第3話 運がついた話

「さてぇ、今日は久しぶりに大学にでも行くかなぁ…大丈夫かなぁ。」

「そうだぁ、佐藤君に電話してから、状況を確認するかなぁ?」

「唯一、話せる貴重な友達だからぁ?」

「もしもし、修です…お久しぶりです。」

「あぁ…竹下さん、どうしました?」

「今の大学の状況は?」

「はぁ?大学の状況って、変わらないですよぉ…」

「テストがあるよなぁ。」

「あぁ…夏期テストねぇ…竹下さんは講義出席してましたよねぇ?」

「えぇ、出席してないけど…」

「又、冗談は言わないで下さいよぉ。昨日も来てましたよねぇ…」

「あぁ…今度、又、合コン誘って下さいよぉ。楽しみにしてますねぇ。それじゃ。」

「はぁ…どうなっているんだぁ。」

「まぁ、いいかぁ…大学には行っている?まじかぁ、そんな訳がない…春のテストが終わってから、一度も出席してないのになぁ…」


「あれぇ、おかしいなぁ…一体、俺は誰だぁ…」

「ここは、何処だぁ…」

「何時ものボロアパートでは、ないぞぉ。それに、何でこんな綺麗なマンションにいるんだぁ?」

「ちょっと、待てよぉ…とにかく、学生証。竹下 修ではあるけど…、誰だぁ、このイケメンは?知らないぞぉ…」

「どうなっているんだぁ…思い出せ…確か、バイトから帰ってきて、玄関に大家から、もらったお札を貼ってから、ビールを飲んで寝たなぁ…ここまでは覚えているけど…」

「解らないけど…何でだぁ。」

「とにかく、鏡、鏡、嘘だろぉ、こんなイケメンになっているとは?」

「あれぇ、誰かいるなぁ…」

「修、おはよう。これから、朝食作るねぇ…」

「はぁ…ちょっと、どうしたの?何時もの修じゃないみたい。大丈夫?」

「あぁ…大丈夫だけど…そう言えば、あの人どうなったのかしら?」

「えぇ、誰の事?」

「いやだぁ、35歳で心理学部に入ったデブで髪の毛、ボッサボッサのメガネ豚…最近、学校来てないよねぇ…名前は桜井 真だっけ?」

「あれぇ、俺が知っている桜井君はイケメンでホストみたいにモテモテだったよなぁ…しかも、頭が良い…って、入れ替わっているじゃんよぉ。」

「そうそう、夏休みに北海道の小樽に行きたいって言ってたでしょ?小樽運河だっけ?私の方で予約したからねぇ?小樽運河着いたらオルゴール博物館とかショッピングして、お寿司食べたいなぁ…もちろん、私が出すけど、修は付いてくるだけで良いからねぇ…」

「はぁ、小樽運河って…ちょっと、待てよぉ…まだ、決めるなって、確認させてくれよぉ?」

「そうだねぇ、解ったわぁ。来週中までに決めてねぇ…」

「そうするなぁ…運がついたらって、これは、運が着いた話?」



「はぁ、夢かぁ…」

「何なんだ、リアルな話だなぁ…学生証、学生証…はぁ、変わっていないやぁ。」


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