第8話 おうさまバケーションの話

「それにしても、暑いですねぇ?」

「はぁ、車の中で、エアコンガンガンかけて、さっきまで寝ていた奴が言うセリフかよぉ?」

「なら、運転しますって?今度は大丈夫ですから…」

「おいおい、さっき運転代わってもらって、すぐに居眠り始めただろう?」

「いやぁ、あれは、食べた後だからですよぉ。久しぶりに、ハンバーグでしょ?何年振りかなぁ、テンション上がって、ご飯を3杯も食べちゃいましたよぉ。」

「はぁ、数も数えられないのか?5杯だぁ!へぇ、すごい暗記力ですねぇ。」

「あほぉ、そのぐらい、幼稚園児も数えられるって。ほらぁ、大学、着いたぞぉ。」

「いやぁ、久しぶりですねぇ…って、ここは?あぁ…言うの忘れてたなぁ。心理学部は今月から、新しい江ノ島キャンパスに移動して、あの川崎のビルは通信制の本部と大学院の法学部修士課程になったぞぉ。」

「えぇ、知らなかったなぁ…そっか?みんな知っていると思ったけど…」

「あぁ…もう遅いなぁ…桜井さん。」

「おぅ、わりいなぁ〜。」

「あれぇ、誰かと思ったら、竹下君じゃない?お久しぶりですねぇ。元気だった?」

「えぇ、吉永さんですか、お久しぶりだねぇ?2ヶ月振りだねぇ?そう言えば、叔父さんの体調はよくなったのぉ?桜井さんから聞いているわぁ?実は…桜井さんとは親戚だったんですねぇ?」

「あぁ…私も最近、知ってびっくりしてるぐらいですよぉ。」

「あぁ…そう言えば、フィットネスで運動も始めたんですよねぇ。」

「えぇ?フィットネス?」

「おっと、ちょっといいかぁ?」

「えぇ、マジですか?とりあえず、フィットネスに通って肉体改造を一緒にやる事にした。まぁ、とりあえず、教授たちには一筆書いてもらって、春のテストの単位は認定してもらったから、大丈夫だぁ。その代わり、今回は補講を受けてもらうからなぁ…」

「えぇ、どういう事?」

「お前は俺の存在に気付いてないのか?」

「ここの大学の創業者は桜井さんのおじいちゃんだよぉ。海桜学院大は…」

「そうなんだぁ…。何とお礼を言って良いやらぁ…すいません。」

「でも、寝るなよぉ。俺が講義受けるはめになるからなぁ。」

「あぁ…そうそう、これから、お昼食べるでしょ?カフェテラスで?」

「わりいなぁ、食べてきたらか、ドリンクぐらいは付き合うよぉ。」

「ここがカフェテラス?何かのドラマに出てきそうだなぁ。」

「えぇ、知らないのぉ?今もドラマのロケやっているよぉ。」

「えぇ、そうなんだぁ…ほらぁ、あの女優さん、村中 さおりよぉ。その隣が田村 優司よぉ。」

「あぁ…、お久しぶりです。桜井さん。」

「おぅ、さおりと優司かぁ。」

「俺たちのドラマを見てもらえますよねぇ…」

「まぁ、可愛い後輩だからなぁ。」

「でも、来年からはこの大学に入学しろよぉ。解ってますって。先輩には頭上がらないからなぁ。」

「それじゃなぁ!」


「えぇ、芸能人とも知り合い何ですか?」

「知り合いって程でもないけど…海桜学院大付属高校の芸能コースに入学していただけで、深い繋がりはないかなぁ…たまに、実家に挨拶に来て、ご飯を食べるぐらいかなぁ?」

「えぇ、そうなんですか?」

「あぁ…そう言えば、夏休みはどうしますか?」

「どうするかなぁ…」

「深雪は何処かに行くのか?」

「海外旅行が苦手だから、今年も軽井沢か?それとも、京都かぁ?」

「ちょっと、家はお金持ちではないですよぉ。勝手なイメージがあるけど…藤沢のアパートに母親と二人きりで住んでるでしょ?」

「あれぇ、そうだったかぁ…桜井さんの融資がなければ、あんな素敵なアパートには住めないですって。」

「まぁ、親父のお気に入りだからなぁ…成績優秀、美人な上に性格も良いっと。それに、近いうちに、親戚になるかもなぁ。そうなったら母親を宜しくお願いしますねぇ。」

「まぁ、すでにマンション購入して住んでいるみたいだけどなぁ。」

「そうねぇ…すでに、一人暮らしになっているなぁ…」

「あれぇ、尊と実花じゃないかぁ。よぉ、久しぶりだなぁ…元気だったかぁ?」

「あれぇ、竹下さん、じゃないですか?」

「えぇ、お前は佐藤だよなぁ?2ヶ月も合わなくなって、変わったなぁ?」

「まぁ、大学に入ったばかりだったから、オタクの印象がありましたよねぇ?春のテストが終わって、桜井さんに合コンに誘ってもらって実花さんと付き合ってます。」

「私もビックリしちゃった。まさかねぇ…吉永さんの友人の篠原さんがねぇ…」

「いえいえ、たまたま、お互いに読書が趣味で東山 健太さんのファンだっただけですよぉ。それと、山登りと温泉が好きだったのもあるかなぁ。」

「そっか、お似合いだなぁ…」

「あぁ…そうそう、これから、夏休みだからさぁ、良かったらみんなで何処か行かないかぁ?吉永さん、篠原さん、佐藤と竹下、俺と後、他に2、3人集めてどうだぁ?」

「あぁ…ちょっと待っててぇ…電話だぁ」

「おぅ、どうした?えぇ、まじでぇ…そっか、ハワイ行くのが中止になったのか?あぁ…良かったら、家の熱海の別荘で夏休み、花火でも見るかぁ?」

「よし、解った。なるほどなぁ…なら当日なぁ。」

「あのさぁ、突然なんだけどさぁ。俺の熱海の別荘で花火を見ながら泊まらないかぁ?」

「えぇ、いいんですか?」

「いいけど、実は…村中と田村が来るけど良いかなぁ?」

「えぇ、芸能人ですよねぇ?」

「私、緊張するなぁ…」

「大丈夫だって、花火を見に来るだけだから、当日は親戚が経営している熱海シーサイドビーチに泊まるから大丈夫だって。」

「なら、大丈夫かなぁ…」

「なら、決まりなぁ!」

「あぁ…あと、三好の姉さんも来るけど宜しくなぁ…」

「じゃ、メンツは吉永、篠原、佐藤、竹下、三好、村中と田村っと俺なぁ。」

「何かワクワクしますねぇ…楽しみです。」

「おぅ、サマーバケーションを楽しもうなぁ…」

「王様バケーションだなぁ…の話だなぁ…カッコいいなぁ…」

「えぇ、何か言ったかぁ?」

「いえ、何にも言ってないですよぉ。(ふぅ、あぶない、あぶない、空気が変わるところだった)」

「じゃ、俺たちはフィットネス行くから、後日、近いうちに連絡するなぁ…」

「じゃねぇ。」


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