第2話 なつかれる話
「だるぅ、今日も朝がきたなぁ。
さてぇ、たまには、しっかりと飯でも、作るかなぁ。
冷蔵庫には、卵、にんにく、豚肉と豆腐かぁ…しけてるなぁって、俺やん。」
「よっしゃ、作るかなぁ」
「まずは、豚肉を炒めて、にんにくをすって、塩とだしの素っと、ご飯にのせて、マヨネーズっと。迷わないよぉ、マヨだけに何てなぁ。後は豆腐に鰹節と生姜だなぁ…もう、しょうがないなぁ…でぇ、即席味噌汁とサラダっと…頂きます。うまぁ。俺は天才だなぁ…庶民の三星レストラン。」
「でもなぁ、彼女何ていたら「あーん」とかしてもらいたなぁ…」
「あちゃ、バイトに行く時間だなぁ…」
「先週は、バイト休んだからなぁ…3日も。まぁ、理解がある店長で助かったなぁ…」
「よし、行くかぁ…忘れ物ないよなぁ。スマホと財布っと、原付の鍵っと…」
「それにしても、原付捨てないで良かったなぁ…あれがあるとないでは違うからなぁ。それにしても、このアパートはいつ、潰れてもおかしくないなぁ…」
「あれぇ、駐車場に犬って、これから、バイトなんだけどなぁ…しょうがないないなぁ。ちょっとだけだぞぉ…いやぁ、かわいいなぁ…ほれ、ほれ、ワンワン。それにしても夏だなぁ…暑いよなぁ。ちょっと、待っててなぁ。」
「ほらぁ、走って来たぞぉ…ふぅ、疲れた。ほらぁ、ソーセージと水だぞぉ…俺も飲むなぁ。でも、水飲むと夏は疲れるらしいよなぁ。でも、美味しそうに食べて、飲んでいると疲れが吹っ飛ぶなぁ…でも、夏は疲れるなぁ…」
「はぁ、夏、疲れる(なつかれる)話だなぁ…」
「おっと、そんな事より、バイトにいかなきゃなぁ…でも、この犬をほっとけないからなぁ…あぁ、そうだぁ、大家の吉川のばーさんに事情を話して一時的に飼ってもらおう。」
「ピーンポン」
「はい、はい、今、開けますよぉ。」
「あらぁ、どうしたの?」
「実は…駐車場に犬がいまして、飼い犬だと思うんですけど…」
「なるほどねぇ…まぁ、これも何かの縁だから、一時的に預かるわよぉ。そうそう、聞いたわよぉ。大学に通っているんだって?」
「はい、某大学の心理学部です。」
「へぇ、そうなんだ、あの大学は確か、女子の割合が多いよねぇ。」
「そうですねぇ…私の学年は男は5人だけです。」
「へぇ、そうなんだぁ…でも、大丈夫なのぉ?バイトだけで生活は出来るのぉ?」
「かなり、きついですけど…何とか、やっていけてますよぉ。」
「ところで、大学は行っているのぉ?」
「あぁ…それが、最近、だるくて行ってないんですよぉ。まぁ、敬遠されているし、友達もいないし…どうでもいいかなぁ…って」
「はぁ?あんたいくつになったのぉ?」
「35歳ですけど…」
「ちょっと、待って、これを玄関の入り口に貼っておきなぁ?」
「はい、これですか?」
「そうよぉ。良いことあるからねぇ。それでは、預かっておくわぁ。」
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