第12話 ワシミミズク
制御場の一室に戻った一行。
ワシミミズクのミミはオイナリサマから説明を受ける。
フェネックは内容に補足を、アライさんはあさっての方向に話題を伸ばすもミミにスルーされる。
ミミ「ふーむ、この天才助手の
アライさん「助手はすごいのだ!」
アムトラ「すごーい」
フェネック「…すごーい」
ミミ「もっとほめても一向にかまわないのですよ」
ミミ「アライグマ、お前も驚嘆に値するのです」
アライさん「ふっふーん、助手は賢いからこのアライさんのすごさがわかるのだな?」
ミミ「今こうしてお前が生きていることにですよ…そのうえで質問するですよ、アライグマ。お前はこの先どうしたいのですか?」
アライさん「わからないのだ…」
ミミ「フェネックは?」
フェネック「アライさんと同じだよー…」
ミミ「アムトラ、お前はどうなのです」
アムトラ「ぼくはアライさんたちと一緒にいるよ。アライさんたちの行くところならどこへだってついていくよ」
アライさん「オイナリサマはどうなのだ?」
オイナリサマ「…」
ミミ「聞くまでもないのです。オイナリサマはお前たちにここに残ってずっと暮らしていて欲しいのです。そうですよね、オイナリサマ」
オイナリサマ「…その通りです」
アライさん「…でもアライさんは思うのだ…」
ミミ「ほう、やはり心は決まっているようですね、面倒だからさっさと吐くのです」
アライさん「…この星が行きつくとこまで行ってしまうのなら、アライさんたちも行きつくとこまで行ってしまうべきだと思うのだ…」
オイナリサマ「…!!」
ミミ「なるほど、見かけによらず物事を
ですが、その主張はダメダメなのです。視点が高すぎて肝心の部分が見えていないのです。この天才助手か完全に論破してやるのです。覚悟するですよ」
アライさん「ごくり」
ミミ「お前は砂漠エリアでフェネックをすんでのところで助けましたね…もし間に合わなかったら?この先、旅を続けてアムトラが傷つき倒れたら?こんなのは簡単に想定できることなのです」
アムトラ「ぼくは…」
ミミ「アムトラは黙っているのです。アライグマ、お前は自分が傷つくのには慣れているかもわかりませんが、他のフレンズが傷つくのには耐えられるのですか?」
ミミ「オイナリサマの立場はまさにそれなのです。むしろ直接的な方法で助けることができないだけもっと苦しいのです」
ミミ「あとお前は自分が傷ついて悲しむフレンズのことをこれっぽっちも気にかけないのです。つまるところお前は自分のことしか考えていないのです。自分勝手なのです。頭を使うのですよ、頭を」
アムトラ「そんなことないよ!自分のことしか考えてなかったらアライさんはぼくを助けたりしないよ!」
アライさん「ぐぬぬぬぬぬ…うう…助手の言う通りなのだ…オイナリサマ、みんな…アライさん自分勝手だったのだ…ごめんなさいなのだ………」
ミミ「それでいいのです、助手は賢くて寛大だから、反省した相手をそれ以上、責めたりしないですよ」
オイナリサマ「…」
アムトラ「…アライさん…。ねぇ…フェネックはアライさんが自分勝手だと思う?」
フェネック「やー…わからないよー。わたしはアライさんみたいに自信家でもなければアムトラみたいに強くもない。自分の運命の大部分が他者に握られているみたいなもんさー」
フェネック「いや、自分の運命をアライさんに押し付けていたみたいなもんかなー。アライさんを非難できた立場なのかなー」
ミミ「なるほど」
フェネック「…ただー」
ミミ「ただ、何なのです?」
フェネック「今のわたしたちの希望を勝ち取ったのはアライさん…アライさんがいなければ今のわたしたちない、それは助手も認めるでしょー?」
ミミ「そ、それは認めてやるですよ。そこはほめてやるのです」
アライさん「今度はほめられたのだ…」
ミミ「しかし、この天才助手は結論付けるのです。よく聞くですよ。これ以上の危険を冒す必要性をまったく感じないのです。助手は賢いので。アライグマ、ビーストを見つけても無視するのです、わかったですか」
アライさん「絶対に嫌なのだ!」
ミミ「お前が我慢すればすべては解決するのです。反省が足りないですか?」
アムトラ「…アライさんがやらなくたって、ボクがやるよ」
ミミ「ならば、お前も我慢するですよ。それが我々のとりうる最良の選択だと、この
アライさん「ぐぐぐ、うぬぅ~。わ、わかったのだ」
アムトラ「………アライさんが…そういうなら従うよ…」
フェネック「(いやー、助手も賢いようでわかってないねー。ブレーキの壊れた暴走「ばすてき」であるところのアライさんをこんなことで止められるかなぁ。ちょっと面白くなってきたねー)」
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