青春 22
僕はその時、はっきり彼女の気持ちを知りたいと思った。
「近頃、勉強の方はどう?」
「前みたいなことはないわ。のんびりしたもの
よ。大学も決まったし」
僕は悲壮感に押し潰されそうだった。
空しく手を取り合おうとする二人だった。
だが、それも運命のいたずらか、その手はいつしか届かぬ所へ離れていた。
しょせん人間は一人ぽっちなんだ。
男と女が完全に理解し合うことなんか、ありはしないのだ。
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