第20話 フジサファリ

一同は駅舎の窓に向かう。ミミもよろよろとついていく。


ミミ「なんなのです…あれは…翼もないのに何で…天才助手も理解不能なのです」


巨大なバツ印のようなもの宙に浮いており、その影が駅舎に落ちる。


オイナリサマ「うっ!」


「それ」から駅舎の結界にむかって何かが発射された。結界に当たりドロリと垂れ落ちる。


フェネック「セルリウム!?」


アライさん「みんな、やっつけるのだ!助手はここで休んでいるのだ」


ミミ「いや…やるですよ。あんなの助手しか相手できないのです」


そう言ってミミはよろよろと駅舎に大きく開いた、ジャパリラインの車両の出入り口に向かった。


アライさん「無理は禁物なのだ!」


ミミ「…わかってるですよ」


ミミ以外のアライさんたちはホーム階から地上階に向かった。


フェネック「うじゃうじゃいるねー」


一同は地上出入り口から外を見る。


アライさん「ふおぉ!セルリアンがいっぱいなのだ!」


オイナリサマ「くっ」


上空の巨大セルリアンからセルリウムが発射される。


フェネック「大型もいるところを見ると、この地面はガッチガチに固まってるみたいだねー」


フェネックは駅構内から地面をパンパンとたたきながら言う。


アライさん「なら決まりなのだ!」


一同の目に炎が灯る。咆哮をあげながら駅舎から飛び出す。


巨大セルリアンから再びセルリウムが発射される。


アライさんたちはかわすも、細かい飛沫を浴びる。


「うぅっ!」


ミミは駅の屋根の上に陣取り、巨大セルリアンを観察する。


ミミ「(下で始まったですね…あの巨大セルリアン、まるで大きな虫なのです。鳥のフレンズとは異なった理屈で飛んでいるようですね…)」


地上組はセルリウムの飛沫を浴びながら、大小さまざまなセルリアンと対峙している。


それに引き寄せられ、巨大セルリアンは不気味な軌道を描きながら、少しづつ高度を下げていく。


ミミ「(持ちこたえるですよ…)……今なのです!」


ミミは巨大セルリアンに向かって急降下を始めた。


しかし、巨大セルリアンは急角度で進路を変え、それをかわす。


ミミ「!!ばかな!」


セルリウムがミミに向かって発射された。


ミミは回避を試みるも、半身にそれを浴びて墜落し、固い地面に激突する。


ミミ「ぐはっ!」


オイナリサマ「ワシミミズク!!」


「!!!」


アライさん「!くっそぉー…みんな…やるのだ!!」


一同はうなづく。


アライさんを足場にしてフェネックがジャンプする。


そのアライさんとフェネックを足場に、サーバルを抱えたアムトラがジャンプする。


そして、空中でアムトラを足場にサーバルがジャンプ。


サーバルの腕が巨大セルリアンに届き、ツメを突き立てる。


素早く巨大セルリアンによじ登る。


サーバル「うみゃみゃみゃみゃみゃみゃみゃぁーーーーー!」


サーバルが巨大セルリアンに連打を浴びせる。


セルリアンは胴体の下からねらいの定まらないセルリウムを吹きながら、フラフラと高度を下げる。


アムトラが飛びつき、アムトラやサーバルほどでないにしろ、ジャンプの得意なフェネックも飛びつく。


やがてアライさんも飛びかかり…


巨大セルリアンは墜落した。


セルリアンの体に無数の亀裂が走り ― 砕け散った。


「パッカーン」


そして、そこにサンドスターが残った。

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