なんだけど」




 そう。

 実は俺は、幼い頃に天宮あまみや沙空乃と会ったことがある。

 あれは田舎に住む父方の祖父母がまだ健在だった、小学三年生の夏休みの時だ。

 元々は家族全員で遊びに行く予定だったのが、炉の持病である喘息が悪化したため、両親は残って看病をすることになり、急遽俺だけが祖父母に預けられたことがあった。

 兄としては子供ながらに妹の容態が心配な中で、無邪気に楽しむなんて気分でもなかったから、ずっと仏頂面をして何もない田舎を目的もなくブラブラと散歩して過ごしていたんだけど。


 そんな時に話しかけてきた、同い年の女の子がいたのだ。


 ――あなた、そんなにつまらなそうな顔してどうしたんですか?


 世間から半分隔絶されたような土地柄には明らかに浮いている、日本人離れした銀色の髪に、自分と同じくらいの子供らしくない丁寧で物腰の柔らかな口調。

 とても、印象的だった。


 彼女は一人でやることもなく過ごしていた俺の話を聞いてくれた。


 ――あなたがしょぼくれてたら、おじいさんやおばあさんまで悲しんじゃいますよ?

 とか。

 ――妹さんだって、自分のせいであなたが楽しめなかったら、悪いことをしちゃったと思うかも。

 とか。

 ――それにここには面白いものがたくさんあるんです。楽しまなきゃ損ですよ?

 とか。


 励ましてくれて、手を差し伸べてくれて、一緒に遊んでくれた。

 滞在していた一週間ほどの間、森で虫取りしたり、川で水浴びしたり、夜に星を見たり花火をしたりと、田舎を遊び尽くした。

 その中で、彼女も祖父母の家に一人で遊びに来ているとか、双子の妹がいるけど今回は一緒じゃないとか、そんな話を聞いたりもした。

 しかし肝心の名前は、『さーちゃん』という、彼女のおばあちゃんが呼んでいたあだ名しか知らなかった。

 

 そんな、幼い日の思い出が、俺にもあったのだ。

 以来、その時の女の子に対し、漠然と憧れみたいなものを、持ってはいた。




「へー、お兄ちゃんにもそんな過去が」


 俺がひとしきり語り終えると、炉は納得した様子を見せた。


「まあな……入学式で新入生の挨拶をしていた彼女を見て、名前が『沙空乃』だって聞いた時には、すぐにあの『さーちゃん』だって、確信したんだよ」

 

 その時、思い出の中の女の子に向けられた漠然とした感情が、特定の相手に対する明確な好意に変わった。


「お兄ちゃんにも、意外とピュアなところがあったんだねえ」

「お前、馬鹿にしてるのか?」


 にやにや笑う炉を、俺は軽く睨む。


「や、そんなつもりはないけど……」

「けど、なんだよ?」

「沙空乃先輩の方は、そのこと覚えてないの?」


 炉は素朴な疑問をぶつけてきた。


「出来事自体を覚えてない……ってよりは、俺をその時の相手だと認識してない可能性がある」

「それって……ああ」


 得心がいったように、炉はぽんと手を叩いた。


「その頃ってまだ、お兄ちゃんがだったんだっけ」

「やめろその呼び方、おぞましいから」

「えー、あれはあれでかわいかったけどなあー。それに最近流行ってるじゃん、男のとかって」

「自分から好きでやるならまだしも、親の着せ替え人形にされるのは駄目だろ」

 

 俺は小学校中学年くらいまで、親の趣味で日常的に女の子の服を着せられていた。

 当時は疑問に思っていなかったが、年齢が上がっていく中で周りとの差に気づいて、自分で服装を選ぶようになったのだ。

 今では、年相応の男の格好をしているけど……沙空乃と昔会った際には女の子の姿をしていたので、現在の俺を見ても当時遊んでいた相手だとは認識できない可能性が高い。

 

