1章 情熱少女と鳴らないトランペット【上】

皆さん音楽は好きだろうか。音楽とは良いものだ作曲者の心や、演奏者の心を描き悲しみを伝えることが出来れば喜びや、感動を与えることが出来る。時に偉い人は言いった「音楽は時間の芸術である」と演奏しているときは聞き手に様々な感情を伝えられるが演奏が終わるとその芸術は残らず、時間とともに消えていく。しかし僕はそんな芸術がたまらなく好きなのだ。

5月、高校生活が始まり、期待などなく不安ばかりだった入学式から1ヶ月が過ぎた頃僕は1人自分ノ机の上で寝ていた。外は少し暗かった。時間を確認するためにスマホをの電源をつけたたところクラスLONEで委員長が今日の宿題を書いていた。ありがたいと思いつつ時間を確認すると時間は17時半。今日は6時間だったことを思い出し、身支度を整え、教室を出た。そして音楽室に電気が付いていることに気がつき、覗いてみるとマウスピースを頑張ってふこうとする少女の姿が見えた。そして少女はこちらに気づいたらしくドアを開け、近ずいて来た。そして少女は、「見てた?」と聞いてきたため、「べつに覗いてた訳では無いよ」と目を逸らし覗いてたことを隠そうとした。そして少女は「覗いてたんだ」と言った。そんなにわかりやすかっただろうかと思いつつこんな時間まで音楽室に残っていた理由を聞いた。

「そんなの決まってるじゃない。マウスピースを吹く練習をしてたのよ!」と恥ずかしそうに言った。

「え?吹けないの?」と音楽鑑賞が趣味なだけでリコーダー以外吹いたことのない僕は言ってしまった。そうすると少女は僕の顔に向け楽譜を投げてきた。「な、なんだよいきなり」と投げられた意味も分からず聞き、少女の顔を見ると大粒の涙を流していた。

謝りつつ練習のわけを聞くと、「わ、私今年トランペットを始めたばかりでまだマウスピース吹けないの。」と言った。そうだったのかと理解し、申し訳なさと罪悪感に刈られた。しばらくし、少女が泣き止んだところで僕は「頑張って」といい家へ帰った。

家に帰ると、叔父は「おかえり。遅かったじゃないか。どうせ寝てしまったんだろう」と言った。

この人には全てお見通しなんだなと思いつつ叔父に「マウスピースを吹くのは難しいの?」と聞いた。そうすると叔父は、「珍しいじゃないかお前が楽器に興味を持つなんて」と驚いた。その後叔父は「マウスピースを吹くためには唇を震わせて吹く必要がある。ちょっと待ってろ」と言い叔父は家の2階に上がって行った。そして戻ってくると「これ吹いてみろ」と言い、あるものを僕に渡した。それは少女の持っていたマウスピースと同じ形のマウスピースだった。何故この人は持ってるのかと思いつつ吹いてみると、全く音がならなかった。そして叔父は「な?ならないだろ?」と言いもう1個のマウスピースを手に取り、吹いた。そうすると本当にトランペットの音色が出るのかと思うほどの音が出た。少女が熱心に練習していたわけがようやく分かった。申し訳ない気持ちが大きくなり、「どうしたら吹けるようになるの?」と聞くと、「さっき言った通りマウスピースを吹くためには唇を震わせる必要がある。最初のうちはマウスピースを使わずこうやるんだ。」と言い唇の両端を人差し指と中指で押さえ、唇を震わせた。「これが出来るようになってくると吹けるようになる」と僕に言った。

次の日、僕は放課後残り、また音楽室へ行った。そして少女は昨日と同じようにマウスピースを吹く練習をしていた。少女は「また来たの?」と冷たい目をし僕にそう言った。僕は昨日のことを謝りこういった。「練習を手伝わせてくれないか?」と僕は少女に行った。少女は意味がわからないと言わんばかりの顔をし、「なんですか?怖いんですけど先生呼びますよ?」と言った。「ちょ、ただ単に練習を手伝いたいだけだって変な意味はないから!」と誤解を解くために必死で言った。「先生を呼ぶのは嘘だけどなんで?」と聞いた。僕は音楽鑑賞が趣味だということと、ただ単に練習を手伝いたいからというのを伝えた。そうすると少女は「べつに来たければ来ればいい」と言った。「ありがとう。ぼくは藍沢聖華。君は?」「桜井琴海。」とお互いの名前を名乗り練習を再開した。

僕は叔父に教わったことを琴海に伝えた。そうすると琴海はマウスピースを置き、見回りの先生が来るまで唇を震わせる練習をした。そして帰る時「ありがとう」と一言いい彼女は帰って行った。

家に帰ると、「おかえり。今日も遅かったな。まさかお前彼女ができたのか!」と言った。僕は直ぐに「ちがうよ!」と言い返した。「まぁそうだろうな」と言い、帰りが遅いわけを聞いてきた。僕はありのままを全て話した。そうすると叔父は「だからワシに昨日あんなことを聞いてきたのか。」と、言い僕にこういった。「土曜日その子連れてこい」

「は?なんでだよ」と即座に言い返した。「お前に練習を教わっても身にならんからな。こう見えてもわし高校の頃トランペット奏者だったんじゃよ?」と以外なことを言った。「けど、土曜は吹奏楽部も練習だと思う」と言ったら「お前は暇なんだからその子が帰る時この店まで案内しろ」と言った。「けど土曜は定休日じゃないだろ」と僕は言った。「休みにする」「は?」「休みにする」「padwun?」「休みにする」「なんでだよ。べつに手伝わなくてもいいよ」と言ったが「初めてお前が人の役に立とうとしてるんだこのじじいにも手伝わせろ」と言った。(このジジイ)と思いながら多分1度言った言葉は変わらないのだこの人はと思い「分かったよ」と僕は言った。

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