ダルメシアンはそれなりに

末吉 達也

第1話 しょうもない話

私は、さえない中年肥満体型の頼りなく運動嫌いの男である。

これではまずいと思い貯金をくずして海桜学院大学心理学部に編入学を経て在籍したのだが…


最初の数カ月は楽しい大学生活を送っていた。

周囲に一回り以上離れた大人といえる年齢もいないので『先生』と言われチヤホヤされていた。

そんな事もあり、『王様気分』になっていた。

最初は女子の方から近寄ってきたのに私から近寄ったら、『すいません』と何処かにいくから『辛いなり』。

しかし、私は毎日のように、『だるい、疲れた、しんどい』が口グセになっており、少し動けば『腹減った。メシ』となるのであった。

最初は、母性本能をくすぐるのか…『はい、はい、これでも食べなぁ。』となるのだが…。

それを良い事に『ア〜ン。それが欲しいなり。』と言ってしまい。気持ち悪いとなり玉砕されるのであった。

次第に『ペットではない。こやつは単なるヘタレ、ダメーズ』だと気付き、『近寄ったら感染する。』となり、遠ざかるようになり、あだ名が『ダルメシアン』となったのであった。

その後は円を描くように私の周囲には誰も座らなくなり、次第には私が出席するか確認し、出席する授業をボイコットされ、休講になる授業も出てくるようになった。

その為、大学にも行かない日々が続きバイト生活をしていた。

そう、皆さんも気付いた人も多いが芸能人の○○に似ているのであった。



さてぇ、今日も仕事やぁ〜。

あぁ…だるぅ、飯食べてって…っと

「やっぱり、マヨライスだなぁ…迷わないぜぇ、マヨネーズご飯。シーチキンのせて、鰹節に、ネギに醤油垂らして卵。っと、ご馳走だぁ。パチパチ。」

「まぁ、経理の専門学校を卒業したけど、販売士3級と車の免許しかなかったからなぁ。就職出来ずにフリーターしてまともに就職したのもスーパーの店員で朝から晩までくたくただったからなぁ。倒産しなかったら、過労死になっているしなぁ…」

「でもなぁ…たまには、彼女でもいたら、「あ〜ん、何てしてもらえるのかなぁ…」」

「やばぁ、もうこんな時間だなぁ…今から行っても、遅刻だなぁ…」

ちょっと、待てよ…

こんな日は「風邪ひいただなぁ…」

「あのぅ、すいません。バイトの竹下 治です。今日、熱出まして38度でして、咳が止まらなくて…」

「あれぇ、どうしたのぉ?竹下君風邪ひいたのぉ?」

「ちょっと、待ってて、店長に代わるねぇ…」

「おぉ、どうした?風邪ひいたのかぁ?大学生だから、無理したなぁ。まぁ、しゃないかぁ。お大事に。明日はバイト休むなよぉ。」

「はい、体調戻して必ず、行きます。」

「よっしゃ!今日は1日オフだなぁ…まぁ、最低だけど…」

「では、もう一眠りするかぁ…」

「はい、おやすみなさい。」


「ふぅ、よく寝たなぁ。今、何時だぁ。」

「あちゃ、夕方だなぁ…」

「今日は、昼にはパチンコでもうちに行こうと思って、夕方からは飲みにでも、行こうと思ったのになぁ…」

「これじゃ、しょうもないなぁ…」

「えぇ、しょうもないって…」

「これは、しょうもない話だ」

「それにしても、大学に入ったら、少しはまともになるかなぁ…って思ったけど…安易だったなぁ…心理学部って…」

「それも、キャンパスライフを期待したけど、都内のビルの中だなぁ…最初は可愛い子を探したけど…」

「「隣、良いですか?」と言った瞬間に女子のグループからは敬遠されるし、すでに私の席の周囲は円が出来ていたなぁ…。」

「まぁ、メガネかけたデブには近寄らないかぁ…」

「それ以来、大学にも行ってないなぁ…はぁ、このままだと将来が不安だなぁ。」

「どうなるのだろう?」

「まぁ、いっか?よし、競馬で万馬券でも取りに行こう!」




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