「帰ったら昔のアルバム見よっかなー。あの頃は炉たちも美少女姉妹だったよねえ。いや、美幼女姉妹かな?」

「勘弁してくれ……というか、自分で美少女とか言っちゃうか」


 まあ、その自己評価はそんなに間違っていないと、兄ながら思わなくもないけど。

 そんな炉は俺のツッコミを華麗にスルーして、なおもからかってくる。


「お兄ちゃんって童顔っていうか中性的な顔つきだし、今やっても似合う気がするんだけどねえ」

「絶対やらねえよ。何があってもな」


 俺は断言した。


「けど、そんな思い出があったなら『自分はあの時の相手なんだ』って名乗り出ればよかったじゃん。まあ向こうは覚えてないかもだし、覚えてても特別な思い出だとは認識してないことだってあるかもしれないけど」


 炉の言い分は、もっともではあるけど。


「突発的な遭遇だったから、そこまで余裕なかったんだよ……」

「だとしても、他のミーハー男たちに対してのアドバンテージなわけじゃん? 上手くいけばそれがきっかけで沙空乃先輩から意識してもらえる可能性だってあるのに、もったいない」

「それはそうだけど……なんかズルい気がしてな」

「何それ。小説家デビューして急に女の子からモテ始めた公彦くんと付き合うために、幼馴染ってアドバンテージを最大限活用した炉への当てつけ?」


 炉は楽しそうに、皮肉めいたことを言う。


「そうじゃないけど……あの時のことをそういう使い方するのはなあ……」

「乙女か! 大体、ちゃんとその思い出話してたら、陽奈希先輩に告白する前に間違えてるって気づけたんじゃないの?」

「それは……おっしゃる通りだな……」

 

 炉の指摘に対し、俺はかしこまるしかない。


「ま、過ぎたことをこれ以上言ってても仕方ないから、具体的にどうするか考えるとしよっか」

「何かいい案があるのか?」

「お兄ちゃんが陽奈希先輩から嫌われるように立ち回って、別れを切り出されるように仕向けるとか?」


 しれっとえげつない提案をしてくる我が妹。


「いや……陽奈希の気持ちをないがしろにするのは、なるべくならしたくないんだけど」

「ふーん……いいこと言ってるようにも聞こえるけど、ただ煮え切らないだけじゃないそれ?」 

「ぐっ」


 ……ジト目でこっちを見てくる炉の視線が痛い。


「てか、陽奈希先輩の気持ちを尊重するなら、やっぱりそのまま付き合うのが筋だと思うけど」

「だから俺が好きなのは姉の方で……」

「それに、仮に円満な形で誤解を解けたとしても、それで沙空乃先輩と付き合えるわけじゃないし?」


 確かに、現状を打破できたとしても、それは以前までの状況に戻るだけのことに過ぎない。

 いや。それすらも、都合のいい考えか。

 いずれにせよ陽奈希との間にしこりは残るし、そんな中で改めて沙空乃に告白したとして、色良い回答が得られるはずがない。


「なんか現状、詰んでる気がしなくもないけど。沙空乃先輩ルート」


 俺が薄々感じていたことを、炉は憚らずに口にした。


 ――ピロン。


 不意に、スマホの通知音が鳴った。

 ポケットから取り出して確認してみる。


「陽奈希からだ……委員会が終わったから、こっちに来るらしい」

「じゃあこの話は一旦終わりだね」


 妹との恋愛相談は、結局目立った進展もなく終わった。


◆◆◆


 部室で陽奈希ひなきと合流した後。

 俺はそのまま、陽奈希と一緒に帰ることになった。

 現在、その道すがら。

 今までにも、二人で下校することはそれなりにあった。

 しかし関係性が犬猿の仲の腐れ縁から……事故とはいえ、いわゆるその……彼氏彼女に変わってからは初めてだ。

 

