第90話 くしゃみしてぎっくり腰の唄

くるくる回って くたびれても、悔やむことなく、来るの 首長くして待つ。


しばらく経って、シカトされても、性懲りもなく、執念深く、しがみつくよ。


やっぱり、やめた。やぶれかぶれだ、野菜まみれで、ヤンバルクイナだ。


みごとな仕事、見上げた態度、ミサンガ切れりゃ、みな、満たされる。


しとしと聞こえる、時雨の音か、しみじみ味わう、正月の 静寂(しじま)。


てなこと言われて、手羽先買って、テクノカットで、天気占う、寺の境内。


ぎょろ目の 犠牲者、銀縁眼鏡に、儀式張った、ギリシャ彫刻風。


つらそうな 呟き 次々 連なる 罪を 償う つもりか ツイッターで。


くねくねうねって、くしゃくしゃ笑って、くしゃみした途端、苦痛のあまり、くらっとする。


りゅうとした 立派な身なりの 力士さえ、リアクション芸人みたいに 臨終する。


腰の痛みに、腰砕けになる、腰巾着を、腰抜け呼ばわりする 腰元ひとり。


(「くしゃみしてぎっくり腰」ordered by Zackey!-san/text by TAKASHINA, Tsunehiro a.k.a.hiro)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る