友人との夕食 恋心と兄(鬼)ゴコロ

1日目の全種目が終わり下校する時、「おい、なんか食いに行こうぜ!」と、クラスのリーダー的存在の平垣裕翔は言った。「賛成!」「オレも行こうかな」などクラスメイトは言った。「セイはどうする?お前も一緒に行くか?」ははは君達みたいに満喫してないし苦痛だったわ。と、心の中で思いつつ、「ごめん。今日家の仕事が忙しくてさ先に帰るわ。」と、嘘を言った。「そうかぁそれなら仕方ないよなまた今度一緒に飯いこうな!」「うん(絶対に行きたくない)。」「よし!みんな!行こうぜ!」と、言いながら裕翔と、クラスメイト達は教室を後にした。

1人で廊下を歩き、下駄箱で靴をとる。そして帰ろうとした時後ろから「セイー待ってー!」と、聞き馴染みのある声がした。振り向くと後から僕の名前を呼びながら走ってくる男がいた。「おお、一条お前も1人か。」

一条勇人僕の幼なじみであり、数友人のひとりだ。運動神経抜群でサッカー部。女子にモテるため、1人でいることは少ない。「珍しいじゃないかお前が1人でいるなんてついに女子のいじめにあったか。」「違うさ。僕のクラスの人達はみんな食事に行っちゃってね。僕も誘われたんだけど今日両親出張でね弟のご飯とか作らないとだから。まぁ冷凍食品になっちゃうけど。」この男の欠点それは料理が出来ないことだ。包丁の使い方が見てて怖いや、なんでも塩かければ美味しいだろという料理に関しては適当なのである。「まぁお前の飯をたべるぐらいなら冷凍食品のほうがましか。」「酷いなセイは。」「ちょっと待ってて」と言い、僕は電話をした。「もしもし聖華だけど今日夕飯だけどさ友達呼んでいい?了解。じゃあまた。」「今日飯食いこい。なんと今日の飯はすき焼きだ。」「いいのかい?」「あぁ。弟さん連れて食いにきな。」「ありがとうセイ!君が友達でよかった!じゃあまた後で。」僕と裕翔は駅で別れた。その後は家に真っ直ぐに帰り、店のドアを開ける。「「おかえり。」」と叔父と、何故か平然とすき焼きを食べている琴海がいた。「琴海何故平然といるんだ?」「家に帰る途中マスターにあって『ご飯食べてく?』って誘われたからさお言葉に甘えて食べに来たんだ。安心しなさい両親に連絡したら『いいよー』ってきたから。」多分琴海も誘われたけど行かないパターンの人だ。次に那心が帰ってきた。「ただいま。おにぃただいまどうせ無残な姿を全校の前で晒したんでしょ?あ、那心さんこんばんはおじいちゃんから話は聞きました。おじいちゃんのすき焼き美味しいんですよ。」と、言い、那心は席に着いた。「あれ?いつもよりお箸の数2つ多くない?」「聖華の友達が来るんじゃよ。」「おにぃに友達っていたっけ?もしかしたらカツアゲとかパシリにされてるパターンだよ。早めに別れようね。」と、心配した目と、少し笑いの堪えた目で僕を見た。ふふふ妹よそんな顔をしていられるのは今のうちだ。

少し時間がたった後、ドアのベルがカランカランとなった。「こんばんは。」「おお待ってたよ。聖華の友達と言ってたのは裕翔くんだったか。弟の慧斗くんこんばんは。」「こ、こんばんは。」と、裕翔と、弟の慧斗くんが到着した。「あ、ヒロじゃん。あんた聖華と知り合いだったんだね。」「おお琴海じゃんキミこそセイのこと知ってたんだね」「お二人はどんな関係で?まさか...」「あははそういう仲じゃないよクラスメイトさ。」なるほど驚きのカミングアウトを聞いたところで我が妹可愛い可愛い那心ちゃんの反応を見てみましょう。那心は顔を赤らめ、恥ずかしそうに下を向いていた。いきなり僕の手を掴み、階段を上がると、「おにぃのバカ!どういうこと!?」「え?友達呼んだだけだけど。」そう。我が妹藍沢那心は裕翔に恋心を抱いているのだ。僕にとってはめでたく、応援してやりたいところだが、日頃の恨みつらみを発散させるため少々汚いが、裕翔を家に呼んだ。効果は絶大で夕飯を食べている時、那心はずっと裕翔を意識していた。「那心ちゃんはいお肉。」「あ、ありがとうございましゅ。」噛んだな。一通のRONEが僕の携帯に届く。相手は琴海から。『あんたの妹あいつのこと好きなの?』それに対し僕は『そうだよ』『あんた分かっててやったでしょいろんな意味で鬼ね。』何を言っているんだい琴海よ。僕は可愛い妹の恋を応援したいだけさ。と、綺麗事を心の中で思いながらその場を楽しんでいた。すき焼きの具が無くなり、那心が安心した時、僕は叔父に目でサインした。そしたら叔父は「汁が勿体ないねぇ少し待ってなさい。」と、その場を離れ、戻ってきた時には、うどんの麺を持ってきていた。何故かラーメンじゃなくてうどんなのかというツッコミは後にし、僕達はまたご飯を食べ始めた。「なんでうどんなんですか?」と、慧斗くんは叔父に聞いたか「うどんはのびないし腰があって上手い。しかも那心と、聖華の好物なんじゃよ。もちろんワシの手作りじゃ。」叔父は僕らの好物をしっかり理解していた。「え?那心ちゃんうどん好きなの?じゃあ今度食べに行かない?もちろんセイも一緒にいい場所があるんだ。」うどん屋確かに行きたいがここは妹のために我慢だ。「すまんヒロ最近お客さん多くてさ爺さん1人じゃさばけないから。」嘘だがこれで十分だろう琴海はそんなのは嘘だろという目でこっちを見た。「それじゃ仕方ないなじゃあ今度2人で行こう!」「は、はい!」那心は喜びに充ちた顔で言った。裕翔と、慧斗が帰ったあと僕は琴海を送りに行った。「まさか那心ちゃんがあんな男がを好きになるなんて兄とし?どう思う?」「嬉しい事じゃないか。琴海はヒロのことどうも思わないの?」「あんな男好きになるわけないじゃないただ顔がいいだけじゃない。」琴海は裕翔に関してはなんの感情も持ってないらしい。「ヒロと同じクラスってことはさお前も誘われたんじゃないの?」「私はさ、誘われなかったんだ。」なんか悪い事を聞いてしまった。こんな僕が誘われて琴海のようなクラスで好かれるであろう人が好かれないのはおかしい。これは何かあると思いながら月が真ん丸とした夜空の下を僕らは会話なく駅まで歩いた。

家に帰り、那心がドアの前で立っていた。「ただいま。」「おかえり。おにぃ今日は...」「ありがとう」「え?那心ちゃんなんだって?聞こえなかったなぁもう1回言って?」「ばーか!」と、大声で言い、2階へ走っていった。言葉は小さかったが、確かにありがとうと那心は言った。何ヶ月ぶりだろう那心からありがとうと言われるのは僕は笑みを浮かべ布団に潜りその日を終えた。

次の日。

朝起きると僕の机の上には冷えピタ5枚と、紙が1枚置いてあった。紙には「ガンバレ」と、小さく書かれていた。それを目にした僕は嫌だという気持ちが消え、頑張るぞ!という気持ちが強くなった。2日目やる気に火がついた瞬間である。

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荒廃した日々にサヨナラを @soara14200

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