 隣を歩く陽奈希の雰囲気は、明らかに違う。

 いつもなら、不本意そうな仏頂面をしていたのに、今日はにこにことしていた。

 すっかり取り繕うのをやめたらしい。

 ……どうもやりにくいけど、俺ばっかりこれ以上意識してもしょうがない。


「今に始まったことじゃないけど……クラス委員長と文化祭実行委員を兼任とか、やっぱ大変じゃないのか? 無理してまで頑張って、体壊したら意味ないぞ」


 俺はこれまで通り会話しようと努めることにした。

 でもこれ、やっぱりキツい言い方になってるような……と思ったら、陽奈希は笑顔だった。


「ふふ。そうやってそっけないようで心配してくれるところ、好き」


 こ、こいつ……いきなり何を言い出すんだ。 

 そもそも今のは、別に心配したとか深い意味はなくて、話のきっかけとしてとりあえず言っただけで……って。

 なんでたったの一言で動揺してるんだ俺は。

 俺はごまかすために、話題を移行した。


「……文化祭と言えば、出し物はどうするんだ? ひとまず文芸部の方は、忙しいし何もやらないとして」

「うん、そっちはしょうがないかな」 


 完全な幽霊部員以外で文芸部に現在所属しているのは四人。

 しかしその内の三人も、最近はあまり部に顔を出していない。

 陽奈希は実行委員で忙しく、親友の公彦きみひこは小説の執筆があるのでそもそも学校に来ない。

 そして俺は、単純にやることがないので行っていない。

 妹のいろりだけはほぼ毎日顔を出しているようだけど、それだって彼氏である公彦の書いた小説を読んでいるだけだ。


「じゃあ、クラスの方は? 確か明日のホームルームで決めるんだったか」

「うーん……」


 陽奈希は少し迷うような素振りを見せてから。


「やっぱりあれかな!」


 指さしたのは、ちょうど通りがかった公園に停まっていた、クレープ屋のキッチンカーだった。


「……陽奈希って、本当にクレープ好きだよな」

「だって、美味しいし」


 陽奈希は爽やかな笑みで答えた。

 ……こういう時、一切取り繕ったり照れ隠ししたりしなくなったな。


「だとしても、文化祭でもクレープ屋やるつもりなのか」 

わたるは難しいって思う?」 

「定番ではあると思うぞ。明日のホームルームで賛成を得られるか次第だろうけど」

「そこはわたしが頑張るとして……じゃあさっそく、プロの味を下見しようか!」


 陽奈希はもう我慢出来ないとばかりに、意気揚々とキッチンカーの方へ駆け寄っていく。

 俺はそれに続きながら。


「ただ単に食べたいだけじゃないのか」


 その声に、陽奈希はピタリと足を止め、振り返って。


「もしかして渉、クレープ嫌いだった……?」


 まさしく好物を前にしてお預けを食らったような、しょんぼりとした上目遣いを向けてきた。

 ……狙ってやってるのかは知らないけど、その顔でそれは反則だ。


「嫌いだったら、今まで買い食いに付き合ったりしないって」


 俺は陽奈希について、クレープ屋へ向かった。




「どれにしようかな……あ、この限定フレーバーってやつ食べたいかも……」


 店頭にて。

 陽奈希は今にもよだれが垂れてきそうな程にだらしない顔で、メニューを見ていた。

 ……チョコミントスペシャルって。


「文化祭の下見なら、もうちょっと定番のやつにすべきじゃないのか?」

「そ、そうだけど……そっちはいつも食べてるからいいの!」


 陽奈希はぎくりとしながらも、頑なにそう言う。

 

