『セミさんの教え』

やましん(テンパー)

『セミさんの教え』


 睡眠薬飲むのが遅かったせいか、お昼過ぎまで、寝てしまいました。


 夢のなかで、最後の勤務を済ませ、やっと起き出して、やましんは、お散歩に出掛けたのです。


 すると、ご近所の木の上で、ひとりぼっちのせみさんが、この世を謳歌しています。


 やましんは言いました。


『せみさん、せみさん、まだ、梅雨明けもしてないよ。ちょとだけ早すぎです。他にだれもいませんよ。』


 セミさんは、ちょと怒って答えました。


『だって。やましんさん。出てきたものは、仕方がないでしょう? それより、もと、応援してくださいな。あなただって、応援してもらたほうが、うれしいでしょう?』


『ああ、そうだね。じゃあ、せみさん、頑張ってくださいね。人生は短い。』


 セミさんは、また、ひとりぼっちで、必死に歌いました。


 やましんも、また、ひとりぼっちで、お散歩を続けたのです。


 お空では、梅雨と夏が、半分ずつでした。



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『セミさんの教え』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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