青春 19
正月に僕は、故郷へ帰って行った。
約束通り美津子は、寒風の吹きすさぶ中を、駅のプラットホームで僕を待ち受けていた。
美津子の家には大勢の客が来ていたので、その接待に忙しくて、美津子とゆっくり話すことは出来なかった。
3時頃、客も少なくなったので、僕は美津子に映画を観に行こうと誘った。
するとどうしたことか、美津子は家事が忙しいから行けないと言うんだ。
今までこんなことはなかった。
僕はその時、ピンときた。
僕がいない間に、美津子に何かあったのじゃないかとね。
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