「まあ、好きにしてくれ」

「じゃあ迷うけど……わたしはこれで!」


 綺麗に真っ直ぐ伸びた人差し指で、陽奈希はメニューを指す。

 結局チョコミントスペシャルとやらにしたらしい。


「さて、俺はどうするかな……」

「渉はー……これとかいいんじゃない?」


 陽奈希が指さしたのは、マンゴーなど季節のフルーツをふんだんに使った期間限定のクレープだ。

 きらきらと目を輝かせながら、猛烈におすすめしてくる。


「なあ、自分が食べたいのを選んでないか?」

「だ、だって一つだけなんて、選びきれないし……!」

「相変わらず、クレープに対してはやたら欲張りだよなあ」

「相変わらずって……わたし、前はこんな風じゃなかったよ!」


 そうでもない。

 陽奈希はクレープを前にした時だけは、いつでも割と素直だった。


「うー……ちょっとだけ、味見させて?」


 物欲しそうに、懇願するような陽奈希の声。


「……分かった」


 俺は自分でも驚くほどあっさりと、陽奈希に屈した。




 陽奈希が選んだ2つのクレープを買って、俺たちは公園のベンチに座った。


「わああ……。でも良かったの? おごってもらっちゃって」


 手に握るクレープを無邪気に見つめていた陽奈希が、少し申し訳なさそうに聞いてくる。


「まあ、たまにはな」

「ふふふ……」


 簡素な俺の返事に、陽奈希は嬉しそうな反応を示した。


「……? 何をにやけてるんだよ」

「もしかして渉……恋人になったからって、かっこいいところ見せようとしてくれてる?」

「いや、別にそういうつもりじゃ……」

「わたしが言えたことじゃないけど、渉も素直じゃないよね」


 否定しようとする俺を、陽奈希はクスクスと笑う。

 ……本当にそういうのじゃなくて、現状に対するちょっとした罪滅ぼし的なつもりだったんだけど。


「なんにせよ、いただきまーす」


 陽奈希はもう待ちきれないとばかりにそう言ってから、クレープを食べ始めた。


「んー……!」


 チョコミントスペシャルとやらを食べ進めながら、うっとりとする陽奈希。

 その様子を横目に見ながら、俺も自分のクレープを食べようとすると。


「隙ありっ!」


 俺の手中にあるクレープに、陽奈希がかぶりついてきた。

 ちゃっかり、一番大きいマンゴーがあった部分を。


「あ、おい」

「んふふ……味見させてって、さっき言ったでしょ?」


 口元に付着したクリームを舌で舐め取りながら、陽奈希は不敵に微笑む。


「まあ、そうだけどな……」

「じゃあ……はい。お礼というか、お詫び?」


 歯切れの悪い俺に対し、陽奈希は自分のクレープを差し出してきた。


「おお、あの陽奈希が自分の大好物を分け与えるとは」

「なっ……わたし、そんなに食い意地張ってないし!」


 俺が驚くと、心外そうに陽奈希は顔を赤くする。


「いや、そうはいってもな。今まで理由をつけて俺のクレープを欲しがることはあっても、分けてもらった覚えはないぞ」

「そ、そうだけど……! 今の渉は彼氏だから、特別なのっ!」

 

 陽奈希はぷいっと目を逸らしながら、俺の口元にクレープを突きつけてきた。


 ――彼氏だから。


 俺にとって、絶妙に胸に刺さる文句だ。

 けど、ここで拒むのも、かえっておかしな話ではある。

 

 逡巡の後、俺は陽奈希のクレープに口をつけた。

 スーッと突き抜けるミントの爽快な風味を咀嚼していると、陽奈希がちらちらと横目で見てくる。


「……どうした?」


 飲み込んでから、俺は聞いてみると。

 陽奈希はでれでれとした笑みを浮かべながら、言った。


「こういう食べさせ合いっこって、なんか恋人っぽいなあって」

「そ、そうか……」


 ……もう少し、考えてから聞くべきだった。

 などと、俺が軽く後悔していると。


「わたし、渉の彼女になったんだよね……」

 

 噛みしめるように、陽奈希は呟いた。

 その時の、万感の思いが込められた横顔を目にした瞬間。

 俺の心臓が、どきりと跳ねた。




 ……果たして。

 俺が今、心を揺れ動かされているのは。

 好きな人と同じ顔をした双子の妹に対してなのか。

 それとも、に対してなのか。

 

 そんな疑問がふと、頭の中に浮かんできた。

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