酒と娘
村人達は顔を見合わせました。
龍神をうならせるほどの酒をつくれるのは……そんなことができる人は……。
娘は立ち上がり叫びました。『自分が作ってみせる!雨をやませてみせる!』
叫んだ娘を皆ぼうせんと見ていましたが、村長が我にかえって反対しました。
『おなごが作った酒など捧げたら龍神は怒り狂ってしまう、雨がやむどころか嵐を呼び寄せて村を滅ぼそうとするかもしれん!』
集まっていた村人達も『おなごじゃなぁ……』『名人の子供とは言っても……』
不安そうに言うばかり。父親の元で働いていた男達が『自分達に任せてください、精一杯頑張りますから』となだめようとします。
そんな中神主さまが言いました。『それぞれ作って捧げればよい』。
村長も村人も男達も娘もおどろいて神主さまを見ました。
特に村長は顔を真っ赤にして『そんなことをして何かあったらどうするか』と言い立てました。神主さまはびくともせず『大切なのは龍神さまが納得されること、そして雨がやむことだ』と返し、男達と娘にそれぞれ酒を作るよう言いました。
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